2020.05.04更新

天国と地獄 ラストシーン:有名なラストシーンである。黒澤明監督は、無名な山崎勉にいきなり、私の前でラストシーンを演じてみろと言われ、彼は全エネルギーを尽くした。黒澤明は犯人は山崎努と決めた。

貧乏な医学部のインターン生活で、3畳の窓から見える権藤亭(丘の上の豪邸)を見ているうちに、彼が憎くなり、息子を誘拐し、多額な身代金を請求した。権藤氏は、株主総会で今のナショナルシューズの社長になるつもりでいた。しかし、無一文になり、息子や運転手の息子(間違われて誘拐された)の命は救われた。多額な身代金を特急こだまの窓から投げ捨てるという一発勝負の撮影である。

犯人の山崎は死刑だが、死ぬ前に、三船のがっくりした顔を見たかったのだ。それを土産に死刑になろうとした。ところが三船は元気で、ナショナルシューズは追い出されたが、小さな町工場の靴屋の社長が三船に全てを任せていた。彼は死刑直前の山崎に、今の町工場をナショナルシューズに負けない立派な靴工場にしてみせると笑った。山崎は死刑の恐ろしが急に体を震えだした。何のために、誘拐事件を起こしたのだろう?三船(映画では権藤)は希望に燃えている。急に憎くなった山崎は三船に突進した。そこには鉄の金網おおはしが二人を天国と地獄に分けていた。

投稿者: 大橋医院