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2021.11.02更新

 横浜市立大学の木村弥生准教授、梁明秀教授らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症重症患者の予後と密接に関係する血清たんぱく質を明らかにしたと発表した。予後不良の患者と予後良好の患者では、27種類のたんぱく質の量が異なっており、量の違いが全身の炎症反応他心血管障害を引き起こしていると示唆された。バイオマーカーとしての活用が期待される。

 新型コロナ感染症患者の多くは軽度の呼吸器症状の後、回復する。だが、約20%の患者が呼吸不全を起こし、酸素吸入が必要となる。大規模な流行期には症状の進行を正確に予測し、限られた医療リソースを最適に配分することが重要となる。

 研究グループは、重症患者の入院時血清をプロテオーム解析により、網羅的に探索した。結果、予後良好と予後不良患者では27種のたんぱく質で量が大きく異なっており、このうち15種類がウイルス免疫応答であるサイトカインシグナルによって制御されるものだということを突き止めた。

 ELISA法による詳細な分析では、「CHI3L1」「IGFALS」という2種類のたんぱく質が予後マーカーとして機能することが明らかになった。今後、サンプル数を増やし、予後予測バイオマーカーとしての精度や有用性を検証する。

投稿者: 大橋医院

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