大橋院長の為になるブログ

2021.03.31更新

橋本病と心疾患:

橋本病・甲状腺機能低下症
橋本病
橋本病は、本来自分の体を守るための免疫が自分自身の甲状腺を攻撃することにより起こる病気です。この異常な免疫反応を自己免疫と呼びます。自己免疫により甲状腺に慢性の炎症が起こると、甲状腺が腫れてきたり、逆に縮んだりします。病気が進行すると、甲状腺ホルモンの分泌が低下してきます。 甲状腺に自己免疫が起こる原因は、自己免疫を起こしやすい体質を遺伝的に持っていることがその根本です。そのような体質を持っている人に、出産や大きなストレス、免疫に影響する薬を服用した後、ヨードの過剰摂取などがきっかけとなって発病すると考えられています。
橋本病は成人女性の10人に一人の高頻度で見つかる病気ですが、甲状腺ホルモンが低下してくる人は4~5人に一人で、橋本病になっても多くの人の甲状腺機能は正常に保たれています。
甲状腺機能が正常であれば、体には何の異常もでませんし、治療も必要ありません。ただし、将来甲状腺機能が低下してくる可能性があるので、経過観察が必要です。経過観察中に約30%の方に何らかの甲状腺機能異常が見られます。しかし、その多くは一過性の異常で、治療が必要なまでに甲状腺機能が低下する人は4~5%です。
甲状腺機能異常の症状
甲状腺機能低下症に進行すると、寒がり、便秘、体重増加、むくみ、関節痛、物忘れがひどいなどの症状が現れます。一方、「無痛性甲状腺炎」と言って、一時的に甲状腺の炎症が強くなり、甲状腺からホルモンが漏れて高くなることがあります。その結果、汗かき、暑がり、手の震え、動悸、体重減少などの症状が現れます。また、長い経過の中で、バセドウ病が発病してくることもあります。
経過観察
甲状腺機能低下症は軽度の時期には明らかな自覚症状は現れません。放置しておくと動脈硬化の危険因子になりますので、そのような変化を見逃さないためにも、6か月~1年に1回は甲状腺機能のチェックを受けることをお勧めします。
食事、日常生活の注意
昆布などの海藻類を過剰にとったり、イソジンのうがいを毎日のように使用したりすると甲状腺機能が低下する可能性がありますので、過剰にはとらないようにしましょう。ただ、あまり神経質になる必要はありません。ごく普通の食事の範囲で海藻類をとるのは問題ありませんし、うがい薬も風邪の時に使用するのは全く問題ありません。それ以外の日常生活での注意は特にありません。
妊娠予定の女性
妊娠中に甲状腺機能が低下していると流産しやすくなることが分かっています。橋本病の人は普段甲状腺機能が正常であっても、妊娠すると低下しやすいので、妊娠が分かったら早期に甲状腺機能を再確認する必要があります。
潜在性甲状腺機能低下症
甲状腺機能検査の結果で、FT4が正常範囲内でTSHが正常範囲よりも高い値の場合に潜在性甲状腺機能低下症と判定します。TSHは脳下垂体から分泌されるホルモンで、体にとって甲状腺ホルモンが不足すると、脳下垂体はTSHの分泌を盛んにして甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンの分泌量を正常に戻そうとします。甲状腺機能が低下し始めると、まず最初にTSHが上昇し、さらに進行するとFT4も低下します。FT4が低下していない軽い段階の甲状腺機能低下症が潜在性甲状腺機能低下症です。潜在性甲状腺機能低下症の頻度は3 – 15%と報告されており、特に高齢者や女性に多い病気です。
潜在性甲状腺機能低下症は一過性の場合も多いので、1回目の検査で潜在性甲状腺機能低下症の値を認めたときは、2~3か月後に再検査を行ってその状態が持続しているかどうか確認します。海藻類やイソジンうがい液に含まれるヨウ素を過剰に摂ると、甲状腺機能が低下することがありますので、そのような習慣のある方は、それらを控えたうえで再検査を行います。

原因
持続する潜在性甲状腺機能低下症の原因としては、甲状腺に慢性の炎症を起こす病気である橋本病がまず挙げられます。橋本病の診断は抗サイログロブリン抗体(TgAb)の測定や超音波検査により行います。その他、中に液体がたまった袋状ののう胞と呼ばれるものが甲状腺の中に多数できている場合などがあります。実際の診察では、原因がはっきりしない方も多くみられます。

症状
潜在性甲状腺機能低下症の段階では症状はほとんど現れません。より重症の甲状腺機能低下症に進行すると、倦怠感、筋力低下、体重増加、冷え性、便秘、気分の落ち込み、記憶力低下などの症状が現れる可能性があります。長期的な影響ですが、潜在性甲状腺機能低下症の中でもTSHが10μU/mL以上の、より重症のタイプでは、狭心症や心筋梗塞、心不全の危険因子になることがわかっています。また、脳卒中が起こりやすくなるとも言われています。

治療
潜在性甲状腺機能低下症が持続する場合、次のような方針で治療を行います。
(注:妊娠を希望している女性は以下とは異なる方針で治療を行います。
1. TSH 10以上
 70歳以下の方は、甲状腺ホルモン剤の服用による治療を開始します。
 70歳を超える方は、投薬治療を行わずに6か月ごとの経過観察とします。ただし、甲状腺機能低下症による症状の疑われる方、原因が橋本病で進行の可能性のある方、FT4が正常範囲内でも低めの方、経過観察中にTSHが徐々に上昇してくる方に対しては甲状腺ホルモン剤の服用をお勧めすることがあります。
2. TSH 7以上10未満
 投薬治療を行わずに6か月ごとの経過観察とします。
 甲状腺機能低下症による症状の疑われる方、70歳未満で高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの心臓へのリスクを有する方、原因が橋本病で進行の可能性のある方に対しては甲状腺ホルモン剤の服用をお勧めすることがあります。
3. TSH 7未満
 投薬治療を行わずに6か月ごとの経過観察とします。
 甲状腺機能低下症による症状の疑われる方は、甲状腺ホルモン剤の服用を試してみる場合があります。
甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)について
チラーヂンSは体内にもともとある甲状腺ホルモンと同じものであり、適切な量を服用している限り副作用はありません。過剰に服用すると、動悸がする、手足がふるえる、汗が出るなどの甲状腺ホルモン過剰の症状が現れますが、検査値をもとに量を調節している限りそのようなことは起こりません。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能が低下すると、寒がり、便秘、体重増加、むくみ、物忘れがひどいなどの症状が現れます。検査では血液中の甲状腺ホルモン(FT4、FT3)が低下し、TSHが高くなります。症状の程度は個人差が大きく、はっきりとは自覚していない方もいますが、治療によって甲状腺機能が正常に回復すると、そのような方でも治療前に比べて体調がよくなることがたびたび認められます。治療は不足している甲状腺ホルモンを薬として補充します。 ただ明らかに低下している場合でも、一過性で自然に回復する場合があり、そのような可能性が疑われる場合は治療を開始せずに経過を見ることがあります。
甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)による治療について
治療は合成甲状腺ホルモンであるT4製剤(商品名;チラーヂンS)を内服します。チラーヂンSは通常、少量からはじめて少しずつ量を増やしていきます。一日に必要な量を最初から服用すると高齢者や狭心症などの心臓病のある方では危険なことがあります。TSHが正常範囲に入るように内服量を調節します。
甲状腺ホルモン剤は体内にもともとある甲状腺ホルモンと同じものであり、適正な量を内服している限りまず副作用はありません。過剰に内服すると、動悸がする、手足がふるえる、汗が出るなどの甲状腺ホルモン過剰の症状が現れますが、検査値をもとに量を調節している限りそのようなことは起こりません。
甲状腺ホルモン剤服用上の注意
薬として服用した甲状腺ホルモン剤と、甲状腺が体内で作る甲状腺ホルモンには違いはありませんので、甲状腺機能を正常にするのに必要な量を服用している限り副作用が出ることはまずありません。一方、甲状腺ホルモン剤の効きを悪くする食品や薬などの要因が多数知られています。これらが影響すると、甲状腺ホルモン剤をきちんと服用していても、その効きが悪くなることがあります。それらを下の表にまとめました。
表の中の1番のグループの食品や薬は時間をずらせばよいので、夕食時間と就寝時間までの間の時間が長い方は、甲状腺ホルモン剤は就寝前に服用するのがよいでしょう。起床時間から朝食時間までの間の時間が長い方は、起床時に服用するのがよいでしょう。
それ以外の番号の薬については、服用時間をずらしても影響を軽くすることはできません。この場合は甲状腺ホルモン剤の服用量を調節することで甲状腺機能を正常にできますので、他の医療機関から処方されている薬も服用を続けてください。胃腸の病気による吸収の低下も服用量の調整で対処します。
表. 甲状腺ホルモン剤の効きを悪くする食品や薬などの要因
________________________________________
1. 消化管内で甲状腺ホルモン剤と結合してその吸収を妨げる
 高食物繊維食品: 野菜ジュース、青汁、ダイエット食品など
 コーヒー
 脂質異常症治療薬: コレバイン、クエストラン
 胃薬: アルサルミン、マーロックス、キャベジン、プロマックなど
 貧血治療薬: フェロ・グラデュメットやフェロミアなどの鉄剤
 過敏性腸症候群治療薬: コロネル
 慢性腎不全の治療薬: 沈降炭酸カルシウム、レナジェル、ケイキサレート
2. 胃酸分泌低下による吸収不良
 胃薬: オメプラール、タケプロン、パリエットなど
 慢性胃炎などによる胃酸分泌低下
3. 吸収不良を起こす病気
 腸粘膜の病気や腸の切除後
4. 吸収を妨げるが、その仕組みは不明
 抗菌薬: シプロキサン
 骨粗しょう症治療薬: エビスタ
5. 甲状腺ホルモンの必要量が増加する
 妊娠
 女性ホルモン剤: エストロゲン
6. 甲状腺ホルモンの分解を早める
 けいれん治療薬: アレビアチン、ヒダントール、テグレトール、フェノバール
 結核治療薬: リファジン
7. T4からT3への代謝を減少させる
 抗不整脈薬: アンカロン

おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.31更新

心筋炎:

心筋炎:

心筋炎とは、心臓の筋肉に炎症が発生した状態を指します。心筋炎が生じると心臓の本来持つポンプ機能が障害を受け、心不全の原因となります。また、心臓の電気回路にも異常が生じるようになり、致死的不整脈が生じることもあります。心不全や致死的不整脈が生じる心筋炎は、死にいたることもある重症な病気といえます。

心筋炎にはいくつかのタイプがありますが、風邪や胃腸炎を引き起こすウイルス感染症に関連して発症することが多いです。致死的な経過をたどりうる心筋炎では、さまざまな治療を組み合わせた集学的な治療が行われます。心筋炎は健康な人でも突然発症する可能性のある病気です。急激な経過をたどる可能性のある病気であるため、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。

原因
心筋炎は、経過や重症度に応じて慢性・急性・劇症型などに分類されます。なかでも、もっとも多くみられるものは「急性心筋炎」です。急性心筋炎と劇症型心筋炎には明確な区分は存在せず、急性心筋炎のなかでもショックを伴い致死的なものを劇症型心筋炎と呼びます。

心筋炎のなかでも頻度が高い急性心筋炎は、風邪や胃腸風邪を引き起こすウイルスをきっかけとして発症することがもっとも多いです。ウイルス以外の感染症、すなわち細菌や真菌などへの感染も原因となることが知られています。その他、薬物による副作用、放射線による合併症、自己免疫疾患なども心筋炎の原因となります。ただし、明らかな原因を特定できないまま心筋炎を発症することもあります。

おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.31更新

心筋炎:

心筋炎とは、心臓の筋肉に炎症が発生した状態を指します。心筋炎が生じると心臓の本来持つポンプ機能が障害を受け、心不全の原因となります。また、心臓の電気回路にも異常が生じるようになり、致死的不整脈が生じることもあります。心不全や致死的不整脈が生じる心筋炎は、死にいたることもある重症な病気といえます。

心筋炎にはいくつかのタイプがありますが、風邪や胃腸炎を引き起こすウイルス感染症に関連して発症することが多いです。致死的な経過をたどりうる心筋炎では、さまざまな治療を組み合わせた集学的な治療が行われます。心筋炎は健康な人でも突然発症する可能性のある病気です。急激な経過をたどる可能性のある病気であるため、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。

原因
心筋炎は、経過や重症度に応じて慢性・急性・劇症型などに分類されます。なかでも、もっとも多くみられるものは「急性心筋炎」です。急性心筋炎と劇症型心筋炎には明確な区分は存在せず、急性心筋炎のなかでもショックを伴い致死的なものを劇症型心筋炎と呼びます。

心筋炎のなかでも頻度が高い急性心筋炎は、風邪や胃腸風邪を引き起こすウイルスをきっかけとして発症することがもっとも多いです。ウイルス以外の感染症、すなわち細菌や真菌などへの感染も原因となることが知られています。その他、薬物による副作用、放射線による合併症、自己免疫疾患なども心筋炎の原因となります。ただし、明らかな原因を特定できないまま心筋炎を発症することもあります。

おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.31更新

発症から治療までの時間が心筋梗塞サイズに関連:

ST上昇型心筋梗塞(STEMI)では、病院到着から再灌流療法開始までの時間(DBT)ではなく、発症から再灌流療法開始までの時間(SBT)が梗塞の大きさに関連することが、「Circulation: Cardiovascular Interventions」に1月14日報告された。

 米心臓血管研究財団(CRF)のBjörn Redfors氏らは、STEMIで初回経皮的冠動脈インターベンションを受けた3,115人について調べた。

 SBTとDBTの中央値は185分、46分だった。SBTを長(4時間超)・中(2~4時間)・短(2時間以内)、DBTを長(90分超)、中(45~90分)、短(45分以下)で層別化したところ、SBTでは短に比べて中と長で梗塞サイズ増大が認められたが(2.0%、4.4%)、DBTでは時間による梗塞の増大は認められなかった。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.30更新

アイルランドの不屈の精神:

<アイルランドに見る不屈の精神>
17世紀はアイルランド史のなかで最も血塗られた時代である。アイルランド同盟戦争(英語版)(1641年 - 1653年)、クロムウェルのアイルランド侵略(1649年 - 1653年)、ウィリアマイト戦争(1689年 - 1691年)により人口は激減、カトリックに対する刑罰法(Penal Laws)によってカトリックの地主階級が凋落し、差別が固定化する事になった。
国外植民地としてのアイルランド
アイルランド人のイングランドへの不満は植民地支配により経済情勢が悪化するにつれ激しさを増していった。適当な地主の不在により農業生産は輸出品中心となり、国内消費に必要な農産物は不足した。1740年代には2年にわたる寒波がアイルランドを襲い、アイルランド大飢饉と呼ばれる飢饉により40万人もの農民が死亡した。イングランドの貿易法によってアイルランドの輸出物が関税をかけられるのに対して、イングランドの製品は無関税でアイルランドに流入した。アイルランド人のカトリック信仰は続いていたが、17世紀には大きな反乱などが生じることはなかった。
18世紀になると、プロテスタントの特権階級の間でアイルランド人としての意識が芽生え始めた。さらに1775年に勃発したアメリカ独立戦争の対処に追われたイギリスは、アイルランドに対して強硬策がとれなくなった。こうした中、ヘンリー・グラタンにより率いられた党派は、イギリスとの貿易不均衡の改善やアイルランド議会の尊重を訴え、事実上立法権を回復させるなど、アイルランド議会の地位を向上させた。こうしたことから、この時期の議会はグラタン議会とも称される。
イギリス併合時代(1801年 - 1922年)[編集]
主要記事:イギリス併合時代のアイルランド
1845年から1849年にかけてはアイルランドをジャガイモ飢饉が襲い、アイルランドからのアメリカ合衆国などへの移民を促進させる原因となった。飢饉以前に800万人を数えた人口は、1911年には410万人にまで減少している。

アイルランドの人口減少
1841年 - 1851年
アイルランド語の使用は19世紀に急激に減少した。これは飢饉の影響に加え、イギリスによる国民学校(national school)の設立、当時のアイルランド人政治家による排斥などが影響している。代わって用いられるようになった英語は、イングランド本土の英語と文法的に相違があり、一種の方言と見なされている。これは、古英語に由来する文法の柔軟性が特徴的なアイルランド英語(ハイバーノ・イングリッシュ)として、20世紀前半のイギリス文学界にも一定の影響を与えた。J・M・シング、ジョージ・バーナード・ショー、ショーン・オケイシー、オスカー・ワイルドなどはその代表である。
私はジョンフォード監督の「静かなる男」を何度も鑑賞した。歴史的には、百戦百敗のアイルランドの歴史で“アイルランド人は負けない”精神を「風と共に去りぬ」の主人公にも見れる。素敵な国である。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.30更新

多発性硬化症:

多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)は視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状の再発と寛解を繰り返す、厚生労働省が指定する難病の1つです。

病気の経過に応じて“再発寛解型”“一次性進行型”“二次性進行型”に分類され、再発寛解型は症状が現れては治ることを繰り返し、日本ではそのうちの約20%が数十年後に二次性進行型へと移行するといわれています。

二次性進行型では、はじめは症状が現れたり、治ったりを繰り返す再発寛解型を示しますが、次第に再発せずに、ゆっくりと体の障害が進行するようになります。一方、一次性進行型ははじめから障害が継続して進行するタイプです。

詳細な原因は分かっていないものの、何らかの免疫異常によって中枢神経のさまざまな部位に脱髄だつずいが繰り返し引き起こされ、症状が現れると考えられています。

よく似た病気として、視神経脊髄炎(NMO)や抗MOG抗体陽性脱髄疾患などが挙げられ、診断の際には鑑別が必要です。多発性硬化症は欧米人に多い病気ですが、日本でも約12,000人の患者がいると推定されています。平均発症年齢は30歳前後で、20歳代で発症する方がもっとも多いといわれています。女性の患者の割合が高く、男性の2~3倍程度と報告されています。

近年では、治療薬の選択肢が広がるとともに、日常生活を改善する治療法が確立されつつあります。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.30更新

多発性硬化症:

多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)は視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状の再発と寛解を繰り返す、厚生労働省が指定する難病の1つです。

病気の経過に応じて“再発寛解型”“一次性進行型”“二次性進行型”に分類され、再発寛解型は症状が現れては治ることを繰り返し、日本ではそのうちの約20%が数十年後に二次性進行型へと移行するといわれています。

二次性進行型では、はじめは症状が現れたり、治ったりを繰り返す再発寛解型を示しますが、次第に再発せずに、ゆっくりと体の障害が進行するようになります。一方、一次性進行型ははじめから障害が継続して進行するタイプです。

詳細な原因は分かっていないものの、何らかの免疫異常によって中枢神経のさまざまな部位に脱髄だつずいが繰り返し引き起こされ、症状が現れると考えられています。

よく似た病気として、視神経脊髄炎(NMO)や抗MOG抗体陽性脱髄疾患などが挙げられ、診断の際には鑑別が必要です。多発性硬化症は欧米人に多い病気ですが、日本でも約12,000人の患者がいると推定されています。平均発症年齢は30歳前後で、20歳代で発症する方がもっとも多いといわれています。女性の患者の割合が高く、男性の2~3倍程度と報告されています。

近年では、治療薬の選択肢が広がるとともに、日常生活を改善する治療法が確立されつつあります。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.30更新

非コンセンサスTIAの脳卒中リスクは典型例と同等:

一過性神経症状のうち典型的な症状(運動麻痺、失語症、片側視野欠損、単眼視力低下)を伴う一過性脳虚血発作(TIA)ではなく、単独の複視、構音障害、めまいや運動失調、感覚消失、両眼視力低下といった「非コンセンサス」TIAの発症も、その後の短期・長期の脳卒中リスクが典型的TIAと同等に高いことが明らかにされた。10年主要血管イベントリスクについても同等だった。英国・オックスフォード大学のMaria A. Tuna氏らが、人口9万人超のコミュニティーを対象に前向きコホート試験を行い明らかにした。TIAの診断は困難を伴い、非コンセンサスの症状については、調査や治療に大きなばらつきがあった。結果を踏まえて著者は「非コンセンサスTIAを明確に脳血管イベントとすることで、全体的にTIA診断率はおよそ5割増しになるだろう」と述べている。Lancet誌2021年3月6日号掲載の報告。

軽度虚血性脳卒中、典型的TIA、非コンセンサスTIAに分け追跡
 研究グループは2002年4月1日~2018年3月31日に、英国オックスフォードシャーの住民(9万2,728人、年齢問わず)で一過性神経症状を呈し、プライマリケア診療所、またはJohn Radcliffe病院で診察を受けた患者を対象に前向きコホート試験を行った。
 対象患者は、軽度虚血性脳卒中(NIHSS<5)、典型的TIA、非コンセンサスTIAに分類され、2次予防を目的としたガイドラインに沿った治療を受けた。

 脳卒中リスク(7日、90日、10年リスク)と、すべての主要血管イベントリスク(初回イベントからの期間、医師の診察を受けた時からの期間)を対面による追跡で判定し、試験対象集団における年齢・性別の脳卒中罹患率に基づく予測リスクと比較した。

90日脳卒中リスク、典型的TIA群11.6%、非コンセンサスTIA群10.6%
 対象患者は2,878例で、うち軽度虚血性脳卒中は1,287例、典型的TIAは1,021例、非コンセンサスTIAは570例だった。追跡は、2018年10月1日まで行われた(追跡期間中央値5.2[IQR:2.6~9.2]年)。

 1万7,009人年の追跡期間中、初回の脳卒中再発は577件発生した。

 非コンセンサスTIA群の90日脳卒中発症リスクは、典型的TIA群と同等だった(10.6%[95%信頼区間[CI]:7.8~12.9]vs.11.6%[9.6~13.6]、ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.64~1.19、p=0.43)。また、非コンセンサスTIA群の90日脳卒中発症率は、一過性黒内障発症後の同発症率(4.3%[95%CI:0.6~8.0])より高率だった(p=0.042)。

 一方で、症状発症時点で医療サービスを受けた患者の割合は、典型的TIA群は75%(768/1,021例)だったのに対し、非コンセンサスTIA群は59%(336/570例)と低率だった(オッズ比[OR]:0.47、95%CI:0.38~0.59、p<0.0001)。医療サービスを受ける前に脳卒中再発が起こる割合も、典型的TIA群5%(47/1,021例)に対し非コンセンサスTIA群8%(45/570例)と増大する傾向がみられた(OR:1.77、95%CI:1.16~2.71、p=0.007)。

 これらの再発脳卒中を除外後、非コンセンサスTIA群の受診後の7日脳卒中リスク(発症率2.9%、95%CI:1.5~4.3)も、予測リスクと比べてきわめて高かった(相対リスク[RR]:203、95%CI:113~334)。とくに、発症当日に受診した患者で高かった(発症率5.0%[95%CI:2.1~7.9]、RR:300[137~569])。

 10年主要血管イベント発生リスクも、非コンセンサスTIA群と典型的TIA群で同等だった(27.1%[95%CI:22.8~31.4]vs.30.9%[27.2~33.7]、p=0.12)。

 心房細動、卵円孔開存、および動脈狭窄のベースライン有病率も、非コンセンサスTIA群と典型的TIA群で同等だったが、後方循環狭窄は非コンセンサスTIA群で頻度が高かった(OR:2.21、95%CI:1.59~3.08、p<0.0001)。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.29更新

美女になるさ:

大垣市大橋医院のプラセンタで更年期障害を遠ざけ、若くなり、ヒルドイドソフト軟膏で、皮膚は潤い、ハイシーで色白に、トランサミンでより美女へ、

続行しよう!「あの美女はだれ?」「大橋医院にかよっているのよ」「私たちもいきましょうよ!」おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.03.29更新

花粉症がすぐに治る:

通年性アレルギー性鼻炎
原因の90%がダニによるものです。そのほかにハウスダスト、動物の毛やフケなども原因となります。

季節性アレルギー性鼻炎
季節性アレルギー性鼻炎でもっとも多い原因は花粉であり、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎のことを一般的に花粉症と呼んでいます。

原因となる花粉は60種類以上ありますが、スギ花粉の飛散が多い日本では花粉症全体の70%がスギ花粉によるものと推測されています。また、ほかの季節に飛散する花粉に悩まされている患者さんも多くいます。

症状
3大症状は“くしゃみ”“鼻汁”“鼻閉”です。そのほかに頭痛、頭重感、食欲不振、耳・喉・目のかゆみなどの随伴症状が起こることもあります。

また、倦怠感けんたいかんや意欲の低下にもつながります。こうした症状は非常に不快で、日常生活の質を著しく低下させます。生命に関わる病気ではありませんが、学業や仕事に悪影響をきたすこともあります。

 

当院では、ノイロトロピンの静注、点鼻液、点眼液、漢方薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン拮抗剤、抗ケミカルメディエーター阻害薬を使用し、患者さんの苦痛を、

即効的に治癒します。おおはし

投稿者: 大橋医院

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