2025.07.06更新

日本の高齢者における腸内細菌叢と筋肉との関連性に関するデータは限られていた

 順天堂大学は6月12日、日本人高齢サルコペニア患者の腸内細菌叢の特徴について解析し、その結果を発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科の浅岡大介教授、大草敏史特任教授、佐藤信紘特任教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Nutrients」オンライン版に掲載されている。

 サルコペニアは加齢に伴い筋肉量が低下することで機能障害となる高齢者で多くみられる疾患で、超高齢社会の日本において健康長寿を妨げる一因となっている。サルコペニアは単なる筋肉の疾患ではなく、高齢者のフレイル、自立性の喪失、施設への入所、死亡リスク増加などにつながる。近年、腸内細菌叢の研究が盛んになり、炎症を抑制する短鎖脂肪酸などを産生する腸内細菌がサルコペニアの病態と関連していることを示唆する報告が増えている。しかし、日本の高齢者における腸内細菌叢と筋肉との関連性に関するデータは限られている。

 そこで研究グループは今回、順天堂東京江東高齢者医療センターに外来受診した腸内細菌叢データを有する男女356人の高齢者を対象に「アジア・サルコペニアワーキンググループ(AWGS)2019」の基準に基づき、サルコペニアと診断された患者の腸内細菌叢の特徴を明らかにすることを目的とした。

男性サルコペニア患者、腸内細菌叢のα多様性が有意に低下・β多様性にも有意差

 男性のサルコペニア患者(35人)と非サルコペニア患者(109人)について、腸内細菌叢の多様性を比較解析した結果、α多様性(各被験者の腸内細菌叢に含まれる細菌の種類や各細菌の割合を示す)においては、一部の指標(Shannon、Observed features、Pielou evenness)で、サルコペニア患者が非サルコペニア患者より有意に低い多様性を示すことが判明した。一方、女性のサルコペニア患者(15人)と非サルコペニア患者(197人)の比較では、両者に有意なα多様性の違いは認められなかった。

 また、男性のサルコペニア患者と非サルコペニア患者のβ多様性(被験者間の腸内細菌叢の構成の類似度を示す)において有意差が観察されたことから、両者の腸内細菌叢の構成が異なることがわかった。一方、女性においては、β多様性に有意差は観察されなかった。

男性サルコペニア患者、酪酸の産生に関連する細菌属の占有率・検出率が有意に低下

 男性サルコペニア患者の腸内細菌叢の特徴を調べるため、非サルコペニア患者と占有率に有意な違いが観察される細菌属を調べたところ、6つの菌属(Eubacterium I、Fusicatenibacter、Holdemanella、Enterococcus H、Unclassified Lachnospira、Bariatricus)において、サルコペニア患者で腸内細菌に占める割合が低下していることが確認された。特に、Eubacterium I、Holdemanella、Enterococcus H、Bariatricusの4菌属は、サルコペニア患者では検出率も低いことがわかった。

 しかし、女性のサルコペニア患者では、これらの菌属の占有率や検出率において、非サルコペニア患者との違いは見つからなかった。

低下していた細菌属、骨格筋量・握力・歩行速度と正の相関を確認

 さらに、男性サルコペニア患者で低下していた細菌属について、各被験者の年齢や筋力指標(骨格筋量、握力、歩行速度)との相関関係を調べた。男性において、Holdemanelaは骨格筋量と、FusicatenibacterとEnterococcus Hは握力・歩行速度と、Unclassified Lachnospiraは握力と正の相関関係が観察された。一方、女性では同様の相関関係は認められなかった。

 同研究で、男性サルコペニア患者で低下していた腸内細菌属には、短鎖脂肪酸の酪酸の産生に関与する細菌が含まれていた。酪酸は免疫調節作用など、さまざまな機能性を有する腸内細菌の代謝物の一つで、日本の健康な高齢者の腸内では酪酸産生菌の占有率が高いことが報告されている。短鎖脂肪酸(酪酸)は筋タンパク質の合成の促進や筋肉萎縮を誘導する炎症を抑制することで、筋力を維持する作用が報告されている。

野菜摂取量少の男性サルコぺニア患者、有用な細菌の低下で筋力低下しやすくなる可能性

 また、同研究でサルコペニアと強い関連性が観察された菌属Eubacterium Iには、フラボノイドを代謝するEubacterium ramulus(E.ramulus)という菌種が含まれる。野菜などのポリフェノールを摂取することで腸内のE.ramulusが増えることが知られているが、過去の研究グループ研究で、慢性腎疾患を持つサルコペニア患者では野菜の摂取量が有意に少ないことを見出している。フラボノイドには筋肉の萎縮を抑制する作用が示唆されており、より詳細な研究が必要だが、野菜摂取量の少ないサルコぺニア患者の腸内でE.ramulusなど有用な細菌が低下し、加齢に伴い筋力が低下しやすくなってしまう可能性が考えられ、サルコペニアにおける食生活の重要性が改めて示された。

 重要なこととして、これらの腸内細菌叢の変化は女性サルコペニア患者では観察されなかった。日本人のサルコペニア患者では、筋力に関係する腸内細菌やその役割が男女で異なると予想されるが、単施設での研究結果でもあることから、今後さらなる研究が必要とされる。

腸内細菌叢の制御による、さまざまな全身疾患に対する検討・研究を推進

 順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターは、超高齢社会・人生100年時代において、健康寿命延伸対策として、健康長寿いきいきサポート外来を開設し、各内科疾患のみならず、フレイル・サルコペニア・認知症・骨粗鬆症診療もあわせて行い、高齢者をトータルマネージメントすることにより健康長寿に積極的に関わり、予防対策に努めてきている。

 「本研究での知見をもとに、高齢者の健康寿命延伸を目標に、腸内細菌叢の制御によるサルコペニアを含めたさまざまな全身疾患に対する検討・研究を進めていきたいと考えている」と、研究グループは述べている。

投稿者: 大橋医院

2025.07.04更新

免疫活性乳酸菌の大きな特徴として、免疫力を高める免疫活性率が現在発見されている物の中では最も高い物です。

現在、約10万種を調査済みですが未だに超えるものは見つかっていない状況です。病院での注射などの成分で免疫活性率が免疫活性乳酸菌を超えるものがあるかというと薬剤も調査済みで、薬よりも免疫活性率が高いです。

免疫力が高まると、体内の防御機能が強化され、ウイルスや細菌などの病原体に対する抵抗力が増します。これにより、病気にかかりにくくなり、仮に病気になっても免疫システムが迅速に働くため、回復が早くなります。この国立大学の免疫活性乳酸菌の摂取が免疫力の向上に寄与するとされています。

また、もう一つの特徴として老化防止、アンチエイジングでも研究の結果が出ています。

双子のマウスで一方には乳酸菌を摂取させ老化の実験を行ったところ実年齢は80歳 → 見た目年齢44歳という驚異的な結果となりました。

老化が1/10のスピードになったのです。

11-1乳酸菌活性を摂取することのより若くなり、美しくなりましょう。

自己負担ですが、お値段は当院でお話しします。効果からして安い!

投稿者: 大橋医院

2025.07.04更新

私は、今まで五木寛之を通して、仏教を学ぼうとしていました。

しかし、随筆、も面白いし、

」短編小説、長編小説も面白い!

今、デラシネの旗を読んでいます。

今日中に読むぞ!

投稿者: 大橋医院

2025.07.01更新

夏バテ、暑気あたりの漢方薬として知られる
「清暑益気湯」の“清暑”とは暑さの原因を涼しくする、“益気”とは「気」※を増やすといった意味があります。暑さで弱った胃腸を元気にし、低下した体力を回復させるのがこの薬で、いわゆる夏バテ、暑気あたりに用いられる代表的な漢方薬です。
暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠感、夏やせなどに適しています。熱感、口の渇き、軟便、尿量の減少なども処方の目安になります。

「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。 「気(き)」:目には見えない生命エネルギーのこと。「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気。「自律神経(体の機能を調整する神経)」の働きに近いとされています。
さまざまな方向から、暑さで弱った体の回復を助ける
「清暑益気湯」は、生命エネルギーである「気」の量が不足した「気虚」に用いられる薬です。胃腸の働きを増して疲労を取る生薬、体の熱を冷ます生薬、「水(すい)」を調節する生薬などで構成されています。
「人参」と「黄耆」を含む「参耆(ジンギ)剤」のひとつで、暑さで弱った体の回復を助けます。

配合生薬
蒼朮(そうじゅつ) 、 人参(にんじん) 、 麦門冬(ばくもんどう) 、 黄耆(おうぎ) 、 陳皮(ちんぴ) 、 当帰(とうき) 、 黄柏(おうばく) 、 甘草(かんぞう) 、 五味子(ごみし)

出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
無断転載・転用を固く禁じます。

 

投稿者: 大橋医院

2025.06.28更新

高齢者の肺炎の再入院

心不全(HF)患者の再入院は、患者の死亡率上昇だけでなく、医療機関に大きな経済的負担をもたらす。高齢HF患者では、しばしば感染症による再入院がみられるが、この度、高齢のHF患者における感染症関連の再入院にフレイルと腎機能の低下が関連しているという研究結果が報告された。徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床薬学実務実習教育分野の川田敬氏らの研究によるもので、詳細は「Geriatrics & Gerontology International」に3月11日掲載された。
 世界でも有数の高齢化社会を擁する日本では、高齢のHF患者が大幅に増加している。高齢者では免疫力が低下することから、高齢HF患者の感染症による再入院率も増加していくと考えられる。これまでの研究では60代や70代のHF患者に焦点が当てられてきたが、実臨床で増加している80代以上の高齢HF患者、特に感染症による再入院に関連する因子については調べられてこなかった。このような背景から、川田氏らは、高齢化が特に進む日本の高知県の急性肥大症性心不全レジストリ(Kochi YOSACOI Study)のデータを使用して、高齢HF患者の感染症による再入院に関連するリスク因子を特定した。
 研究には、2017年5月から2019年12月の間に急性非代償性心不全(ADHF)でレジストリに登録された1,061名を含めた。この中から死亡した患者30名、左室駆出率、日本版フレイル基準(J-CHS)スコア、その他の検査結果などが欠落していた302名を除外し、729名を最終的な解析対象に含めた。
 解析対象729名のHF患者の平均年齢は81歳(四分位範囲72.0~86.0)であった。患者は退院後2年間の追跡期間中に感染症関連の再入院を経験した121名(17%)と、感染症関連の再入院を経験しなかった患者608名に分けられた。
 HF患者の感染症関連再入院に関連する因子はロジスティック回帰分析により決定した。その結果、独立した予測因子として、J-CHSスコア≧3(調整オッズ比1.83〔95%信頼区間1.18~2.83〕、P=0.007)が特定された。
 次に感染症関連再入院の確率を予測するために、各患者について勾配ブースティング決定木(GBDT)モデルを構築した。GBDTモデルでは、J-CHSスコアの高さと推算糸球体濾過量(eGFR)の低下が、感染症関連再入院の増加を予測する最も重要な因子であり、それぞれ「スコア≧3」、「eGFR<35mL/min/1.73m2」の場合にリスクの増加が観察された。また、決定木分析より、感染症関連再入院のリスクは高(J-CHSスコア≧3)、中(J-CHSスコア<3、eGFR≦35.0)、低(J-CHSスコア<3、eGFR>35.0)に分類された。
 本研究について著者らは、「本解析より、高齢のHF患者に発生する感染症関連の再入院は、フレイルの程度とeGFR値に関連することが示された。これらの知見は、医療提供者が高齢のHF患者の再入院リスクを適切に管理し、患者の転帰を改善するための貴重なインサイトを提供するものである」と述べた。
 本研究の限界点については、観察研究でありワクチン接種などの交絡変数が考慮されていないこと、Kochi YOSACOI Studyには平均年齢81歳という高齢の患者集団が含まれており、HF患者全体に一般化することができないことなどを挙げた。

 

投稿者: 大橋医院

2025.06.28更新

高齢者の肺炎の再入院

心不全(HF)患者の再入院は、患者の死亡率上昇だけでなく、医療機関に大きな経済的負担をもたらす。高齢HF患者では、しばしば感染症による再入院がみられるが、この度、高齢のHF患者における感染症関連の再入院にフレイルと腎機能の低下が関連しているという研究結果が報告された。徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床薬学実務実習教育分野の川田敬氏らの研究によるもので、詳細は「Geriatrics & Gerontology International」に3月11日掲載された。
 世界でも有数の高齢化社会を擁する日本では、高齢のHF患者が大幅に増加している。高齢者では免疫力が低下することから、高齢HF患者の感染症による再入院率も増加していくと考えられる。これまでの研究では60代や70代のHF患者に焦点が当てられてきたが、実臨床で増加している80代以上の高齢HF患者、特に感染症による再入院に関連する因子については調べられてこなかった。このような背景から、川田氏らは、高齢化が特に進む日本の高知県の急性肥大症性心不全レジストリ(Kochi YOSACOI Study)のデータを使用して、高齢HF患者の感染症による再入院に関連するリスク因子を特定した。
 研究には、2017年5月から2019年12月の間に急性非代償性心不全(ADHF)でレジストリに登録された1,061名を含めた。この中から死亡した患者30名、左室駆出率、日本版フレイル基準(J-CHS)スコア、その他の検査結果などが欠落していた302名を除外し、729名を最終的な解析対象に含めた。
 解析対象729名のHF患者の平均年齢は81歳(四分位範囲72.0~86.0)であった。患者は退院後2年間の追跡期間中に感染症関連の再入院を経験した121名(17%)と、感染症関連の再入院を経験しなかった患者608名に分けられた。
 HF患者の感染症関連再入院に関連する因子はロジスティック回帰分析により決定した。その結果、独立した予測因子として、J-CHSスコア≧3(調整オッズ比1.83〔95%信頼区間1.18~2.83〕、P=0.007)が特定された。
 次に感染症関連再入院の確率を予測するために、各患者について勾配ブースティング決定木(GBDT)モデルを構築した。GBDTモデルでは、J-CHSスコアの高さと推算糸球体濾過量(eGFR)の低下が、感染症関連再入院の増加を予測する最も重要な因子であり、それぞれ「スコア≧3」、「eGFR<35mL/min/1.73m2」の場合にリスクの増加が観察された。また、決定木分析より、感染症関連再入院のリスクは高(J-CHSスコア≧3)、中(J-CHSスコア<3、eGFR≦35.0)、低(J-CHSスコア<3、eGFR>35.0)に分類された。
 本研究について著者らは、「本解析より、高齢のHF患者に発生する感染症関連の再入院は、フレイルの程度とeGFR値に関連することが示された。これらの知見は、医療提供者が高齢のHF患者の再入院リスクを適切に管理し、患者の転帰を改善するための貴重なインサイトを提供するものである」と述べた。
 本研究の限界点については、観察研究でありワクチン接種などの交絡変数が考慮されていないこと、Kochi YOSACOI Studyには平均年齢81歳という高齢の患者集団が含まれており、HF患者全体に一般化することができないことなどを挙げた。

 

投稿者: 大橋医院

2025.06.27更新

<五木寛之魅せられて>

五木寛之には、まいりました。

彼の本を読藻まくり、睡眠時間を削り、1時間か2時間の睡眠で

彼の作品を世、見まくっている。今手元にあるのは世界漂流、ロシアに旅立つところ、

仏教の本も読まねばいけないし、短編小説から長編小説、

青春の門も読まねば、しかし長い本だ!9冊ぐらいあるし、未完なので93歳の彼は完結本を今書いているらしい。

ずるして吉永小百合の出ている青春の門という映画をビデオで見てしまった。

清純なイメージの吉永小百合が仲代達也と濃厚なベットシーン、オナニーシーンもある。

何といっても日本のこころと百寺巡礼には参った。でも隠された歴史、学校では習わなかった歴史を勉強した。

法然、親鸞、蓮如さん、勉強になった。大阪城の前は石山本願寺だったそうだ。織田信長が10年攻めても落ちなかった。

大阪は商業都市ではなく宗教都市である。驚くばかりである。まだまだ眠れぬ日々が続行しそうである。

投稿者: 大橋医院

2025.06.27更新

五木寛之先生へ。

私は大垣で内科を開業している大橋信昭といいます。

貴方は完全に私を虜にしてしまいました。今、貴方の全作品をk買い漁っています。

でもすごく作品が多くて不可能ですが、睡眠時間を減らして、五木寛之先生の本を完全に読みたいです。

でも勉強になります。隠れた歴史、仏教、百寺巡礼はまいりました。あなたの知識、うらやましい体力、

日本のこころもあと一冊です。仏教の世界の旅ではインド編の下巻が手に入りません。

出来たら、貴方のお若いころの恋愛小説、随筆、短編から長編小説読破したいです。

医学の勉強もしなくてはいけません。

ともかく大橋信昭医師を五木寛之擦過は夢中になりました。

これからもお体に気を付けて、青春の門が途中になっているそうですが、

益々の活躍をお祈りします。

投稿者: 大橋医院

2025.05.29更新

慢性甲状腺炎
同義語
橋本病
概要
慢性甲状腺炎とは、甲状腺に慢性的な炎症が引き起こされることによって徐々に甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下していく病気のことです。
免疫機能の異常によって引き起こされると考えられており、自身の甲状腺を攻撃する“自己抗体”と呼ばれるタンパク質が生成されることで発症します。しかし、どのようなメカニズムでこのような免疫の異常が生じるのか、はっきりとは解明されていないのが現状です。
甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を活発にするはたらきがあるため、慢性甲状腺炎を発症して、甲状腺ホルモンの分泌が低下し不足すると、体重増加やむくみ、脱毛、皮膚の乾燥、抑うつ気分、眠気などさまざまな身体的・精神的症状を引き起こします。
また、この病気は比較的発症頻度が高い病気であり、特に30~40歳代女性に多く発症します。成人女性の10人に1人の割合とされており、治療は不足した甲状腺ホルモンを補う薬物療法が行われますが、発症者全てに必要となるわけではありません。補充が必要なほど甲状腺ホルモンが不足するのは発症者の4~5人に1人であるのも特徴の1つであり、発症に気付かないまま過ごしているケースも多いとされています。



原因
慢性甲状腺炎の原因は、免疫機能の異常と考えられています。本来、免疫は体内に入り込んだ細菌やウイルスを攻撃するはたらきを担いますが、慢性甲状腺炎では免疫の異常によって甲状腺の組織を攻撃するようになります。その結果、甲状腺に慢性的な炎症が生じ、徐々に組織が破壊されていくことで甲状腺ホルモンの分泌量が低下していくのです。
一方で、自身の甲状腺を攻撃するような免疫機能の異常が生じる明確な発症メカニズムについては解明されていません。遺伝が関わっているという説もあり、また、ストレス、妊娠・出産、ヨードの過剰摂取などをきっかけとして発症する場合もあります。
症状
慢性甲状腺炎を発症すると、甲状腺に慢性的な炎症が生じることによって甲状腺が腫大し、前頚部(ぜんけいぶ)の腫れが生じるようになります。そのため、首や喉の圧迫感や違和感がみられる場合もあります。
また、甲状腺ホルモンの不足が進行すると全身の新陳代謝が低下することによって、むくみ、寒がり、体重増加、皮膚の乾燥、脱毛、便秘、声のかすれ、生理不順などの身体症状、抑うつ気分、無気力、倦怠感(けんたいかん)、疲労感、もの忘れといった精神的な症状が現れます。
検査・診断
慢性甲状腺炎が疑われるときは、次のような検査が行われます。
血液検査
診断のためには“甲状腺ホルモン”や甲状腺を刺激してホルモン分泌を促す“甲状腺刺激ホルモン”の量を調べるために血液検査を行う必要があります。
また、慢性甲状腺炎では、抗マイクロゾーム抗体や抗サイログロブリン抗体と呼ばれる甲状腺を攻撃するタンパク質が産生されるケースが多いため、血液検査では血中にこれらの抗体がないか調べるのが一般的です。
そのほか、慢性甲状腺炎は高コレステロール血症や肝機能異常を伴うこともあるため、これらの検査項目を調べることもあります。
画像検査
甲状腺の腫れの程度を調べたり、甲状腺の中にがんなどの病気がないか調べたりするため、超音波やCTなどを用いた画像検査を行うことがあります。
治療
慢性甲状腺炎は、発症したとしても全ての患者に治療が必要になるわけではありません。治療が必要になるのは甲状腺ホルモンの不足による症状が現れた場合のみであり、発症者の4~5人に1人とされています。
治療は不足した甲状腺ホルモンを補うための薬物療法が行われますが、基本的には継続的な治療が必要です。
予防
慢性甲状腺炎の根本的な原因ははっきり解明されていないため、発症を予防する方法も現時点では確立していません。
しかし、慢性甲状腺炎はストレス、妊娠・出産などをきっかけに、甲状腺の腫れや甲状腺ホルモンの異常の症状が強くなって発見されるケースが多いことから、日常生活の中でもできるだけストレスをためないよう注意することが大切です。また、妊娠中や産後に甲状腺ホルモンの異常が疑われる症状が現れたときは、できるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。

投稿者: 大橋医院

2025.05.24更新

副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)とは
仕事、家庭、経済、人間関係などのストレスや、偏った食生活や運動不足といったライフスタイルの乱れによって副腎の機能低下が続くと、ホルモンバランスが乱れ、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギー症状などの様々な症状を引き起こします。これが、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群と呼ばれている病態ですが、正式な病気と認知されているものではなく、通常行われている医療の中では治療の対象とはされておりません。アメリカにおいては、30年以上前から、このような病態があることが示され、種々の検査や治療法が導入されています。したがって、日本国内においては、この副腎疲労症候群について認知している医師が所属する医療機関のみで、検査や治療が行われていることをご理解いただくことが必要です。原則、検査や治療は自費となります。

副腎疲労症候群の症状
疲労感:ストレス時や夜に悪化、ひどくなると朝から動けない
精神不安定:落ち着きがない、興奮、上の空、気が散る、我慢が出来ない
消化器異常:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
ストレス下で、機能性低血糖症に陥りやすい
欲求過多:塩分、砂糖、カフェイン、スパイス
頻拍、動悸、過呼吸(パニック発作)
起立性低血圧
顔面蒼白、悪寒、冷や汗
うつ、適応障害の診断
不眠症
PMS(月経前症候群)の悪化
花粉症などのアレルギー症状の悪化、耳の痒み
皮膚の炎症、脱毛
光に対する過敏症
性的関心の減退
副腎疲労の検査の流れ
副腎疲労の検査の流れ
治療方針
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群は、ホルモンバランスの状態によってステージが3つに分類されます。
ルネスクリニックでは、まずはどの段階にいるかを把握するために詳細な問診と血液検査を行います。必要に応じて、特殊検査を行い原因の斉一検査を行います。
治療の根幹はグルテンフリー(小麦製品の制限)、カゼインフリー(乳製品制限)などの食事療法、運動療法、睡眠の改善などの生活習慣の改善になりますが、状態により、サプリメントやホルモンを加えた治療を行います。
検査や治療は、原則自費となります。

副腎疲労のステージ
分類 ホルモン・バランス 症状
ステージ1
(通常適応) ストレスによって、コルチゾールとDHEAの両方が増加する 通常無症状
ステージ2
(早期代償不全) コルチゾールは上昇するが、DHEAは減少する ストレス感、不安発作、気分変動
ステージ3
(晩期代償不全) コルチゾールとDHEAの両方が低下する うつ、疲弊
精密な検査と分析を通して原因を突き止めたら、ステージに合わせた治療を行います。
特に、うつ症状を発症するステージ3では、多くの治療が求められますが、ルネスクリニックでは、睡眠薬や抗うつ剤をなるべく使用しない治療を心がけています。

副腎疲労症候群に対する基本的治療
治療内容
 行動様式と     
生活習慣の変容 グルテンフリー(GF)、カゼイングリー(CF)、低糖食
ストレス軽減、適切な睡眠、定期的な運動、リラックス手法(例:ヨガ、瞑想、断食、アロマセラピー、ビジュアライゼーション、気功など)
栄養補給 ビタミンC、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンD、ビタミンE、マグネシウム、亜鉛、セレン、フォスファチジルセリン、アミノ酸など
消化機能改善・
抗酸化力アップ 消化酵素、プロバイオティクス、グルタミン、アロエベラ
ケルセチン、クルクミン、レスベラトロール、アスタキサンチンなど
ハーブ補給 ■ストレスへの適応力を高めるハーブ
エゾウコギ、朝鮮人参、アメリカ人参、アシュワガンダ、マツブサ属、ロディオラ属、バコパなど
■鎮静作用のあるハーブ
セイントジョーンズワート、バレリアン、タツナミソウ、トケイソウ、GABAなど
ホルモン補充療法 ウシもしくはブタ副腎抽出物
DHEA、重症の場合には、ハイドロコーチゾン
その他の治療 クロレラ、クレイ、NAC、グルタチオン、CBDオイル
副腎疲労は、全身の疲労感をはじめ、不眠やうつ病のような症状、アレルギー疾患、慢性慢性感染症など、様々な症状が見られる病気です。放っておくと糖尿病や高血圧などの生活習慣病にも繋がります。
しかし、日本ではあまり聞きなれないために、別の診断を下されるケースもあります。
下記は代表的な兆候です。3つ以上該当するようでしたら、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群の可能性がありますので、ルネスクリニックまでご相談ください。

副腎疲労状態を疑う徴候
うつ病や適応障害と診断された
朝起きられない
立ちくらみがする
何をしても興味を持てない、楽しくない
月経前症候群(PMS)が強くなった
物忘れがひどくなった
些細なことでも我慢できない
花粉症、アレルギーがひどい
慢性的に疲労感を覚える。とにかく疲れやすい
毎日をなんとか過ごしている
副腎疲労症候群と関連する病態
リーキーガット(腸管壁浸漏)症候群
リーキーガット症候群(LGS)とは、腸管壁浸漏症候群と訳され、簡易的に「腸漏れ症候群」とも呼ばれています。
腸管壁における過度の浸透状態を示し、腸管壁に大きな穴が開いて、バクテリア、毒素、食物などが漏れ出す状態のことを言います。
医学的な言葉で定義すると、腸粘膜からの高分子化学化合物質、食物アレルゲン、また、萎縮性粘膜に関連する毒素の物質透過性が増加する状態です。
過敏性腸症候群(IBS)の原因として、LGSが関与している事が多いと考えられています。

リーキーガット症候群による症状
関節炎、リウマチ様症状
難治性の便秘
肥満
口臭や体臭が悪化
喘息などの呼吸器疾患
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患
過敏性腸症候群などの腸の異常
原因の分からない腹痛、頭痛、発熱など
うつや統合失調症などの精神疾患
食物アレルギーや花粉症など耳鼻咽喉科系の不調
更年期障害、子宮筋腫などの婦人科系の症状
潜在性甲状腺機能低下症
潜在性甲状腺機能低下症(かくれ甲状腺機能低下症)とは、甲状腺ホルモン自体は、正常かやや低いレベルであるが、甲状腺ホルモンに対する反応性が低下することによって、甲状腺ホルモン不足による症状を呈する状態を言います。
過度のストレス(副腎疲労)、ビタミン不足(ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンE)、ミネラル(ヨード、亜鉛、セレン、鉄分)、アミノ酸(チロシン)不足、水銀などの重金属の蓄積、フッ素や臭素などのハロゲン化物の過剰曝露などによって引き起こされると考えられています。
35~60歳の女性の12.5%、60歳以上の女性の15%~20%、男性の10%程度にみられるとされています。

甲状腺ホルモンの種類とホルモン動態
甲状腺ホルモンの種類
潜在性甲状腺機能低下症におけるホルモン動態
潜在性甲状腺機能低下症では、サイロキシン(T4)の血中濃度の低下はみられませんが、活性型甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)が軽度減少し、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が軽度上昇します。

潜在性甲状腺機能低下症による症状
倦怠感、易疲労感
記銘力の低下
低体温(36.3℃以下)、寒がり
皮膚の変化(乾燥・かゆみ)
爪の問題(薄い・もろい)
毛髪減少
体重増加、体重が減りにくい
便秘
高コレステロール血症
アレルギー(発症ないし悪化)
めまい
睡眠時無呼吸、呼吸困難
嚥下障害(飲み込みにくい)
月経異常、不妊

投稿者: 大橋医院