大橋院長の為になるブログ

2020.09.10更新

新型コロナ重症化予測、バイオマーカー探索
千葉大が臨床研究開始:

 千葉大学は、新型コロナウイルス感染症の重症化を予測できるバイオマーカー開発に向け、臨床研究を開始した。炎症が起きると凝集する性質を持つたんぱく質「Myl9」に着目。同感染症患者の血液中の濃度を経時的に調べるなどし、予測マーカーとして使えるかの可能性を探る。被験者数100人を予定し、千葉県内などの11病院と協力して進めていく。

 高齢者や、糖尿病などの基礎疾患を抱える人が新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいと言われている。健康な若年層でも急激に重症化するケースが一定の割合で存在することも分かっている。ただ、どのようなメカニズムで重症化が進むかは解明にはいたっていない。

 そこで、千葉大の中山俊憲教授らは、新型コロナウイルス感染症によって血管が傷付き、炎症が起こることに注目。解析を進めたところ、Myl9が肺の血栓に起因する血管や気管支の炎症の指標になることを明らかにした。Myl9が重症度に関わっているとの仮説の下、臨床研究に乗り出すことを決めた。

 多施設、前向き観察研究として実施する。千葉大附属病院、順天堂大学附属順天堂医院のほか、国立医療福祉大学をはじめ千葉県内の感染症指定病院を中心とした医療機関が参加する。研究代表者は中山教授が務める。

 同意を得た入院患者を対象に週1回採血し、検体を血漿、末梢血リンパ球、DNAに分け、Myl9の濃度や遺伝子の変化を調査する。軽症から重症の患者のMyl9量の差、経時的な濃度変化、重症化前後の違いなどが主な項目。重症化した患者の免疫細胞の特徴、遺伝子的な差異にも目を向けた解析も行う計画だ。

おおはし

投稿者: 大橋医院

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