大橋院長の為になるブログ

2021.10.16更新

家庭内不和などによりスマホ依存になるケースも

 東京医科歯科大学は10月12日、同大の「ネット依存外来」の患者を対象に「スマホ依存」の改善に向けた特定臨床研究を開始したことを発表した。この研究は、同大、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所との共同研究で実施される。

 「スマホ依存」とは、疾病ではないが、スマートフォンの過剰な利用により、体力低下、成績が著しく下がるなど、普段の日常生活に支障をきたしているにも関わらず、使用がやめられず、スマートフォンを使用していないと、イライラし落ち着きがなくなってしまう状態のことを指す。

 KDDIとKDDI総合研究所が以前に実施したアンケート調査では、約4人に1人(約25%)がスマートフォンの長時間利用に問題を感じており、その中の約83%が「スマートフォンの利用を改善したい」と回答していた。また、同調査では、全体の約74%が、睡眠時間の減少、視力の低下、生活習慣の乱れなどの悪影響があると回答していた。

 「スマホ依存」は、発達障害、学校などでのストレス、家庭内不和などにより引き起こされることがある。家庭内不和は、親の過剰な干渉、親子間のコミュニケーション不足による信頼感の喪失、保護者の育児ネグレクトなどが原因で、現状は具体的な薬による処方の術がなく、家族支援プログラムといった介入が主な対処となっている。

親子間のコミュニケーションを促進させるための専用アプリによる介入

 KDDI、KDDI総合研究所、同大の3者は、2020年8月25日に共同研究契約を締結し、東京医科歯科大学のネット依存外来の患者に対する実態調査を通じて、「スマホ依存」の調査と解明を進めてきた。ネット依存外来の患者は中高生の子どもが多いことから、親子間のコミュニケーションを促進し関係を改善することで、スマートフォン依存軽減の度合いを検証する研究を実施する。

 研究では、KDDIとKDDI総合研究所が提供するスマートフォンアプリ「みまもるZO」を活用する。同アプリは、患者(子ども)用、保護者用の2つで構成され、家族ぐるみで適切な対処法を工夫することで症状や問題行動の解決を図る家族療法に基づき、子どものスマートフォン利用状況に応じて保護者用のアプリに適切なタイミングで子どもとのコミュニケーションの取り方を助言するなど、親子間のポジティブなコミュニケーションを促進させるための介入を行う。アプリの有効性および安全性、および、アプリにより患者のスマートフォンによるインターネット使用関連行動の改善が評価される。

KDDIグループ、医療現場での利用を想定し2024年度以降の実用化を目指す

 3者は、共同研究を通じて、誰もが適切にスマートフォンを利用できる安心で豊かなデジタル社会の実現を目指す。また、KDDIグループは、同特定臨床研究や脳神経科学とAIを活用したスマートフォン依存の改善・予防に関する共同研究の結果などをもとに、医療現場での利用を想定したスマートフォンアプリの2024年度以降の実用化を目指している。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.14更新

遷延症状の記述疫学と、初の遷延リスク因子に関する報告

 国立国際医療研究センター(NCGM)は10月8日、新型コロナウイルス感染症罹患後の遷延症状の記述疫学とその出現・遷延リスク因子に関する報告を行ったことを発表した。この研究は、NGGM国際感染症センター国際感染症対策室の森岡慎一郎医長らの研究グループによるもの。研究成果は、preprintとして「medRxiv」に掲載されている。

 これまで、国内外の報告からCOVID-19に遷延症状があることが確認されてきた。国内の複数の調査では、中等症以上の患者512人において、退院後3か月の時点で肺機能低下(特に肺拡散能)が遷延していた。また、軽症者を含む525人において、診断後6か月の時点で約80%は罹患前の健康状態に戻ったと自覚していたが、一部の症状が遷延すると生活の質の低下、不安や抑うつ、睡眠障害の傾向が強まることがわかった。嗅覚・味覚障害を認めた119人において、退院後1か月までの改善率は嗅覚障害60%、味覚障害84%だった。罹患後半年以上追跡した疫学調査報告や遷延症状が出現するリスクの調査は少なく、また、遷延のリスク因子に関する報告はこれまでになかった。

アンケートに回答の457人対象、84.4%が軽症者

 今回、研究グループは、2020年2月~2021年3月までにNGGM病院のCOVID-19回復者血漿事業スクリーニングに参加した患者を対象として、アンケート調査を実施。調査項目は、患者背景、COVID-19急性期の重症度や治療内容、遷延症状の各症状の有無とその遷延期間だった。症状の出現頻度や遷延期間から、各症状を(1)急性期症状、(2)急性期から遷延する症状、(3)回復後に出現する症状の3つに分類した。また、遷延症状である(2)と(3)に関して、症状の出現リスク、症状が出現した患者における遷延リスクを探索的に調査した。

 結果、526人の対象者のうち、457人から回答を得た(回収率86.9%)。回答者の年齢の中央値は47歳、231人(50.5%)が女性、何らかの基礎疾患を有したのは212人(46.4%)、欠損値9人を除いた448人のうち、重症度は軽症(酸素投与を必要としない患者)が378人(84.4%)、中等症が57人(12.7%)、重症が13人(2.9%)だった。また、発症日からアンケート調査日までの期間の中央値は248.5日だった。

 COVID-19の各症状は、(1)急性期症状:発熱、頭痛、食欲低下、関節痛、咽頭痛、筋肉痛、下痢、喀痰、(2)急性期から遷延する症状:倦怠感、味覚障害、嗅覚障害、咳嗽、呼吸困難、(3)回復後に出現する症状:脱毛、集中力低下、記銘力障害、うつに分類された。

軽症者でも遷延症状が長引く人がいると判明

 発症時もしくは診断時から6か月経過時点で337人(73.7%)が無症状であり、120人(26.3%)に何らかの症状を認めた。つまり、約4人に1人が半年間経っても何らかの遷延症状を呈しており、軽症者であっても遷延症状が長引く人がいることが明らかになった。また、発症時もしくは診断時から12か月経過時点で417人(91.2%)が無症状であり、40人(8.8%)に何らかの症状を認めた。これらの結果から、最も重要な遷延症状の予防はCOVID-19に罹患しないことであり、基本的な感染対策が重要と考えられた。

女性・若年者・やせ型が出現リスク高、女性は味覚障害の遷延リスクも高

 倦怠感、味覚障害、嗅覚障害、脱毛に関して、その出現リスクと遷延リスクを解析したところ、男性と比較して女性ほど倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛が出現しやすく、味覚障害が遷延しやすいことがわかった。また、若年者、やせ型であるほど味覚・嗅覚障害が出現しやすく、活の質を著しく低下させる可能性があることがわかった。抗ウイルス薬やステロイドなどの急性期治療の有無と遷延症状の出現に関して、明確な相関はなかった。

ワクチン2回接種は遷延症状の予防にも有用な可能性

 今回の研究では調査されていないが、コロナワクチンを2回接種していた人は、COVID-19罹患後に症状が28日間以上遷延しにくく、このことから、コロナワクチンは、発症予防や重症化予防だけではなく、遷延症状の出現予防にも寄与する可能性があると報告されており、研究グループはこの件について、今後の重要な研究課題と考えられるとしている。

 なお、今回の研究の限界として、想起バイアス、アンケート調査であること主観的側面があること、対象者に偏りが生じうること、サンプル数に限界があること、アンケート調査時に症状を有している患者は症状の持続時間を過小評価している可能性があることなどが挙げられる。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.12更新

 心房細動(AFib)は、米国では毎年、45万4,000件以上の入院と15万8,000件以上の死亡につながっています。CDCによると、心房細動による死亡率は過去20年間で上昇しています。しかし、多くの患者さん、そしておそらく同僚の医師でさえも、心房細動の危険因子、症状、影響について知らないことが多いのではないでしょうか。

※この記事は、M3 USAが運営する米国医師向け情報サイトMDLinxに2021年9月29日に掲載された記事「Medical myth-busters: The facts about atrial fibrillation」を自動翻訳ツールDeepLで翻訳した記事となります。内容の解釈は原文を優先ください。

 心房細動は、心臓の上室の拍動が下室と同期していないときに起こる、最も一般的なタイプの不整脈です。これにより、瞬間的には不整脈や非常に速い心拍数が発生し、長期的には血栓、脳卒中、心不全、その他の有害な結果のリスクが高まります。

 心房細動は、不定期に発生することもあれば、一貫して発生することもあります。いずれにしても、心房細動は重大な疾患であり、脳卒中のリスクを低減するためには、常に治療または管理を行う必要があります。治療には、抗凝血薬や心拍数をコントロールする薬、除細動療法、カテーテル治療などがあります。

 心房細動は広く普及していますが、1日1杯のアルコール飲料が心房細動のリスクを高めたり、心房細動を引き起こしたりする可能性があることや、除細動が永久的な治療法ではないことを知っている人は少ないでしょう。

 患者さんの誤解を解くために、最近の研究結果や専門家のアドバイスをもとに、心房細動に関する6つの神話を解き明かしてみましょう。

神話1:心房細動は治る
 クリーブランド・クリニックによると、心房細動は治すことができません。薬物療法は、心房細動の回数を減らすことで症状を緩和することができますが、薬物は時間の経過とともに効果が薄れていく傾向があります。カテーテルアブレーションや手術は、治療ではありませんが、最も効果的な症状緩和方法です。しかし、その後も心房細動が発生する可能性があります。

 ストレス、睡眠時無呼吸症候群、喫煙、カフェイン飲料、その他の刺激物は、すべて心房細動の引き金となります。また、高血圧や冠動脈疾患なども心房細動を引き起こす可能性があり、これらの疾患を管理することが必要です。

神話2:除細動を行えば将来の心房細動は起こらなくなる
 電気的除細動は、心臓に「ショック」を与えて正常なリズムに戻す技術ですが、上記の治療法と同様に、将来のすべての心房細動を止めることはできません。電気的除細動に加えて、薬物療法やアブレーションが必要な場合もあります。

 アブレーション後に必要となる薬剤には、β遮断薬、抗不整脈薬、抗凝固薬などがあります。場合によっては、これらの薬の影響で平均より遅い心拍数に対応するために、ペースメーカーを装着することもあります。除細動はおよそ75%の確率で有効ですが、心房細動が再発した場合には、除細動を繰り返す必要があります。

誤解その3:散発的な心房細動には治療は必要ない
 心房細動は繰り返し起こる症状であり、心不全や脳卒中などの重篤な合併症を避けるためには、ほとんどの場合、生涯にわたる治療が必要です。心房細動が始まったばかりの頃は、心房細動が起こる頻度は低いです(これは発作性心房細動として知られています)。しかし、時間が経つにつれ、心房細動の発生頻度は高くなり、発生時間も長くなります。実際、心房細動の30%は無症状ですが、合併症を防ぐためには治療が重要です。

迷信4:心房細動患者は適度な飲酒をすればよい
 多くの健康アドバイスでは、心房細動の患者は適度な飲酒をすべきであるとされていますが、今年1月にヨーロピアン・ハート・ジャーナル誌に掲載された研究では、心房細動の患者にはどのようなレベルの飲酒も良くないと結論づけています。

 研究者らは、107,845人のコホートを調査し、飲酒と心房細動の発症との関連を調べました。その結果、心不全などの心血管疾患とは異なり、適度な飲酒であっても心房細動のリスク上昇と関連することがわかりました。実際、1日あたり1.2杯のアルコール飲料でも、心房細動の発症率の増加と相関していることがわかったといいます。

 この研究は、2020年1月にNEJM誌に掲載された研究を含め、心房細動を軽減するための禁酒を支持する研究が増えていることに加え、"禁酒は心房細動を持つ通常の飲酒者の不整脈の再発を減少させる "と結論づけています。

神話5:カテーテルアブレーションが成功すれば、薬は止められる
 これはいくつかのケースでは正しいかもしれませんが、クリーブランド・クリニックによると、脳卒中やその他の合併症の危険因子に基づいて、患者は薬物療法を継続する必要があるかもしれません。同様に、心臓の不良な電気経路を遮断するために、複数回のカテーテル・アブレーションが必要になる場合もあります。

 アブレーションの成功率は70~80%ですが、2回目、3回目の施術を受けると90%になります。

神話6:身体活動(セックスを含む)は心房細動の危険因子である
 直感的ではないかもしれませんが、The American Journal of Medicine誌に掲載された論文によると、定期的な身体活動と心房細動の発生率の増加との間には関連性がないことが研究で示されています。一部の研究では、余暇活動に費やす時間と心房細動のリスクとの間に逆相関があるとさえ言われています。強度の高い運動は良くないかもしれませんが、適度な運動は心房細動の患者さんにとって通常のメリットがあります。

 同様に、性交渉は心臓に良い運動であり、ストレスを和らげることができ、典型的には心房細動患者の健康を増進させるものである、とWebMDの記事は述べています。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.11更新

喫煙歴のない人の肺がんをゲノム解析した結果、がんの大部分は体内での自然な過程で生じた変異の蓄積によって生じることが明らかになった。この研究は、米国立がん研究所(NCI)の研究者を中心とした国際チームが実施したものであり、喫煙経験のない人に発生する肺がんは、3つに分類されるが初めて明らかとなった。

 この結果によって、喫煙歴のない人の肺がんの発生機序が解き明かされ、正確な治療法の開発へつながると思われる。研究結果は、2021年9月6日付のNature Genetics誌に掲載された。

 「喫煙未経験者の肺がんには、分子的特徴や進化過程の異なる幾つかのタイプがあることが分かってきました。将来的には、この分類に応じてそれぞれのタイプのがんが治療できるようになるかもしれません」と、研究を主導した疫学専門のMaria Teresa Landi氏(NCIがん疫学・遺伝学部統合腫瘍疫学部門)は述べる。

 肺がんは、世界中でがん関連死亡の原因の第1位になっている。毎年、世界で200万人以上の人が肺がんと診断されている。肺がんを発症する人のほとんどに喫煙歴があるが、肺がん発症者の10-20%には喫煙歴がない。喫煙未経験者の肺がんは女性に多く、喫煙者の肺がんよりも若年齢で発症する。

 たばこの受動喫煙、ラドン、大気汚染、アスベストなどの環境的危険因子や肺疾患の既往歴が喫煙未経験者の肺がんの原因になることがあるものの、そのような肺がんの大部分は原因不明と考えられている。

 今回の大規模な疫学研究では、喫煙未経験の患者232例を対象とし、全ゲノム配列解析を用いて腫瘍組織のゲノム変化を特定して正常組織と比較した。患者は主に欧州系で、非小細胞肺がんの診断を受けていた。189例が肺がんの中で最も多い腺がん、36例がカルチノイド、7例がその他の腫瘍であり、全例がまだがん治療を受けていなかった。

 研究者らは、変異シグネチャー特定のため腫瘍のゲノムを詳しく調査した。この変異シグネチャー(変異の特徴)とは、体内の自然現象による損傷(DNA修復不良や酸化ストレスなど)や発がん物質への曝露など、特定の変異プロセスに関連する変異パターンを指す。変異シグネチャーは、変異の蓄積に至るまでの腫瘍の活動記録簿のような役目を持ち、がんの発生原因を知る手掛かりとなる。現在、既知の変異シグネチャーの一覧が存在しているが、中には原因不明のシグネチャーもある。今回の研究では、喫煙未経験者の腫瘍ゲノムの大部分に内因性の過程で起こる損傷(体内で起こる自然な過程)による損傷)による変異シグネチャーがあることが明らかになった。

 研究は喫煙未経験者に限定されていたため、予想どおり、たばこの煙を直接吸い込むことに関連があると先行研究で示された変異シグネチャーは見つからなかった。受動喫煙にさらされたことのある患者62例からも、この変異シグネチャーは見つからなかった。しかし、Landi氏は、今回はサンプル数が少なく、曝露の度合いにばらつきがあることを注意点に挙げている。

 「喫煙経験のない人の肺がん発症について受動喫煙の影響を本格的に調査するには、さらに多くのサンプル数と受動喫煙に関する詳細な情報が必要です」とLandi氏。

 ゲノム解析の結果、喫煙未経験者の肺がんには3つの新たなタイプが存在することも判明した。研究者らは、この分類別に、腫瘍内の「雑音」のレベル(つまりゲノム変化の数)に応じて音楽用語を充てた。

 最も多く見られる「ピアノ(弱い)」タイプは、最も変異が少なく、新たな細胞の生成に関与する前駆細胞の活性化に関連があると考えられた。このタイプの腫瘍は何年にもかけて非常にゆっくり増殖するが、さまざまなドライバー変異を持つ可能性があり治療が困難である。

 「メゾフォルテ(やや強い)」タイプでは、特定の染色体の変化と、肺がんで変化しやすい成長因子受容体EGFRの遺伝子に変異が見られ、腫瘍の増殖が速いことが分かった。

 「フォルテ(強い)」タイプでは、喫煙者の肺がんによく見れる全ゲノム倍化が見られた。このタイプの腫瘍も増殖が速い。

 「予防や治療の方法が異なる可能性のあるサブタイプを識別できるようになってきました」とLandi氏は言う。例えば、増殖の遅いピアノタイプでは、腫瘍を早期発見できる機会が得られるかもしれない。一方、メゾフォルテやフォルテのサブタイプは、主要なドライバー変異はわずかしかなく、1回の生検で特定でき、標的治療が有効である可能性が示唆されているという。

 研究の今後の方向性として、民族的背景や居住地に違いのある人々を対象として、肺がんの危険因子への曝露歴も詳しく調べていく。

 「私たちは、腫瘍がどのように進化していくのかを理解し始めたばかりです」とLandi氏。「今回の解析で、喫煙未経験者の肺がんには不均一性、つまり多様性があることが分かりました」。

 NCIがん疫学・遺伝学部部長のStephen J. Chanock氏は「腫瘍のゲノムの特徴を探偵のように調査していけば、複数のがん種で新たな発見への道が開かれることが期待できます」と語る。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.08更新

果物や野菜を多く食べる人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症や、発症後の重症化リスクが低いとする論文が発表された。59万人以上の成人を対象とする調査で、植物性食品の摂取量が多い人は摂取量が少ない人に比べてCOVID-19発症率が9%低く、重症化リスクは41%低いという。米マサチューセッツ総合病院のJordi Merino氏らの研究によるもので、詳細は「Gut」に9月6日掲載された。

 Merino氏らは、米国と英国で実施された、スマートフォンを利用しCOVID-19の罹患状況や罹患時の症状を把握する研究で収集されたデータを解析。研究参加者は59万2,571人で、パンデミック前の食習慣については食物摂取頻度質問票により把握。果物や野菜などの健康的とされる植物性食品を多く摂取している場合に、高スコアとなる手法で食生活を評価した。

 388万6,274人月の追跡で、3万1,815件のCOVID-19症例が報告された。1万人月当たりのCOVID-19粗罹患率は、食事スコアの最高四分位群(上位25%)では72.0(95%信頼区間70.4~73.7)であるのに対し、食事スコアの最低四分位群(下位25%)では104.1(同101.9~106.2)だった。年齢や性別、BMI、喫煙・身体活動習慣、人種/民族、地域、研究参加時期、基礎疾患などの交絡因子を調整後、最低四分位群に対する最高四分位群のCOVID-19罹患リスクは有意に低かった〔ハザード比(HR)0.91(同0.88~0.94)〕。

 また、入院と酸素投与を要した場合を重症例として定義したところ、1万人月当たりの重症COVID-19粗発生率は、食事スコアの最高四分位群では1.6(同1.3~1.8)であるのに対し、最低四分位群では2.1(同1.9~2.5)だった。前記と同様の交絡因子で調整後、最低四分位群に対する最高四分位群のCOVID-19重症化リスクは有意に低かった〔HR0.59(同0.47~0.74)〕。

 この研究結果について、米国感染症学会のスポークスパーソンであるAaron Glatt氏は、「健康的な食事はCOVID-19を防ぐ‘魔法の免疫増強剤’ではない」と強調。何よりもワクチン接種を優先すべきであると述べている。Merino氏もこの指摘には同意を表し、「食習慣を変えることはワクチン接種やマスク着用の代替手段ではない」としている。ただし同氏は、「食生活の貧しさは、COVID-19リスクの社会経済的要因の一つと言えるのではないか」と追加し、低所得者が健康的な食品を入手しやすくする施策によって、パンデミックの負荷を軽減できる可能性があることを指摘している。

 Merino氏のこの指摘は、今回の研究で認められた食生活とCOVID-19リスクとの関連は、経済的に恵まれない地域に住む人々の間で、より強く認められたという結果に基づくものだ。研究グループの推計によると、仮に経済的な貧しさ、あるいは食生活の貧しさのいずれかが存在していなければ、COVID-19罹患者の約3分の1は罹患せずに済んだ可能性があるという。

 これに対してGlatt氏は、「COVID-19リスクに影響を及ぼし得る因子は非常に多く、食生活の質の影響を他の交絡因子から完全に分離して評価することは困難だ」とし、例えば「健康的な食事を心がけている人は、おそらく食事だけでなく健康全般に注意を払い、COVID-19から身を守る行動を取っているだろう」と解説。

 一方Merino氏もまた、本研究には限界点があることを述べている。まず、研究参加者に占める65歳以上の割合は約4分の1にとどまり、かつ糖尿病や心臓病などの基礎疾患のある人はごくわずかで、一般人口よりも比較的健康な集団であると考えられた。また研究実施時期は2020年で、ワクチン接種や感染力の強いデルタ株出現の前だった。

 このように本研究の結果解釈には多くの留意点があるものの、それらは植物性食品ベースの食生活が健康的であることを否定するものではない。「健康的な食事が有益だと考えることは、極めて合理的だ」とGlatt氏は述べている。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.07更新

妥当性
 HFrEFに対するエンパグリフロジンのRCT 3)(EMPEROR-Reduced、第32回)とほぼ同様の研究デザインであり、交絡バイアスは非常に小さく、多重検定対処もなされており、追跡率も高かったため内的妥当性は高い印象です。作用機序(第32回)の点でも結果は理にかなっています。

 しかし、今回もエンドポイント判定の妥当性には留意しなければなりません。入院という「ソフトな」エンドポイントは主観・贔屓目・欲目・情状の影響を受けやすく、情報操作や不正判定のリスクが高いものです。NNTは31人で臨床的インパクトは比較的大きそうですが、COIも勘案して割り引いて解釈する必要があります。未服薬・服薬中断率が両群とも比較的高いことも無視できないでしょう。

 EMPEROR-Reduced 3)(第32回)と同様に、心血管死リスク低下が僅少であったのは、検出力不足によるものだと思われます(心血管死に関する臨床的インパクトは心不全ほど大きくありませんし、死亡リスク評価のためには追跡期間が短すぎます)。

 事前に設定された階層的検定によって,一次エンドポイントに有意差がある場合は二次エンドポイントも「検証」することが可能です。本論文では、その手順で一次エンドポイントと事前に設定された筆頭二次エンドポイント2件で有意差を認めたので、心不全入院(総数)予防と腎機能悪化予防の両者が統計学的に実証されました。ただし、腎機能に関しては「心不全(HFpEF)患者において」という条件付きであり、指標はeGFR値ですので臨床的意義は過大評価しないよう留意しましょう(後述)。

どのような症例に適している?
 本研究の対象者層としては、HFrEF患者対象のエビデンス2,3)(第32回、第33回)と比較して高齢であり、心房細動合併者が多いことが特徴です。

 まずは糖尿病の有無で比較しましょう。相対リスク低下度は同程度ですが、NNTで比較すると、糖尿病患者では29人、非糖尿病患者では33人でしたので、糖尿病患者の方がベネフィットが大きいことがわかります。おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.07更新

エンレスト:「エンレスト」は、ARNIに分類され、ネプリライシン(NEP)とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を同時に阻害する新規作用機序を有する薬剤です。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を阻害することにより、アンジオテンシンII によって引き起こされる血管収縮、体液貯留、交感神経活性が抑制され、降圧効果を示します。また、ネプリライシン(NEP)を阻害することで、生理活性を有するナトリウム利尿ペプチド(NP)の作用が増大し、血管拡張、利尿、尿中ナトリウム排泄、交感神経系抑制、心肥大抑制及び線維化抑制等の多面的な作用を示します。NEPとRAASの同時阻害では、NEP阻害に伴うRAAS 活性化がもう一方のRAAS 阻害作用により抑制されるため、NEP阻害によるベネフィットを最大限引き出すことができると期待されています1。「エンレスト」は、2015 年7 月に米国で、収縮不全を伴う心不全(NYHAクラスII~IV)患者の治療を適応として承認されて以降、世界115ヵ国以上で承認されています。国内においても「慢性心不全」 を効能及び効果として2020 年6月に承認されました。また、「エンレスト」は、2021年2月にロシアで、同年6月に中国において、高血圧症での承認を取得しています。おおはしおおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.06更新

私は、もう68歳になり、まだ日々、診療をしている。真剣である。

ある友が、医療は副業であって、不動産が本業と言った。医療が適当だよ!

これには考え込んでしまった。毎日、前向きに,医道を、高めるために、患者さんから教えてもらい、

文献を読み、医道を実践し、反省し、さらに向上を求める。

もはや、医道は、心技同体であらねばいけない。今日も反省の大橋信昭である。”明日は、命がけだ!”おおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.06更新

ワントラム:用法・用量(主なもの)
通常、成人にはトラマドール塩酸塩として100〜300mgを1日1回経口投与する
なお、症状に応じて適宜増減する
ただし、1日400mgを超えないこととする
(用法及び用量に関連する注意)7.1. 初回投与量本剤を初回投与する場合は、1日100mgから開始することが望ましい
なお、他のトラマドール塩酸塩経口剤から切り替える場合は、その経口剤の1日投与量、鎮痛効果及び副作用を考慮して、本剤の初回投与量を設定すること
7.2. 投与間隔本剤の定時投与(1日1回)はできるだけ同じ時間帯に服用すること
7.3. 増量及び減量本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと(増量・減量の目安は、1日100mgずつ行うことが望ましい)
7.4. がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ):本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちにトラマドール塩酸塩即放性製剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること(臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8〜1/4を経口投与すること、ただし、トラマドール塩酸塩としての1日総投与量は400mgを超えないこと)
7.5. 投与の継続慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討し、また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討することおおはしおおはし

投稿者: 大橋医院

2021.10.06更新

プラセンタ注射(メリスモン注射)で更年期を美しく乗り切ろう。おおはしおおはし

投稿者: 大橋医院

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