2020.05.07更新

虫けらから研修医へ:あれは一月の 凍てつく夜 やっと二十になった頃 窓には ちらちらみぞれが降り 部屋は真っ暗 何も無かった Loveが欲しいのじゃ ないけれど 私は無性に寂しかった 

あれは6月のつゆの夜 今日で22歳という日に 安い背広を 押し売られ 千円ぽっちと 笑われた 増悪と言うのじゃないけれど 広いこの世で 私は一人で 遠くを見つめていた

あれは何月 風の夜 やっと 研修医になれた頃 下宿の窓から空を見て 三日月の姿が ゆがんでた 夢で一杯というのじゃないけれど 私は病棟を 患者室へ おおはし向かって歩いてた

 

投稿者: 大橋医院