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2021.12.03更新

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は12月1日の会合後の記者会見で、国内外で警戒感が高まるオミクロン株について、「まだ(空港の)検疫で見つかるという状況ではあるが、今後、国内でも見つかる可能性は否定できないと考えている。流行の状況はしっかり情報収集したい」と述べ、国内のサーベイランスを強化する考えを示した。

 脇田座長は「オミクロン株(が流行するかどうか)にかかわらず、今後、年末年始を迎えるに当たって、人々の移動や接触が増えていく、あるいは気温が下がり屋内での活動が増える。感染が拡大する可能性は高いと議論してきた」と説明。「これまでもアルファ株やデルタ株が検疫で検出されて、その後、市中感染になっていった。現状では、これまでの状況と違うこともあるが、しっかりと国内の感染状況を見ていく必要がある」と、オミクロン株の市中感染の可能性も含めて状況を注視する必要があると強調した。

 感染研の取り組みとしては、「11月の国内の(検体)もゲノム解析をしているところだ。今は非常に感染者数も少ない状況なので、できる限り解析し、市中での感染状況を見ていく。今後、検査系が立ち上がれば、オミクロン株に対する変異株PCRで迅速に対応できると考えている」と述べた。

 この日のアドバイザリーボードでは、国内の状況に関する評価などが取りまとめられたが、「会合中に2例目の報告があった」(脇田座長)というタイミングの開催となり、会合後の記者団からの質問はオミクロン株に集中した。

 脇田座長は再三「オミクロン株の伝播性、病原性、ワクチンの感受性が十分解明されていない」と説明し、拙速な評価を避けた。病原性が低下しているのではないかという楽観論に対しては、「こういう質問を受けると、(2020年1月の)武漢からのチャーター便を思い出す。帰国された方が800人程度いたが、死亡した方はいなかった」と、さまざまな情報が錯綜した流行初期を回顧。「もう少し状況をしっかり見て評価すべきと考えている。判断するのはまだ早い」と述べ、国内外の情報収集に努める姿勢を強調した。

投稿者: 大橋医院

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