大橋院長の為になるブログ

2018.03.22更新

「新しいインフルエンザ治療への期待」
~新規抗インフルエンザ薬登場~    大橋信昭

インフルエンザはサイトカインストーム、ケモカインストームの免疫過剰も手伝い、肺炎球菌、インフルエンザ菌が合併すると肺出血などがおこり重篤となる。そうならないように早期診断、早期治療(軽症のうちに)が大切である。
ワクチン、耐性菌を作らない、抗菌薬を適正使用も大切である。
今回、発売されたゾフルーザ(パロキサビル マルボキシル錠)は、インフルエンザウィルスそのものを抑える薬である。ラビアクタ、タミフルより絶対優れている。ゾフルーザは、1回経口投与で、インフルエンザの増殖を抑えます。インフルエンザは細胞内に吸着.侵入、膜融合、脱殻、転写、複製、出芽、遊離放出により、感染を拡大します.ゾフルーザの作用点は、A型及びB型インフルエンザウィルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害し、ウィルスmRNAの合成を阻害することにより、ウィルス増殖抑制作用を発揮します。細胞内のインフルエンザ増殖を抑制します。ウィルス遺伝子の転写を抑制、インフルエンザの中のCap-snatchingを切り捨てます。ウィルス力価は1日目、2日目でウィルス力価をかなり抑制します。ゾフルーザ40/80mg群は、プラセボと比較して、ウィルス力価に基づくウィルス排出停止までの時間が有意に短愛ことが分かりました。ゾフルーザは24,36,48,72時間で症状が消失した患者が多いことが分かりました。ゾフルーザは平熱に回復するまでの時間が,有意に短いこともわかりました。副作用は極めて少なく、軽い胃腸障害がある程度です。910例中5.4%でした。安全といえます。パンデミーを回避し、休業期間の短縮、これからインフルエンザは、ゾフルーザにより多くの人が苦しみから救われるでしょう。

おおはし

投稿者: 大橋医院

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