大橋院長の為になるブログ

2020.08.04更新

食中毒
細菌性食中毒
細菌性食中毒には、原因菌によって症状を引き起こすメカニズムが異なり、細菌自体が細胞に侵入して症状を引き起こす細胞侵入型と、細菌が毒素を産生して、その毒素が症状を引き起こす毒素産生型があります。それぞれの原因菌は以下の通りです。細胞侵入型:腸炎ビブリオ・病原性大腸菌・サルモネラ・カンピロバクターなど毒素産生型:黄色ブドウ球菌・腸管出血性大腸菌・ウェルシュ菌など
ウイルス性食中毒
ウイルスに汚染された飲食物が原因となります。冬に流行することが多いです。もっとも多い原因ウイルスはノロウイルスであり、ノロウイルスによる食中毒は全食中毒のなかで最も患者数が多く、2016年には全国で一万人以上が健康被害を受けています。他には、サポウイルスやアデノウイルスなどが原因となることがあります。
自然界に存在する毒素が原因となります。一年を通して発生し、キノコ毒は特に9、10月に発生が集中します。
魚介類や肉類に潜む寄生虫が原因となります。一年を通して発生します。
多くに共通する症状としては、下痢で発症することが多く、嘔吐や発熱は原因菌によっては軽度なこともあります。症状の程度はさまざまで、高度な脱水や敗血症になるような重症例もあれば、数回の下痢のみしか起こらない軽症なものもあります。
特に、重症例として注意すべきものは腸管出血性大腸菌による食中毒です。激しい下痢から始まり、数日で血便が出るのが特徴です。子どもや高齢者などの抵抗力が弱い人は10%程度の確率で溶血性尿毒症症候群や脳炎などの重篤な合併症が生じます。
毒素型[編集]
細菌産生毒素の生理活性による食中毒。食品摂取時点で細菌類が不活化していても発症するため、抗生物質は効かない。毒素が熱に弱い場合には調理時の加熱により不活化する。
• 黄色ブドウ球菌 - おにぎり、すし、おつくり。皮膚常在菌が食品へ移行し食品表面で増殖、毒素を産生する。潜伏期間が短く1-5時間、耐熱性毒素のため調理加熱程度で不活化できない[1]。耐熱性毒素ST(エンテロトキシンの一種)による。
• ボツリヌス菌 - 発酵食品、いずし類、真空パック食品、キャビアの瓶詰め、ソーセージ。毒素型としては潜伏期間が長く、12〜36時間で症状が出る事が多い。ものが飲み込みにくくなったり、発音がうまくできなくなるなどの神経症状(筋肉が麻痺するため)を引き起こす。ボツリヌス毒素自体は熱分解しやすい。また酸性(pH 4.5以下)に保つことで毒素の生産を抑えることができる[2]。食中毒の初報告は独・腸詰め(ソーセージ)。
感染型[編集]
感染により体内増殖した細菌が病原性をもつことにより発症する。
• 腸炎ビブリオ - 夏期の未加熱魚介類、刺身、シラスなどから感染することが多い。調理器具などを介した2次汚染で他の食品が食中毒の原因になることもある。海水の常在菌で、食塩濃度0.5〜10%で生育。塩分の無い水道水などでは生存できない。海水温度が高いほど菌密度が高くなる[3]。発生ピークは6-10月。
• サルモネラ属菌(腸チフス・パラチフスは除く) - 内臓肉、鶏卵、鶏肉 → 特に夏期の自家製マヨネーズ、アイスクリーム。
• カンピロバクター、カンピロバクター症 - 牛・豚・鶏肉、鶏卵、生乳、牛刺し、レバ刺し[4]、馬刺し、生ユッケ。家畜・家禽類の常在菌であるため、その生食にリスクがある。特に鶏肉の加熱不十分が原因となることが多い。潜伏期間が2〜11日と長い[5]。近年、鶏肉の生食と関連するギラン・バレー症候群が注目されている。特に予後不良例が多いことが報告され、焼き鳥のレアを回避するよう注意喚起がなされている[6]。
• 病原性大腸菌 - 原因食品の傾向をつかみにくい。病原性を呈する大腸菌群全体を示す。→腸内での増殖、毒素産生をもつことから中間型に分類する諸家もいる。腸管出血性大腸菌O157(感染症法3類)がきわめて有名だが、感染症扱い。また、感染症にひきつづくベロ毒素(O111, O26他)による合併症TTP[要曖昧さ回避], 溶血性尿毒症症候群(HUS)も、用語としては一般的に「食中毒」として取り扱わない。接触感染することから、二次感染症との識別が極めて難しい。
詳細は「大腸菌」を参照
• リステリア属菌 - 食肉加工食品、生乳製品。潜伏期間は平均すると数十時間とされているが、患者の健康状態、摂取菌量、菌株の種類の違いにより発症するまでの期間は大きく左右されると考えられるため、その幅は数時間から数週間と長く、原因食品の特定が困難な場合もある。主に、胃腸炎症状。まれにインフルエンザ様症状。重篤な場合、脳脊髄膜炎などの神経系統症状。母子垂直感染による流産。
中間型
• ウェルシュ菌 - 学校給食、料理作り置きなど、保冷=解凍サイクルに乗じて増殖する。加熱調理・煮込み課程において不活化を免れた芽胞が保冷サイクルにおいても生存し、解凍時の加熱によって食品内で増殖する。経口時までに活性量の芽胞・菌体量が確保されることにより体内に侵入、消化刺激から芽胞を形成するときにエンテロトキシンを生成し発症する。芽胞+、耐熱性 潜伏期間8-24時間
• セレウス菌 - 土壌、水中、空気中など自然界に広く分布する。芽胞は100℃ 10分の条件でも不活化されず、加熱後においても芽胞を形成し体内に侵入、下痢・嘔吐等の発症にいたる。酸性では増殖しにくい[7][8]。

 

投稿者: 大橋医院

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