大橋院長の為になるブログ

2022.01.17更新

――現在の沖縄県立北部病院の状況を教えてください。

 稼働病床は257床あり、コロナ病床は全部で47床あります。救急は1日60~100件程度受け入れています。

 外来の制限等は行っていませんが、コロナ診療に当たっている一部の医師は電話で外来の診察を行っています。

 現在はコロナ病床のおおむね8割以上を使用しており、12日時点では45床、14日時点では40床が埋まっています。退院した分だけ新しい患者が入ってくる、という状況です。

――沖縄全体で医療従事者の感染や濃厚接触による欠勤が増えています。県立北部病院ではどのような状況ですか?

 14日時点で全650人(事務系も含む)の職員のうち、15人の感染もしくは濃厚接触が確認されています。ですが、そのうち3人は無症状かつ毎日の抗原定量検査で陰性を確認することで勤務を続けています。3人はコロナ対応だけでなく、その他の疾患の患者への対応も通常通り行っています。

 こうした濃厚接触者となった医療従事者の勤務を認める上では、ただ働かせるのではなく、しっかりと精神的なサポートをすることが重要です。

――厚労省は1月12日に医療従事者は濃厚接触者となっても一定の条件を満たすことで勤務を認めることを改めて再周知しました。

 周知を行うことは重要ですが、今後さらに感染が拡大していくことが予想される中では、この対応だけでは現場は回らないと思います。

 感染拡大が続き検査需要が増す中で、14日間も毎日検査をし続けることが現実的に可能かどうかの検討も必要ではないでしょうか。急性期病院であれば、そうした医療資源にも比較的恵まれているかもしれませんが、慢性期病院などでは事情が異なります。そうした医療資源の観点も、考慮する必要があると思います。

――11日からは自衛隊の看護官5人が県立北部病院に入っています。

 検査のサポートや患者搬送のサポートなど、通常は看護師がコロナ診療に対応しながら続けていた仕事を看護官の方たちに担っていただいています。現場の負担は確実に軽減され、非常に助かっています。

現在は入院患者の半数が65歳以上

――第6波の始まりを感じたのはいつ頃のことでしたか。

 この地域では、年末も比較的感染者は多い状況でしたが、やはり年始に入ってから状況が一変しました。元日の段階ではそれほど大きな波にはなっていませんでしたが、1月2日からは年末に陽性になった方たちの周りでどんどんと陽性者が確認され始めて、あっという間に感染が拡大していきました。

 年始は入院している人の多くが若い人たちでした。症状としては軽症に分類されますが、かなりぐったりとしていた人たちが入院しているような状況でした。ですが、ここ数日は高齢者の入院が増えています。

 今週に入って、高齢者が運ばれ始め、14日の時点では40人中20人が65歳以上です。感染者の年齢層が変化する中で、基礎疾患を持つ人や酸素吸入を必要とする人も増加傾向です。

――現在、入院している人はワクチン接種済みの方が多いのでしょうか。

 年末年始はワクチンを未接種の方が多い状態でしたが、現在では入院している患者のほとんどがワクチン接種済みです。未接種の方は5人のみとなっています。1月1日以降計87人が入院し、ワクチン未接種者30名、2回接種完了者は57名です。

「社会全体へ広がるのは時間の問題」

――これまでの感染拡大と比較して、どのような変化を感じていますか?

 これまでと感染拡大のスピードが違います。それが一番大きな変化です。同時に軽症の方の回復スピードはこれまでよりも早いと感じます。もちろん中等症や重症になれば、治療に必要な時間も長くなります。しかし、それ以外の軽症の方たちは症状が出るまでの時間も短く、症状が改善するために必要な時間も短くなっている印象です。

――高齢者についてはどうでしょうか。そちらも軽症の方が多い状態ですか。

 肺炎が確認され、酸素吸入を必要とする方は現時点ではそれほど多くはありません。COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの基礎疾患を持っていて、感染することによって酸素需要が増えるケース、あるいは食事を取らなくなってきて体調を崩すケースなどが見受けられます。

 デルタ株とは高齢者の病態も異なります。ただし、依然として高齢者にとっては危険な病気であることは間違いありません。

――急激に感染者が増える中で、入院できない方も増えているのでしょうか?

 これまでは、高齢で重症化リスクがある患者は経過観察のためにも入院をするという対応をしていました。しかし、そのような対応を続けることが難しくなってきています。既に高齢者施設での感染者が多く確認されています。全員を入院させることはできません。現在は症状が強く出ている患者を優先的に入院させています。

――先週の3連休、成人式の影響についてはどのように考えていますか?

 実は既に成人式の場で感染したと思われる方々が確認されています。今はその場に参加していた人の間で感染が広がっていますが、これからはその人たちの家族や職場で感染が広がると予想されます。社会全体へ広がるのは時間の問題です。

 今後は学校や家庭など、あらゆる場所で感染が広がっていく。デルタ株に比べて重症化しにくいとはいえ、感染者の母数が増えてくれば一定の割合で重症化する人が増えることを懸念しています。

投稿者: 大橋医院

2022.01.17更新

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が最初に確認されて2年目を迎えた2021年。2020年12月頃から2021年2月にかけての第3波、4月から6月頃までの第4波、そして7月から9月頃までの第5波を経験するなど、COVID-19による社会的インパクトは引き続き大きかった。2021/2022シーズンも【withコロナ時代の医療2021】と題して各領域で診療・研究の第一線に立つ医師とともに1年の状況を振り返っていく。小児科編では、大阪府富田林市で小児科クリニックを運営する藤岡雅司氏(大阪小児科医会副会長、「VPDを知って子どもを守ろう」の会副理事長、富田林医師会理事)に話を聞いた。デルタ株出現以降、国内における子どものCOVID-19患者の発生はやや多くなったものの、ほとんどは軽症から無症状と報告されている。一方、これまでにないスピードで導入されたCOVID-19に対するmRNAワクチン(以下、原則「ワクチン」と表記)を、どのようにして迅速かつ適切に多くの人に接種するかが、藤岡氏にとって2021年のハイライトの一つだったようだ。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/2021年11月9日取材、全5回連載)

2021年のハイライトは「集団接種」
個別接種を全く実施しなかった理由
――2021年の診療活動におけるハイライトを教えてください。

 2020年に引き続き、私のいる地域でも必要に応じて小児の検査を行いましたが、陽性例はほとんどなく、学校などでのクラスターも起こりませんでした。一方、2020年12月に米国でCOVID-19に対する初のmRNAワクチンが緊急使用承認され、2021年2月頃から医療従事者、高齢者への優先接種が始まる見通しが政府から示されました(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine_supply.html)。私の所属する富田林医師会では、2021年1月下旬から、医師会側から自治体担当者に対して、住民接種の体制についての提案を行いました。

――富田林市では集団接種が中心だったのでしょうか。

 富田林医師会がカバーしている富田林市、河南町、太子町、千早赤阪村では、2021年10月までは個別接種は行わず、集団接種のみとしました。集団接種だけというのは大阪府内では富田林医師会管内だけでした。

――個別接種を併用しなかったのはなぜでしょうか。

 2009年の新型インフルエンザ発生の際に富田林医師会では、1歳から小学校3年生の小児に対して、1時間180接種、1日900接種の集団接種を行いました。当時は臨時接種ではなく、任意接種として実施されました。医療機関は国と直接契約しワクチンが供給される仕組みでしたが、接種対象の小児人口に対応するため、当初から市と協議して集団接種を計画していました。接種の順位や時期を決める権限は都道府県にありましたが、大阪府では急に接種時期が前倒しされたため、小児科診療所に保護者からの問い合わせが殺到し、受付業務が混乱しました。市は集団接種の前倒しに反対したため、医師会単独で集団接種を実施せざるを得ませんでしたが、ウェブ予約で多数の接種希望者を受け入れることで、一般診療への影響を収束させることができました。今回のワクチンでは、2009年の時よりも多くの人が接種対象になるので、個別接種を実施すれば、診療業務に混乱が起こるだろうと考えました。

「かかりつけ医での接種が安心」に疑問
 そして、今回、世界初のワクチンということで当初、接種後短時間に起こる副反応、特にアナフィラキシーが懸念されました。国立病院機構の医療従事者への先行接種に関する副反応の報道でもアナフィラキシーに関するものが多く、個別接種で起こったら大変なことになると思いました。医師、看護師が集まって対応する集団接種であれば、アナフィラキシーなどが起こっても適切に対応しやすいですし、予診や接種も滞ることはないと考えました(図)。高齢者へのワクチン接種の準備をしている頃、「かかりつけ医での個別接種が安心、安全」という報道がありました。このワクチンは重症化リスクの高い基礎疾患を有する人こそ接種が必要なので、基礎疾患を理由に接種できないケースはほとんどありません。当医師会では、接種後のアナフィラキシーや体調不良に対して、十分な人員で適切に対処できる体制の方が重要と考え、往診による接種以外での個別接種は実施しないことを自治体に対して提案しました。

図. 富田林医師会における(高齢者対象)集団接種会場の考え方

(提供:藤岡氏)
――確かに、アナフィラキシーなどへの対応は個別の医療機関によっては難しそうですね。

 富田林医師会の関与する自治体ではこれまでに10万接種以上を集団接種で行いましたが、アナフィラキシーの発生は1例もありませんでした。ただ、体調不良の方は年齢により異なりますが、比較的若年者を中心に数百人に1人くらいの頻度で起こっています。たいていが医師1人の個別接種で接種後の体調不良例に対応しながら予防接種を進めるのはかなり難しいのではないでしょうか。「かかりつけ医の方が患者さんのことをよく知っているから安心」というのは、予防接種後のアナフィラキシー等を考慮していないと思います。

集団接種、「大阪モデル」で門前払い
――大阪府など一部の自治体では4-5月頃までワクチン供給に遅れが出て、未接種の医療従事者が高齢者に接種を行うなど、感染リスクの高まる中で混乱や不安も大きかったと思います。

 最初に配布されたワクチンの量はかなり限定的だったこともあり、富田林医師会ではまず、診療所の医療従事者より先にクラスターが発生しやすい介護施設や高齢者施設への巡回接種を行いました。大阪府では、医療従事者はディープフリーザーのある基本型接種施設に予約して接種を受けるという「大阪モデル」が提唱されていました。診療所のスタッフも全員、基本型接種施設でしか接種を受けられないという体制でした。しかし、第3波が起こってしまい、基本型接種施設の接種枠が当初の予定数ほど提供されず、医療従事者の予約が取れない状況でした。私たちは富田林市を通じて大阪府に「住民への集団接種のシミュレーションをしたいので、医師会主導で医療従事者の集団接種をやらせてほしい」と申し入れましたが、門前払いでした。

第3波で一転、知事・市長らが「医師会で集団接種を」
 その後、4月28日に開かれた、大阪府医師会の地区医師会の感染症担当理事のリモート会議で、大阪府の医療従事者の接種がとても遅れていること、大阪府知事と大阪市長から「医師会で集団接種をやってほしい」と大阪府医師会長に直接電話があったことを聞きました。5月1日に地域選出の府議会議員さんを通じて大阪府の担当の方に対して、集団接種を行うので医療従事者向けにワクチンの提供をお願いしました。5月3日午前にワクチン500バイアルを届けてもらう確約ができましたので、3連休中に医師会館内で3000接種できる体制を準備しました。医師会、歯科医師会、薬剤師会を通じて連絡を流し、最終的に2000接種を実施しました。医師会館の会議室で1時間に80回接種、計25時間で完了しましたが、住民接種に向けての良いシミュレーションができました。

投稿者: 大橋医院

2022.01.15更新

米製薬大手ファイザーは14日、新型コロナ用の飲み薬について、日本での製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。特例承認の制度に基づく早期の審査を求めるとしている。承認されれば、軽症者向けとしては昨年12月から利用が始まっている米メルク社製に続いて、二つ目の経口治療薬となる。

 申請した薬は米国での名称が「パクスロビド」で、昨年12月に米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を受けた。ウイルスの増殖に必要な酵素の作用を阻害する新薬と、その効果を持続させる抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の既存薬を組み合わせたものだ。

 米メルク社製の「モルヌピラビル」(販売名ラゲブリオ)と同じく、重症化リスクの高い患者が対象になるとみられる。日本を含む各国で実施された国際的な臨床試験(治験)では、発症から5日以内に投与した場合、偽薬を投与したグループに比べて、入院したり死亡したりするリスクを88%減少させたという。感染が拡大しているオミクロン株への効果についてファイザーは「実験では、抗ウイルス活性を維持している」としている。

 オミクロン株の感染が広がるなか、各国はパクスロビドの確保を急ぐ。ファイザーは日本で承認された場合、200万人分を供給することで昨年12月に日本政府と合意している。(渡辺淳基)

 

投稿者: 大橋医院

2022.01.14更新

日本含む10か国の健常者953人の腸内細菌データ解析、各国の死亡率との関連を調査

 名古屋大学は11月25日、腸内細菌Collinsella属が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染と重症化を予防する可能性があることを発見したと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科(研究科長・門松健治)・オミックス医療科学の平山正昭准教授、神経遺伝情報学の大野欽司教授、西脇寛助教の研究グループによるもの。研究成果は、「PLOS ONE」に掲載されている。

 2020年初頭からSARS-CoV-2の世界的な広がりは、世界各国で医療体制や経済に大きな打撃を与えている。SARS-CoV-2は、無症状から致死までさまざまな症状を呈する。COVID-19死亡率は年齢とともに指数関数的に増加。ワクチン未接種の場合、80歳以上の患者の10人に1人が死亡するとされている。

 COVID-19死亡率と関連する他のリスク因子として、肥満、糖尿病、たばこ、過去の呼吸器感染症がある。これらのリスク因子は各国で大きく異ならないが、COVID-19死亡率には大きな差がある。死亡率は、アジアよりアメリカ、ヨーロッパで高い傾向にある。また、ヨーロッパの中でも、スペイン、イタリアで死亡率は高く、ドイツや北欧では低い傾向にある。同様に、アジアでは台湾や中国は、日本や韓国よりも死亡率が低い傾向にある。これらの違いを決めるファクターXとして、遺伝子配列の違い、BCGワクチン接種率、過去の類似のコロナウイルスへの暴露歴、生活習慣の違いなどが提唱されてきており、腸内細菌叢の違いの可能性もある。

 COVID-19患者の腸内細菌解析はいくつか報告されているが、COVID-19感染によって共通して変化する細菌は同定されていない。そこで今回の研究では、地政学的な要因を排除するために日本を含むOECD10か国の健常者953人の腸内細菌データを解析。各国のCOVID-19の死亡率との関連を調べた。

アジアは平均死亡率が低くCollinsella属の平均相対比率が高いエンテロタイプ1が多い

 研究では、健常者953人の腸内細菌データを、generalized linear model(GLM)を用いて、COVID-19死亡率を予測する機械学習モデルを作成。その結果、Collinsella属が最も低い有意確率p値を示し、死亡率と強く負に相関することがわかった。

 次に、教師なしクラスター解析ツールであるLIGERを用いて953人の腸内細菌データを解析したところ、5つの腸内細菌叢の型(エンテロタイプ)に分かれた。さらに、アジアの国ではエンテロタイプ1の割合が多く、ヨーロッパやアメリカではエンテロタイプ4、5の割合が多いことが判明。

 平均死亡率は、エンテロタイプ1から5にいくにしたがって増えることがわかった。Collinsella属の平均相対比率は、エンテロタイプ2を除いてエンテロタイプ1から5にいくにしたがって減少していた。

Collinsella属産生のウルソデオキシコール酸、COVID-19感染を予防しARDS改善の可能性

 Collinsella属は、ウルソデオキシコール酸を腸内で産生することが知られている。さらにウルソデオキシコール酸は、SARS-CoV-2がその感染受容体であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)へ結合することを防ぐこと、炎症誘発性サイトカインを抑制すること、抗酸化・抗アポトーシス作用を有すること、急性呼吸症窮迫候群(ARDS)で肺胞液クリアランスを上昇させることが知られている。

 以上より、腸管内のCollinsella属が産生するウルソデオキシコール酸は、COVID-19感染を予防し、COVID-19から生じるARDSを改善する可能性が示唆された。

肝疾患薬で認可済みのウルソデオキシコール酸、COVID-19薬として活用の可能性

 今回の研究では国レベルの解析を行ったが、今後、個人レベルの解析を行うことで、各患者におけるCollinsella属のCOVID-19重症化への関与を解明することが期待される。加えて、重症化に関連する、もしくは、重症化を防ぐ新たな腸内細菌の同定も期待される。

 また、便中のウルソデオキシコール酸の量とCOVID-19重症化との関連を個人レベルで調べることにより、ウルソデオキシコール酸のCOVID-19重症化への関与を解明することが期待される。ウルソデオキシコール酸がCOVID-19の感染と重症化を抑制することが明らかになれば、すでに肝疾患に対する薬として認可されているウルソデオキシコール酸がCOVID-19の感染と重症化を予防する薬剤として活用できる可能性がある、と研究グループは述べている。

提供:QLifePro 医療ニュース

投稿者: 大橋医院

2022.01.13更新

流行初期の2021年11~12月にNCGM病院に入院した感染患者11人

 国立国際医療研究センター(NCGM)は1月5日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に感染した11例の臨床経過とウイルス排出期間に関する報告をNCGMのウェブサイトで公表した。この報告はNCGMによるもので、研究成果は「Global Health & Medicine」に掲載されている。

 2021年11月に南アフリカでオミクロン変異株が検出されたのち、この変異株は急速に世界に広がった。日本においても11月28日にナミビアからの帰国者が新型コロナウイルス陽性と診断され、その後オミクロン変異株と確定診断されている。NCGMは、オミクロン変異株が国内で最初に検出された患者を含めて、オミクロン変異株の流行初期から患者対応を行ってきた。オミクロン変異株感染者の臨床経過やウイルス排出期間に関する情報はまだ限られているため、このたびNCGMは同報告を作成した。

 今回の報告の対象となったのは、流行初期の2021年11~12月に国立国際医療研究センター病院に入院したオミクロン変異株感染患者11人。患者背景、渡航地域、ワクチン接種歴、画像所見、症状、治療、ウイルスの排出期間についてのまとめが作成された。RT-PCRにはXpert(R) Xpress SARS-CoV-2(セフェイド)が用いられ、ウイルス排出は N2ターゲットに対するthreshold cycle(Ct)値で測定された。

成人は全員がワクチン2回接種後で、重症化した患者はいなかった

 11人の年齢の中央値は39歳(範囲:1歳~64歳)、10人が男性だった。全員が海外からの帰国者であり、8人がアフリカ、1人が欧州、北アメリカ、ラテンアメリカからだった。小児を除いた10人に2回のワクチン接種歴(7人がモデルナ社、3人がファイザー社)があったが、3回目のブースター接種を完了した患者はいなかった。基礎疾患を有したのは3人であり、高血圧が2人、高脂血症、糖尿病が1人だった。

 調査時は11人中3人が無症状であり、入院時に多く認めた症状としては発熱、咽頭痛(5人、46%)、咳嗽(4人、36%)があった。肺炎または酸素療法が必要な患者はいなかったため、抗ウイルス薬やステロイドはどの患者にも投与されていない。ただし、重症化リスクを有する1人に対してはソトロビマブ(ゼビュディ)が投与されている。

 11人の患者から採取した鼻咽頭ぬぐい液57検体のCt値を解析したところ、> 30となるのに6.0日、>35に10.6日、>40に15.1日、>45に19.7日が必要だった。

ワクチン2回接種でも未接種と同程度の期間ウイルス排出が続く可能性

 今回の研究では、米国からの報告と同様に、日本国内の流行初期にオミクロン変異株に感染した患者はワクチン接種歴のある若年者で、軽症が多いという結果だった。また、ウイルスの量を示す一つの指標にPCRのthreshold cycle(Ct)値がある。今回の研究ではCt値が検出感度以下の>45になるのに19.7日、>35となるのに10.6日という結果だった。オミクロン変異株が流行する以前の研究ではCt >35となると新型コロナウイルスが検出される可能性が低くなると報告されている。

 今回の研究ではCt値が35未満となるのに10.6日かかっていたが、これはワクチンを接種せずに罹患した人の場合とほぼ同じ期間。よって今回の結果は、「オミクロン変異株による感染では、2回のコロナワクチンが接種され症状が軽い場合であっても、ワクチンを接種せずに罹患した人と同じ程度の期間ウイルスの排出が続く可能性」を示しており、感染予防策は今後も重要であると考えられる。

 なお、今回の研究の限界としては11例のまとめであるため偏りが生じうる点、Ct値はあくまでウイルス量の推定であり、Ct値とウイルス検出の相関については今後の調査が必要である点などが挙げられる。

投稿者: 大橋医院

2022.01.12更新

軽微な急性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者に用いるクロピドグレル+アスピリンまたはチカグレロル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の脳卒中再発または死亡の予防効果をネットワークメタ解析で検討。無作為化臨床試験5件(患者計2万2098例)を解析対象とした。

 その結果、脳卒中再発および死亡の予防で、クロピドグレル+アスピリン(ハザード比0.74、95%確定区間0.65-0.84)およびチカグレロル+アスピリン(同0.79、0.68-0.91)はアスピリン単独よりも優れていた。クロピドグレル+アスピリンとチカグレロル+アスピリンの効果に統計的有意差は見られなかった(同0.94、0.78-1.13 )。両DAPTレジメンともアスピリン単独に比べ大出血発生率が高かった。クロピドグレル+アスピリンはアスピリン単独(同0.82、0.74-0.91)およびチカグレロル+アスピリン(同0.85、0.75-0.97)よりも機能障害リスクが低下した。

投稿者: 大橋医院

2022.01.11更新

残念ながら、多くの人が残業しています。The Physicians Foundationの2018 Survey of America's Physiciansによると、医師は週に41~60時間働いており、全国平均は34.7時間となっています。その余分な仕事は、しばしば睡眠不足につながります。2018年のJournal of Community Healthの調査によると、医療従事者の約45%が毎晩の睡眠時間が7時間未満であることがわかりました。睡眠時間が7時間未満の人が50%である保安サービスや軍に次いで、医療従事者は多いという結果でした。

 睡眠不足は健康に深刻な影響を与え、2016年のCurrent Opinion in Cardiologyの研究では、不十分な睡眠が体重増加、炎症、心血管疾患、糖尿病、早期死亡と関連することが示されています。また、判断力、気分、認知能力を損ない、ストレスが高まる原因にもなります。2020年のJAMA Network Openの研究では、睡眠不足の度合いが高い医師は、重大な医療ミスを自己申告する可能性が97%も高いことがわかりました。また、Sleep Healthの研究によると、出勤前の睡眠時間が7時間未満の看護師は、同様にケアの質や患者の安全性に対する評価が低いことがわかりました。

 より効果的な医療従事者になりたいのであれば、睡眠の質と時間を改善する必要があることは明らかです。医薬品という選択肢もありますが、まずは自然な方法を試してみたいという人もいるでしょう。以下の自然なアプローチは、臨床的に検証されています。

定期的な運動
 体を動かすことはさまざまな理由で重要ですが、定期的に運動することは、1日の終わりに感じる疲労感にも影響し、最終的に寝るときに回復力のある途切れない睡眠への道を開くことができます。

 2017年に発表されたAdvances in Preventive Medicineのレビューによると、定期的な身体活動のレベルが高い人は、特に高齢者の場合、より良い睡眠との間に相関関係があることがわかりました。そのため、どのような種類の身体活動が睡眠に役立つのかという疑問が生じます。不眠症と診断された人の場合、2019年のBrazilian Journal of Psychiatryの研究では、適度なレジスタンストレーニングとストレッチを行うことで、客観的・主観的な睡眠の改善、睡眠時間の延長、夜間の覚醒の減少、そして全体的にストレスや緊張の軽減につながることがわかりました。

ハーブティーやカフェインレスのお茶を飲む
 多くの医療従事者が睡眠不足に陥っている理由を簡単に特定することはできませんが、ストレスや変則的な勤務時間、シフト勤務などが複合的に影響していると考えられます。ハーブティーやカフェインレスのお茶は、その両方を緩和してくれるかもしれません。

 2020年に行われたComplementary Therapies in Medicineの研究では、ラベンダーティーが高齢者(うつ病や不安症のリスクが高いグループ)の不安や抑うつのスコアを下げたことが明らかになっており、リラックスするためのお茶として効果的な選択肢だといえます。カモミールも選択肢のひとつです。2019年のPhytotherapy Researchのメタアナリシスでは、カモミールエキスが全体的な睡眠の質を向上させることも分かっており、2016年のPhytomedicineの限定的な研究では、カモミールの長期的な摂取が中程度から重度の全般性不安障害に有効であると報告されています。

 お茶を選ぶにしても、ハーブティーやカフェインレスのものを選ぶようにしましょう。American Academy of Sleep Medicineによると、カフェインの半減期は3~5時間とされています。つまり、午後遅くにコーヒーを飲むと、夜の寝つきに影響する可能性があります。1日の終わりに眠りやすくするためには、寝る前にカフェインや糖分を摂らないようにしましょう(カフェイン入りのお茶、ソーダ、チョコレートなどの甘いものを含む)。

寝る前に読書や音楽を聴く
 リラックスした状態で夜を過ごすことで、眠りに入りやすくなります。寝る前の1時間を「静かな時間」として確保し、激しい運動や人工的な光を避けるようにしましょう。2017年に行われたChronobiology Internationalの研究によると、スマホやテレビ、パソコンなどの明るい画面は、メラトニンの分泌に悪影響を与え、睡眠パターンや朝の注意力を乱し、日中の眠気につながることがわかりました。

 寝る前に画面を消して、本を読んだり、落ち着いた音楽を聴いたり、ヨガや呼吸法を行ったりして、リラックスした状態にすると、よりスムーズに眠りにつくことができます。

熱いシャワーやお風呂に入る
 冷たいシャワーと熱いシャワーにはそれぞれ利点があります。冷たい水は血行を良くし、新陳代謝を高め、回復力を向上させるのに有効ですが、寝る前の準備という意味では、消灯の1時間ほど前に熱いシャワーを浴びることをお勧めします。

 2019年のSleep Medicine Reviewsのメタアナリシスによると、熱いシャワーやお風呂に入ることで全体的な睡眠の質が向上し、寝る1~2時間前にシャワーや入浴をした人は、睡眠導入潜時(SOL)が短くなることがわかりました。2021年のJournal of Clinical Sleep Medicineの研究では、同様に、寝る1~3時間前に熱いお風呂に入った高齢者は、SOLの割合が減少したことがわかりました。

 Current Opinion in Physiologyに掲載された2020年の研究では、熱いシャワーが体温調節プロセスを助けるとしています。お湯に浸かることで、このプロセスが促進され、SOL値が短くなり、眠りにつきやすくなります(「温浴効果」と呼ばれる現象です)。

睡眠時間を確保する
 医療従事者は仕事が忙しく、スケジュールが立てにくいものですが、睡眠と覚醒のバランスをとることは非常に重要です。そのためには、自然な概日リズムをサポートすることから始めましょう。

 概日リズムを維持することで、体の自然な睡眠と覚醒のシグナルに同調することができます。効果を高めるためには、睡眠時間と起床時間を一定にすることです。例えば、毎晩10時30分に寝ると決めていれば、10時頃に眠くなるのは時間の問題です。

 このようにバランスのとれた睡眠スケジュールを維持するためには、仕事のない日も同じ時間に起床することが大切です。

投稿者: 大橋医院

2022.01.10更新

今年に入り、1月1日に死亡診断暑を書き、1月2日往診、今日は3連休みの最終日、往診の依頼あり、98歳の老婆、車いす生活、ここ1週間、何も食べず、重症な黄疸、

当院へ連れて来て、腹部エコー検査実施、胆嚢から主胆道に岩上の腫瘤、胆嚢、胆道の悪性腫瘍による閉塞性黄疸、家族を待っています。

家族と会いDiscussion、グループホームで見取り、サー、ここは大橋医師の腕の見せ所、仏様のお迎えがあるまで、徹底的な緩和ケア、優しく、優しくおばーさんを診療していきます。

所で「北北西に向かって進路を取れ」という、ヒッチコック作品の中でも超優秀作品があります。その作品の主役はケーリ―グラントで、二枚目俳優であります。

私の診療所には、私と同じ苗字の看護師が働いてくれています。超優秀な看護師で、患者さんにも優しく、私のお気に入りです。特にしゃべり方が、”おニャン子クラブ”を連想する、

甘ったるい声で話します。これには私は、遂、30歳代の「セーラー服を脱がさないで」を思い出しうれしいのですが、一つ不満があります。映画の鑑賞能力がおかしい!

上記のヒッチコック作品は面白くない、ケーリ―グラントは二枚目とは想わないと言うのです。私は、大の映画ファンでありますが、私の深い映画知識を、このおニャン子クラブの声を出す看護師は、破壊していきます。かなりのDVDを、私は持っていますが、彼女が気に入ってくれたのが、ダイハード、Mission impossibleです。拍子抜けしますが、人それぞれ感性がありますから、仕方がない。

明日から他の看護師さん、事務員にも頑張ってもらいます。いい診療所にしていきます。

 

 

投稿者: 大橋医院

2022.01.07更新

【withコロナ時代の医療2021◆呼吸器科編】は日本赤十字社医療センター呼吸器内科部長の出雲雄大氏に登場いただく。国内で最初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者発生の頃から中等症・重症患者の診療に当たってきた出雲氏。2021年の第3波から第5波では、それ以前とは違った大変さがあったと振り返る。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/2021年11月12日取材、全5回連載)

2021年のCOVID-19
「一般的なウイルス性肺炎の疾患に」
――昨年に続き、2021年の先生ご自身のCOVID-19との関わりを振り返っていただけますか。

 COVID-19に関しては2020年の4月頃が一番大変だったと思います。なぜかというと、相手(ウイルス)が何者かよく分からなかったからということです。今年(2021年)1月頃にはだいたいウイルスの性質が分かってきました。そして、レムデシビル(商品名:ベクルリー)やステロイド製剤、バリシチニブ(同オルミエント)といった重症化した段階での治療法が確立してきました。また、2021年前半の段階で感染防御の方法もだいぶ分かってきたので、僕にとっては一般的なウイルス性肺炎を起こし得る疾患と位置付けられるようになりました。

 診療面ではインフルエンザ肺炎や、ウイルス性ではありませんがマイコプラズマ肺炎と同じような感じです。2020年4月にはCOVID-19の性質が分かっていなかったので、心の余裕がないという点での大変さが最も大きかったかと思います。第1波の頃は重症の患者さんがわれわれの施設で最大10人くらい入院しているという感じだったのですが、第5波の時は、一番多いときで重症病床12床が満床、中等症病床も44床満床で、全体で60人近く入院患者さんを受け入れ続けたので、診療体制の維持が大変でした。ただ、治療法や対応が手探りだった第1波の頃と違い、標準的な治療法が確立されたので、精神的な大変さは少なかったですね。これ(図)が現在の院内の治療フローチャートです。もう何回もアップデートして、複雑になってしまっていますが。COVID-19患者さんを受け入れながら、肺がんや間質性肺炎、気管支喘息などの呼吸器疾患による患者さんの診療も通常通り維持していたので、身体的な強度の面で大変だったというのが正直なところです。



第5波は全科持ち回りで患者受け入れ
――第5波の頃、報道番組で先生が中等症病床で対応されている様子を拝見しました。その頃の診療体制はどのような感じでしたか。

 第4波までは基本的に感染症科、救急科、呼吸器内科での3診療科で対応する診療体制でしたが、2021年9月頃からは全診療科で診療する体制に切り替えました。入院が必要な患者さんを全診療科で順番に受け入れる。だいたい1診療科当たり1、2人といった規模です。患者数が激増したため、3つの診療科ではとても受け入れられる状態になかったことと、先ほど申し上げたように有効な感染対策や治療方針が確立して、どの診療科でも対応できるようになったことが大きいですね。

――それまでCOVID-19患者さんを診ていなかった診療科でも受け入れる体制にしたのですね。現場のスタッフの方からは抵抗感のようなものはなかったのでしょうか。

 最初はあったかもしれないですね。新しいことをやろうとすると、どこでも起こることです。ただ、全体で受け入れといっても診療科ごとに1-2人の規模ですし、「この波を乗り越えるために一緒に取り組みましょう」というところでしょうか。

――むしろ、それまで診たことがなかった先生も診療されて「あ、こういう感じで治療していけるんだな」となったようなことはあるのでしょうか。

 そうかもしれないですね。先ほど挙げた3診療科以外では軽症から中等症Iくらいの患者さんを診ていただくことが多くて、重症化しそうだと判断したら、3診療科による中等症病床での対応に切り替える体制です。

最初からコロナに全振りしなかった理由
「一度紹介を断ると、ゼロになる」
――本当にこの1年でCOVID-19診療が大きく変わったのですね。

 やはり第5波は患者さんの数が相当増えましたし、他の疾患の患者さんの診療も続ける必要がありますし、そうせざるを得なかったのです。感染症には流行期と非流行期が必ずある。つまり、その感染症だけに医療機関のリソースを全振りすると、流行の波が終わった後に必ず患者さんがいなくなります。呼吸器内科で言うと、肺がんや間質性肺炎といった入院で診ることの多い患者さんもゼロになってしまう。感染症流行期に「その疾患の患者さんは診られません」と紹介を断ってしまうと、その後も紹介されなくなるということは東京都のように大きな病院がたくさんある地域だと起こり得ます。もちろん、自治体の方針でコロナ専門病院に指定されるということはありますが。

――昨年の取材でも、呼吸器内科の通常診療を続けながらCOVID-19患者さんを受け入れて、それを公表したとおっしゃっていました(「災害に強い日赤、新型コロナでつらい時期も」参照)。当時は「この病院ではコロナ患者さんを診ているのですか」という患者さんに「誰がCOVID-19にかかっても不思議ではありません。うちの病院ではCOVID-19患者さんは診ませんという立場を取ったら、かかりつけの患者さんでも別の病院を探さないといけなくなりますよね」と説明されていたと伺いました。多くの患者さんは「その方が安心ですね」との反応だったと。

 COVID-19は呼吸器感染症ですから、呼吸器内科が主に診療するというのは確かなのですが、今までのウイルスなどの感染症の歴史を見ても、その流行が100年も続くことはあり得ないですよね。COVID-19が発生した当初から、呼吸器内科の責任者としてこの感染症に単独で全精力を注ぐということは全く考えませんでした。

投稿者: 大橋医院

2022.01.05更新

英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnders Husby氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種と心筋炎/心膜炎との関連を調査する目的で、デンマーク住民を対象にコホート研究を行った。その結果、ワクチン未接種者と比較して、mRNA-1273(Moderna製)ワクチンは心筋炎/心膜炎の有意なリスク増加と関連しており、とくに12~39歳でリスクが高いこと、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは女性においてのみ有意なリスク増加が認められたことが示された。ただし、絶対発症率は若年層でも低いことから、著者は「今回の知見の解釈には、SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種の利点を考慮すべきであり、少数のサブグループ内でのワクチン接種後の心筋炎/心膜炎のリスクを評価するには、より大規模な国際的研究が必要である」と述べている。BMJ誌2021年12月16日号掲載の報告。

デンマークの12歳以上の住民約493万人について解析
 研究グループは、デンマークの予防接種登録(Danish Vaccination Register)、患者登録(Danish National Patient Register)、および市民登録システム(Danish Civil Registration System)を用い、2017年1月1日~2020年10月1日のデンマーク居住者で12歳以上の493万1,775人の全個人について、2020年10月1日または12歳の誕生日(いずれか遅いほう)から、移住、死亡、イベントまたは2021年10月5日まで追跡調査した。血液検査値はRegister of Laboratory Results for Research、PCR検査結果はDanish Microbiology Databaseから情報を得た。

 主要評価項目のイベントは、24時間以上の入院を要するトロポニン値上昇が認められた心筋炎/心膜炎の診断とした。ワクチン接種前の追跡期間と、1回目および2回目のワクチン接種後28日間の追跡期間を比較し、年齢を基礎タイムスケールとしたCox比例ハザードを用い、性別、併存疾患、その他の交絡因子で補正したハザード比(HR)を推定した。

 なお、研究対象のワクチンは、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)およびmRNA-1273(Moderna製)とした。

絶対発症率は低い
 追跡調査期間中に269例が心筋炎/心膜炎を発症した。108例(40%)が12~39歳、196例(73%)が男性であった。

 BNT162b2ワクチンを接種した348万2,295例においては、接種日から28日以内に48例が心筋炎/心膜炎を発症し、未接種者と比較した補正後HRは1.34(95%信頼区間[CI]:0.90~2.00)、接種後28日以内の絶対発症率(10万人当たり)は1.4(95%CI:1.0~1.8)であった。女性および男性別の補正後HRはそれぞれ3.73(95%CI:1.82~7.65)、0.82(0.50~1.34)、絶対発症率はそれぞれ1.3(95%CI:0.8~1.9)、1.5(1.0~2.2)であった。12~39歳の補正後HRは1.48(95%CI:0.74~2.98)、絶対発症率は1.6(95%CI:1.0~2.6)であった。

 mRNA-1273ワクチンを接種した49万8,814例においては、接種日から28日以内に21例が心筋炎/心膜炎を発症し、補正後HRは3.92(95%CI:2.30~6.68)、絶対発症率は4.2(2.6~6.4)であった。女性および男性別の補正後HRは、それぞれ6.33(95%CI:2.11~18.96)、3.22(1.75~5.93)、絶対発症率はそれぞれ2.0(95%CI:0.7~4.8)、6.3(3.6~10.2)であった。12~39歳の補正後HRは5.24(95%CI:2.47~11.12)、絶対発症率は5.7(95%CI:3.3~9.3)であった。

投稿者: 大橋医院

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