大橋院長の為になるブログ

2022.01.11更新

残念ながら、多くの人が残業しています。The Physicians Foundationの2018 Survey of America's Physiciansによると、医師は週に41~60時間働いており、全国平均は34.7時間となっています。その余分な仕事は、しばしば睡眠不足につながります。2018年のJournal of Community Healthの調査によると、医療従事者の約45%が毎晩の睡眠時間が7時間未満であることがわかりました。睡眠時間が7時間未満の人が50%である保安サービスや軍に次いで、医療従事者は多いという結果でした。

 睡眠不足は健康に深刻な影響を与え、2016年のCurrent Opinion in Cardiologyの研究では、不十分な睡眠が体重増加、炎症、心血管疾患、糖尿病、早期死亡と関連することが示されています。また、判断力、気分、認知能力を損ない、ストレスが高まる原因にもなります。2020年のJAMA Network Openの研究では、睡眠不足の度合いが高い医師は、重大な医療ミスを自己申告する可能性が97%も高いことがわかりました。また、Sleep Healthの研究によると、出勤前の睡眠時間が7時間未満の看護師は、同様にケアの質や患者の安全性に対する評価が低いことがわかりました。

 より効果的な医療従事者になりたいのであれば、睡眠の質と時間を改善する必要があることは明らかです。医薬品という選択肢もありますが、まずは自然な方法を試してみたいという人もいるでしょう。以下の自然なアプローチは、臨床的に検証されています。

定期的な運動
 体を動かすことはさまざまな理由で重要ですが、定期的に運動することは、1日の終わりに感じる疲労感にも影響し、最終的に寝るときに回復力のある途切れない睡眠への道を開くことができます。

 2017年に発表されたAdvances in Preventive Medicineのレビューによると、定期的な身体活動のレベルが高い人は、特に高齢者の場合、より良い睡眠との間に相関関係があることがわかりました。そのため、どのような種類の身体活動が睡眠に役立つのかという疑問が生じます。不眠症と診断された人の場合、2019年のBrazilian Journal of Psychiatryの研究では、適度なレジスタンストレーニングとストレッチを行うことで、客観的・主観的な睡眠の改善、睡眠時間の延長、夜間の覚醒の減少、そして全体的にストレスや緊張の軽減につながることがわかりました。

ハーブティーやカフェインレスのお茶を飲む
 多くの医療従事者が睡眠不足に陥っている理由を簡単に特定することはできませんが、ストレスや変則的な勤務時間、シフト勤務などが複合的に影響していると考えられます。ハーブティーやカフェインレスのお茶は、その両方を緩和してくれるかもしれません。

 2020年に行われたComplementary Therapies in Medicineの研究では、ラベンダーティーが高齢者(うつ病や不安症のリスクが高いグループ)の不安や抑うつのスコアを下げたことが明らかになっており、リラックスするためのお茶として効果的な選択肢だといえます。カモミールも選択肢のひとつです。2019年のPhytotherapy Researchのメタアナリシスでは、カモミールエキスが全体的な睡眠の質を向上させることも分かっており、2016年のPhytomedicineの限定的な研究では、カモミールの長期的な摂取が中程度から重度の全般性不安障害に有効であると報告されています。

 お茶を選ぶにしても、ハーブティーやカフェインレスのものを選ぶようにしましょう。American Academy of Sleep Medicineによると、カフェインの半減期は3~5時間とされています。つまり、午後遅くにコーヒーを飲むと、夜の寝つきに影響する可能性があります。1日の終わりに眠りやすくするためには、寝る前にカフェインや糖分を摂らないようにしましょう(カフェイン入りのお茶、ソーダ、チョコレートなどの甘いものを含む)。

寝る前に読書や音楽を聴く
 リラックスした状態で夜を過ごすことで、眠りに入りやすくなります。寝る前の1時間を「静かな時間」として確保し、激しい運動や人工的な光を避けるようにしましょう。2017年に行われたChronobiology Internationalの研究によると、スマホやテレビ、パソコンなどの明るい画面は、メラトニンの分泌に悪影響を与え、睡眠パターンや朝の注意力を乱し、日中の眠気につながることがわかりました。

 寝る前に画面を消して、本を読んだり、落ち着いた音楽を聴いたり、ヨガや呼吸法を行ったりして、リラックスした状態にすると、よりスムーズに眠りにつくことができます。

熱いシャワーやお風呂に入る
 冷たいシャワーと熱いシャワーにはそれぞれ利点があります。冷たい水は血行を良くし、新陳代謝を高め、回復力を向上させるのに有効ですが、寝る前の準備という意味では、消灯の1時間ほど前に熱いシャワーを浴びることをお勧めします。

 2019年のSleep Medicine Reviewsのメタアナリシスによると、熱いシャワーやお風呂に入ることで全体的な睡眠の質が向上し、寝る1~2時間前にシャワーや入浴をした人は、睡眠導入潜時(SOL)が短くなることがわかりました。2021年のJournal of Clinical Sleep Medicineの研究では、同様に、寝る1~3時間前に熱いお風呂に入った高齢者は、SOLの割合が減少したことがわかりました。

 Current Opinion in Physiologyに掲載された2020年の研究では、熱いシャワーが体温調節プロセスを助けるとしています。お湯に浸かることで、このプロセスが促進され、SOL値が短くなり、眠りにつきやすくなります(「温浴効果」と呼ばれる現象です)。

睡眠時間を確保する
 医療従事者は仕事が忙しく、スケジュールが立てにくいものですが、睡眠と覚醒のバランスをとることは非常に重要です。そのためには、自然な概日リズムをサポートすることから始めましょう。

 概日リズムを維持することで、体の自然な睡眠と覚醒のシグナルに同調することができます。効果を高めるためには、睡眠時間と起床時間を一定にすることです。例えば、毎晩10時30分に寝ると決めていれば、10時頃に眠くなるのは時間の問題です。

 このようにバランスのとれた睡眠スケジュールを維持するためには、仕事のない日も同じ時間に起床することが大切です。

投稿者: 大橋医院

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