大橋院長の為になるブログ

2022.02.28更新

作用と効果
週1回の使用で効果が持続するように製剤的な工夫をしたグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とよばれる薬です。膵臓のGLP-1受容体に働いて、血糖値が高くなるとインスリンの分泌を促して血糖値を下げます。
通常、2型糖尿病の治療に用いられます。

使用上の注意
以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病がある。重症感染症、手術などの緊急の場合

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。

用法・用量
通常、成人は、1回0.75mgを1週間に1回皮下注射します。必ず指示された使用方法に従ってください。

週1回、同じ曜日に注射してください。

腹部、大腿部または上腕部のいずれかに皮下注射します。同じ部位の中で注射する場合は、毎回注射する場所を変えてください。

注射を開始する前に添付されている取扱説明書を必ず読んでください。

注射をし忘れた場合は、次の注射予定日までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点ですぐに注射し、その後はあらかじめ定めた曜日に注射してください。次の注射予定日までの期間が3日間(72時間)未満であれば注射せず、次のあらかじめ定めた曜日に注射してください。絶対に2回分を一度に注射してはいけません。

誤って多く注射した場合は、医師または薬剤師に相談してください。

医師の指示なしに、自分の判断で注射を止めないでください。

副作用
主な副作用として、便秘、吐き気、下痢、上腹部痛などが報告されています。異常が認められたら中止する副作用として、急性膵炎、アナフィラキシー、血管浮腫、腸閉塞が報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・高度な空腹感、冷汗、手足の震え [低血糖]

・じんましん、口唇周囲の腫れ、のどの腫れ、呼吸困難 [アナフィラキシー、血管浮腫]

・激しい上腹部の痛み、または腰背部の痛み、発熱、吐き気、嘔吐、食欲の低下 [急性膵炎]

・腸管内容の通過障害(排便の停止、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、悪心、嘔吐) [腸閉塞]

・トイレから離れられないほど頻回に下痢をする、便が泥状か、完全に水のようになっている、吐く [重度の下痢、嘔吐]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。


保管方法
乳幼児、小児の手の届かないところで保管してください。

凍結を避け、2~8℃(冷蔵庫など)で遮光して保管してください。室温で保存する場合は遮光して保管し、14日以内に使用してください。30℃を超える場所では保管しないでください。

使用済みおよび余った薬は、保管しないで医師の指示に従って廃棄してください。

飲み合わせなど併用禁忌・注意の処方薬
併用禁忌:一緒に服用してはいけない薬の組合せ

併用注意:一緒に服用することは可能ですが、その際に注意をする必要がある組合せ

薬の併用には専門的な判断が必要です。併用する場合も、併用をやめる場合も、 決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

 

投稿者: 大橋医院

2022.02.25更新

意識調査「自身の専門とする疾患へのスティグマ※」、第2回はその具体的な内容を自由回答で聞いた。「抗てんかん薬の服用を話しただけで解雇された」「大腸癌の手術に際し、人工肛門は絶対いやと言われた」といった社会全体におけるスティグマだけでなく、「術者から、俺にダルムを見せるなと叱責された」、「下の病気や性病などしかみていないと思われている」などと、医療者の中のスティグマを指摘する意見も多く寄せられた。(m3.com編集部・坂口恵)

※精神的、身体的あるいは社会的欠陥と見なされる個人の特徴に付けられるネガティブな社会的態度。社会的否認を意味し、不当な差別や個人の排除をもたらすことがある(参照:米国心理学会・心理学用語辞典「stigma」)

【調査の概要】
調査期間:2021年12月18-23日
対象:m3.com医師会員
回答者総数:1000人(勤務医226人、開業医774人)
統計に基づく世論調査ではありません
疾患と社会的スティグマ
抗てんかん薬で無発作も解雇
仕事の同僚に抗てんかん薬を服用していることを話しただけで、上司に知られ、何年も発作が起きていなかったにもかかわらず、社長自らが出てきてクビにされた患者がいる。またその理由も誰が聞いても理不尽な理由であった。そのような事が多くなると、患者は定職につきにくくなり、きちんと治療を受けようとする気持ちを萎えさせる。【脳神経科勤務医】
減ってはきましたが、てんかんと診断されること自体に対する不快感を言われたことがあります【脳神経科勤務医】
糖尿病で生命保険加入が困難に
病名告知で内定取消し、縁談破談、出向、左遷、退職に追い込まれた等。また、病名が付くのを嫌がり治療拒否する例もある【脳神経科勤務医】
生命保険への加入【糖尿病科勤務医】
糖尿病への社会的偏見【糖尿病科勤務医】
月経関連症状への無理解【産婦人科開業医】
不妊患者さんへの周りや身内からの心無い言動で患者さんが傷ついているのをよく見かける【産婦人科勤務医】
「見えるので攻撃されやすい皮膚疾患」
子供の頃からアトピー性皮膚炎で何回か入院した。その体験をもとに皮膚科を目指した。皮膚(疾患)は外から見えるので、攻撃されやすい【皮膚科開業医】
乾癬は見た目の問題もある【皮膚科開業医】
双極性障害における躁状態における障害や統合失調症における障害においてなかなか難しいところがあって、初診から双極性障害と診断されるまでに5年以上かかる場合もあった【外科勤務医】
精神科、患者が受診してこなくなる、御近所から悪く言われる、等々【精神科勤務医】
「コロナ怖いから来たくなかった」
「コロナが怖いから本当は〇〇科には来たくなかった」と面と向かって言う患者が存在する【耳鼻咽喉科勤務医】
コロナ診療者への差別を時に感じます【呼吸器科開業医ほか複数】
ウイルス性肝炎の治療であったため、患者さんが覚せい剤などの自己注射による中毒者ではないかと疑われたことがある、との話を聞いた【内科開業医】
感染症にかかってしまった人を責める発言が非医師の同僚からしばしば聞かれる【内科開業医】
がんスティグマ「人工肛門は絶対嫌」
大腸癌の手術に関して、「人工肛門は絶対いや」みたいなことはよく言われます【外科系勤務医】
化学療法による予期せぬ副作用に対する医師間、医師・患者間における理解不足【外科系勤務医】
線維筋痛症の患者は、さぼっているとみられがちなので、精神的なケアが必要【外科勤務医】
うつ病、統合失調症と診断されることによるレッテル、周りからの批判【内科開業医】
医療界の中のスティグマ
「患者に会わない」で病理奨めた結果
疾患というか診療科に対するstigmaが酷い。学生、研修医の頃、そして、臨床で後期研修を始めて暫くした時、変な奴(医者)は、患者に会わないという理由から、病理を奨められる。その結果として、変な奴≒使えない=仕事を任せられない=仕事をしないで良いお気楽な病理医が増えている。【内科勤務医】
HIV診療【内科勤務医】
でもしか治療と呼ばれる放射線治療【外科系勤務医】
「俺にダルムを見せるな」と叱責
管腔臓器に対し必要以上に、「医学的に不潔」だと感じる風潮。最近ではないが、腹部大動脈瘤の手術の際、小腸をbagに収納するのに手間取った際、術者(病院管理者、理事)から「俺にダルムを見せるな」と叱責されたことがあります。【消化器科勤務医】
難病を専門としていると医者も患者も「奇人」扱いされることがある【消化器科勤務医】
外科と消化器内科の医師が、当科疾患を見下している【糖尿病科勤務医】
「下の病気や性病は泌尿器科のごく一部」
どうしても下の病気や性病などしかみていないと思われ、笑いや興味本位の会話が多くなってしまいます。実際は泌尿器科の中でわずかな部分なのですが、理解されないようです。【腎・泌尿器科開業医】
整形外科=脳筋、整形外科=骨大工、という他科の医師からの差別・偏見【整形外科勤務医】
精神疾患全般に感じるが、とくに統合失調症や自閉スペクトラム症には嫌悪感を示すひとが多く、医療従事者も例外ではない【精神科開業医】
他科でまじめにみてもらえない【精神科勤務医】
自分は精神科医だが、一般住民だけでなく医療職の中にも偏見を持つものはいて、「精神科医療の存在自体を否定するもの」すらいるのが現状だと思う。もちろん、20~30年前と比べたらそういった偏見や誤った認識を持った人は減っているとは思います。【精神科勤務医】
スティグマとは
「浸透していないカタカナ」
スティグマとなぜ呼称するのか【呼吸器科開業医】
スティグマって何ですか?【内科勤務医ほか複数】
浸透していないカタカナで質問しないでほしい【脳神経科勤務医】
医療を使命としている以上、質問の意味がわからない【呼吸器科勤務医】
個人的には感じたことはない【呼吸器科勤務医ほか複数】
考えたことがない【外科系勤務医ほか複数】
質問の意味がわかりません。私自身がstigmaを感じる理由は何もありませんが、私が専門とする疾患群についてはすでに患者のstigmaについての研究があり海外から論文になっています。患者のstigmaは「大いにある」ことがわかっており、問診でもそれは容易に確かめられます。外見の劣等感、低い認知度、周囲の無理解、医師からは精神疾患との誤解、がstigmaの主な原因です。なお、stigmaはもともとキリスト教の用語で「聖痕」の意味ですから、質問文に書かれた説明は微妙に違っているように思います【脳神経科勤務医】
意味不明なアンケートだ。病気そのものは社会とは無関係で患者固有の問題だ。故にその責任は個人に帰結する【消化器科勤務医】

投稿者: 大橋医院

2022.02.24更新

当院はプラセンタ(めりすもん)を保険で投与しています。

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投稿者: 大橋医院

2022.02.24更新

エビデンスレベルの高い漢方薬の処方
 RCTなどが多数行われ、エビデンスレベルが高いと言える漢方薬の処方の代表例として、新井氏は、「術後イレウスに対する大建中湯(ダイケンチュウトウ)」、「認知症の行動・心理症状(BPSD)に対する抑肝散(ヨクカンサン)」、「機能性ディスペプシアに対する六君子湯(リックンシトウ)」の3つを挙げる。以下で、これらの3つの処方のエビデンスについて詳しく見ていこう。

術後イレウスに対する大建中湯
メタアナリシスで有効性を確認
 大建中湯は、山椒(サンショウ)、人参(ニンジン)、乾姜(カンキョウ)、膠飴(コウイ)の生薬から成る。もともとは冷えによる腹痛や、膨満感に対して用いられる漢方薬だが、使用量はあまり多くなかった。「ところが術後イレウスに大建中湯を使うと、よく効くことが分かりました。そこから口コミで情報が伝わって、論文が出る前から、かなり使われるようになったのです」(新井氏)。そして1988年以降、術後イレウスに対する大建中湯の有効性が論文で報告されるようになり、1990年代半ば以降になると、RCTによる報告も数多くなされるようになった。

 2017年には、消化器がんの手術を受けた患者1134人を対象にしたメタアナリシスが行われ、大建中湯の投与群は、非投与群に比べて術後イレウスの発生率が有意に減少したこと(相対リスク=0.58、95%CI 0.35-0.97、p=0.04、I2=48%)が報告された(Anticancer Res. 2017; 37: 5967-5974.)。このように術後イレウスに対する有効性が分かってきたことにより、大建中湯の使用量は爆発的に増えていき、今では日本で最も使用量の多い漢方薬の一つとなっている。「現在、ほとんど全ての大病院で、手術時の標準治療の中に入っています」(新井氏)

便秘に対するエビデンスは多くない
 ただし、新井氏によると、大建中湯をイレウス予防に用いることを推奨している診療ガイドラインは見当たらないという。また、便秘に対して大建中湯が推奨されている例はあるが、便秘に対するエビデンスはイレウスほど多くはないそうだ。

 大建中湯のイレウスに対する作用機序についても研究が進んでおり、山椒の成分であるヒドロキシ-α-サンショオールと、乾姜の成分である6-ショウガオールなどによる腸管血流増加作用や腸管運動促進作用などが動物実験で確かめられている。

認知症の行動・心理症状に対する抑肝散
“夜泣きの薬”の興奮を抑える作用を応用
 抑肝散は、当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)から成る。もともと子どもの夜泣きや「疳の虫」を抑える薬として使われてきたが、新井氏によると、小さい子どもに対する臨床試験が難しいこともあり、これらに対するRCTによるエビデンスはないそうだ。

 2005年、抑肝散の「精神を鎮める」という作用に注目し、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対するRCTが初めて行われ、その有効性が確認された(J Clin Psychiatry. 2005 ; 66: 248-252.)。その後もBPSDに対する抑肝散のRCTが多数行われ、エビデンスが積み重ねられているという。『認知症疾患診療ガイドライン2017』では、抑肝散は、焦燥性興奮や幻覚・妄想などに対して「『実施する』ことを提案する」とされている。また抑肝散は、認知症のBPSD以外にも、治療抵抗性の統合失調症、心臓大血管手術後せん妄についても、RCTによって有効性が示されている。

 BPSDには、暴力、徘徊などの行動症状、抑うつ、幻覚などの心理症状がある。「抑肝散は、BPSDのうち、興奮性の症状に効きます。鎮静効果のある薬は他にもたくさんありますが、非定型性の抗精神病薬の場合、効き過ぎるとつまずいて転ぶことがあります。一方で、抑肝散では、ほとんどそのようなことはありません」(新井氏)

 抑肝散の作用機序については、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸の放出抑制、アストロサイトによるグルタミン酸の取り込みの改善、セロトニン神経系の興奮抑制の作用が動物実験で確かめられている。

機能性ディスペプシアに対する六君子湯
ガイドラインでは使用を推奨
 六君子湯は、人参、蒼朮、茯苓、半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草、 生姜(ショウキョウ)から成る。胃腸虚弱、食欲不振、消化不良、胃痛などに用いられてきた漢方薬だ。上部消化管の疾患に使われる漢方薬には他にも、茯苓飲、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)、人参湯(ニンジントウ)など多数あるが、RCTなどによるエビデンスは六君子湯が最も多い。

 近年注目されているのは、炎症などの器質的異常が見られないのに、胃痛や胃もたれなどの症状が見られる機能性ディスペプシア(FD)への六君子湯の有効性で、多数のRCTによってその効果が確かめられている。それを受け、『機能性消化管疾患診療ガイドライン2021-機能性ディスペプシア(FD)』では、六君子湯をFDに対し、「使用することを推奨する」としている。

 FDに対するエビデンス量には劣るが、胃食道逆流症(GERD)についてもRCTによる有効性の報告がある。GERDにはプロトンポンプ阻害薬(PPI)が使われることが多いが、PPI単独では効果が十分でない場合などに、六君子湯が併用されることがある。

 六君子湯の作用機序については、胃適応性弛緩による胃の貯留能改善、胃の排出能改善、食欲亢進ホルモンであるグレリンの分泌を促す作用などが動物実験で確かめられている。

投稿者: 大橋医院

2022.02.18更新

プラセンタ効果のあるメリスモンを週2回、筋注すれば、若く、美しく、更年期障害も忘れます。

当院は、保険適応ですので、安心してください。

投稿者: 大橋医院

2022.02.18更新

ウイルス感染と炎症性心筋症(心筋に炎症性細胞が浸潤すること)との関連について、興味深い研究が発表されています。この浸潤は心臓の機能を低下させる可能性があります。

 炎症性心筋症は、細菌、真菌、原虫などの感染や、薬剤、自己免疫疾患などによって引き起こされますが、主な原因はウイルスです。残念ながら、炎症性心筋症は予後不良です。すべてのウイルスが心臓病を引き起こすわけではありませんが、原因となるウイルスの知識を身につけておくことは重要です。

SARS-CoV-2
 COVID-19の患者では、心筋の損傷が頻繁に起こります。この感染症の炎症性の性質が、残存する心筋の炎症に寄与していると考えられます。

 Expert Review of Cardiovascular Therapy誌に掲載された論文によると、COVID-19患者では、残存する心疾患の早期発見と評価が重要であるといいます。このようなステップを踏むことで、心不全の発症を予防または緩和するための、潜在的な損傷に対する疾患修飾治療を促進することができます。しかし、心電図や心臓超音波検査では、通常、左心室機能が低下した心不全の進行段階しか検出できません。

 著者らは、心血管磁気共鳴装置(CMR)を用いて、心筋組織の特徴を詳細に把握し、炎症、浮腫、虚血、線維化などの心筋の病理を特定することを推奨しています。

 「これらのプロセスを検出するだけでなく、測定し定量化できる信頼性と再現性の高い新しい技術が利用可能になったことで、HFの後遺症を治療することから、病気に先行して早期に治療を開始し、進行したHFを予防するというパラダイムシフトの可能性を提供しています」と研究グループは書いています。「さらに、CMRは疾患活動性と治療への反応をモニターすることができ、薬物療法を導くことができます」

コクサッキーB
 これらのエンテロウイルスは、心筋炎や拡張型心筋症の最も一般的な原因であり、感染症全体の半分を占めています。スタンフォード大学が発表した情報によると、心筋炎は比較的まれで、米国人口のわずか1%が罹患し、平均年齢42歳で発症するとされていることは朗報です。

 コクサッキーウイルス感染症の潜伏期間は2日から10日で、心臓の症状は感染後約2週間で発症します。この感染症は腸から心臓に広がり、心臓組織に白血球が入り込むことで心臓の細胞にダメージを与えます。

 この白血球が自己免疫プロセスを引き起こし、感染した心臓細胞と健康な心臓細胞の両方を死滅させます。この病理学的プロセスは、ウイルスが除去された後もずっと続き、心筋炎と心不全を引き起こします。

 コクサッキーウイルス感染による二次的な心臓障害を予防するには、手洗いによる糞尿・口腔の管理と衛生環境の改善が重要です。心筋炎の治療には、炎症を抑える鎮痛剤が用いられます。

 心臓の機能が低下するため、塩分の摂取を制限し、酸素を投与して仕事量を減らすことが必要です。心不全の場合は、心臓移植を行うこともあります。

ヘルペスウイルス
 従来の動脈硬化の危険因子には、コレステロール値の上昇、高血圧、喫煙などがありますが、最近ではヘルペスウイルスが動脈硬化の危険因子であるという疫学的研究が増えています。

 世界的な有病率は35~40%と推定されており、そのリスクは相当なものであると考えられます。

 また、ヘルペスウイルスによる慢性的な炎症も血栓症を促進する可能性があります。HSV-1とHSV-2は、ヘルペスウイルスの主要なサブタイプであり、最も懸念されています。

 BioMed Research International誌に掲載されたメタアナリシスの著者らは、「HSVの動脈硬化発症メカニズムには、白血球の内皮への付着の増加、血管平滑筋細胞(VSMC)への脂質蓄積の誘導、動脈硬化プラークへのトロンビン沈着の寄与が含まれる」としています。

 その結果、HSV-1感染者では、動脈硬化や心筋虚血のリスクが有意に高いことが判明しました。一方、HSV-2感染者は心筋虚血にのみ関連しており、他の動脈硬化には関連していませんでした。

CMV
 Theranostics誌に掲載された論文によると、研究者らは最近、サイトメガロウイルス(CMV)が心血管死をもたらす興味深いメカニズムを発見しました。研究チームは、CMVの感染が、内皮を損傷して心血管イベントを引き起こすCD28null T細胞の蓄積と密接に関係していることを発見しました。

 CD28null T細胞の蓄積は、加齢による正常な結果ですが、これらのCD28null T細胞集団が加齢やCMV感染によって拡大するかどうかは、まだ解明されていません。

 著者らは、「CMVを治療するだけで、これを達成できる可能性があります」と書いています。「例えば、アシクロビルは高齢者のCMV特異的CD4 T細胞の頻度を劇的に減少させることが示されており、バラシクロビルはマウスのCMV特異的T細胞を減少させることが示されています。リスクのある人にこれらの薬剤を用いてCD28null CD4 T細胞の頻度を減少させることを試みることは、次の決定的な一歩になるかもしれません」

これが意味すること

 医師は、ウイルス感染による心臓合併症の可能性に注意する必要があります。ウイルスの予防、早期診断、炎症を抑える薬剤による治療は、心筋梗塞や心不全などの致命的な結果を引き起こすリスクを抑える鍵となります。

投稿者: 大橋医院

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