2026.06.18更新

シナールの成分と位置づけ
シナール配合錠は
アスコルビン酸(ビタミンC)+パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)の配合ビタミン剤で、もともとは
しみ・そばかす、日焼け後の色素沈着、にきび・肌荒れなどに保険適応を持つ医療用ビタミン製剤です。(march-clinic.com)

✨ 美的効果として期待される点
いわゆる「美白サプリ」ではなく、ビタミンC主体の内服療法として、次のような作用が知られています。(march-clinic.com)

メラニン生成抑制
紫外線や炎症後のメラニン産生を抑え、しみ・そばかす、炎症後色素沈着の悪化を防ぐ方向に働きます。

既存のくすみ・色素沈着の改善補助
強い漂白ではなく、数カ月単位の内服で「全体のくすみがやや抜ける」「新しいしみが増えにくい」といったレベルの変化が主です。単独で劇的な美白というより、外用剤や他の内服(L-システイン、トラネキサム酸など)との併用で効果を高める位置づけとされています。(generio.jp)

抗酸化作用・コラーゲン合成促進
活性酸素を抑え、コラーゲンの生成を助けることで、肌のハリ低下や小じわ、乾燥傾向の改善に寄与するとされます。(march-clinic.com)

ニキビ・肌荒れの補助
抗酸化と皮脂バランスへの関与から、にきび後の赤みや色素沈着を軽減する補助療法として用いられます。(generio.jp)

投稿者: 大橋医院

2026.06.18更新

どんな美的効果が報告されているか
グルタチオンは強力な抗酸化物質で、メラニン産生を抑える作用があるため「美白成分」として使われています。

肌の明るさ・シミへの影響
経口あるいは外用で、以下のような報告があります。

一部のランダム化比較試験で
1日500 mg程度の経口グルタチオンで、顔や日焼けしやすい前腕のメラニン指数がわずかに低下し、プラセボと比べ有意差が出た部位がある。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
系統的レビューでは
日光曝露部位のみに軽度の「色を明るくする」傾向があるが、研究数が少なく、吸収性の問題もあり、全体として「美白効果はまだ結論が出ない」とまとめられている。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

投稿者: 大橋医院

2026.06.16更新


女性の低体重/低栄養症候群(FUS)――見過ごされてきた健康課題とその背景 

 

FUS提唱の社会的インパクト
 2025年4月に日本肥満学会がFUSの概念を発表して以来、さまざまな分野で大きな反響を呼びました。多くの学会におけるシンポジウムやワークショップの開催、医療系メディアや医学雑誌での特集に加え、新聞やテレビなどの一般メディアでも幅広く取り上げられました。

 このような大きな反響の背景には、日本の若年女性におけるやせの問題が、社会的にも潜在的な課題として認識されていたことがあると考えられます。女性の低体重や低栄養を、医学的介入を必要とする一つの疾患として捉えることにより、これまで十分に可視化されてこなかった問題が社会全般で明らかとなったと考えられます。また、後述するように、肥満症治療薬を用いた若い女性の不適切な減量が社会問題となりつつあったことも、FUSの概念が広く受け入れられた一因と考えられます。

GLP-1関連薬と「痩せ目的使用」の拡大
 近年、新しい肥満症治療薬として、GLP-1受容体作動薬などのいわゆるGLP-1関連薬が登場しました。従来、海外で発売されてきた肥満症治療薬の体重減少効果はおおむね5%程度でしたが、これらの薬剤では10数%から20%程度に達する体重減少が期待でき、減量効果の面で大きな進展といえます。

 一方で、GLP-1関連薬を保険適用外の自由診療で、若年女性の減量目的で処方する医療機関もみられます。インターネットやSNS上では、このような適用外使用が「GLP-1ダイエット」や「医療ダイエット」といった名称で広く宣伝されている実態もあります。美容・痩身目的でのGLP-1関連薬の使用に関連して健康障害が生じたとする報告もあり、適正使用が社会的な課題となりつつあります。

「GLP-1ダイエット」がもたらす健康障害
 いわゆる「GLP-1ダイエット」に関連する健康障害は、大きく二つに分けて考えることができます。一つは薬剤自体の副作用によるものです。GLP-1関連薬は、慢性疾患治療薬としては、副作用頻度が高い薬剤であり、肥満症治療薬としての用量を用いた臨床試験では、悪心、嘔吐、便秘などの消化器症状が50%以上の症例で認められています。また、頻度は高くないものの、膵炎やイレウスなどの重篤な有害事象が生じる可能性も指摘されています。

 「GLP-1ダイエット」に関連するもう一つの健康障害は、減量そのものに起因するものです。減量は栄養不足と表裏一体の関係にあるため、薬剤の使用の有無にかかわらず、過度または急激な減量は、それ自体が健康障害を引き起こす可能性があります。

 肥満学会の肥満症診療ガイドラインでは、治療開始後3-6カ月の減量目標として、高度でない肥満症(BMI 25以上35未満)では現体重の3%、高度肥満症(BMI 35以上)では5-10%が推奨されています。これは、急速な減量による健康障害を防ぐという目的も含まれています。例えば体重50kg程度の非肥満の女性が、1カ月で5kgもの減量を行うと、体重の絶対値だけでなく、減量速度の観点からも健康障害の可能性が懸念されます。

「頑張らずに痩せられる」のリスク
 インターネットやSNSでの「医療ダイエット」の広告では「頑張らずに痩せられる」といった宣伝文句が見受けられます。GLP-1関連肥満症治療薬の主作用は食欲抑制作用であり、その効果を適切に減量に繋げるには、自らの食行動を変容しようという意思が重要です。すなわち、「頑張らずに痩せられる」という理解は適切でなく、むしろリスクを伴います。食行動の変容を伴わずに、薬剤の持つ食欲抑制作用にのみ依存すると、「食べられなくなるまで薬剤を増やす」といった危険な使用に繋がりかねません。したがって、これらの薬剤は「頑張らずに痩せられる薬」ではなく、「頑張りを支援する薬」であるという認識が重要です。

 美容や外見上の理由から減量を目指すこと自体は否定されるものではありませんが、それが健康障害を伴うものなら医学的には許容されるべきではありません。FUSの概念が広く認識されることで、「GLP1ダイエット」の問題が「薬剤の副作用による不快な症状を我慢してでも痩せる」といった単純な問題ではなく、将来にわたる健康への影響を含む重要な課題として理解されることが期待されます。

FUS対策の今後の方向性
 現在、日本肥満学会のFUSワーキンググループでは、診断基準の作成が進められています。疫学調査による実態把握や、治療・介入指針の検討など、学術的な推進のためには診断基準の確立が不可欠です。代謝疾患や内分泌疾患を専門とする内科医に加え、女性医療、骨代謝、精神医学、栄養学、疫学など、多様な分野の専門家が参画し、検討が進められています。

 また、内閣府の研究班による調査では、女性のやせ志向は幼少期から認められ、小学6年生の女児の半数以上が「痩せたいと思ったことがある」と回答しています。FUSに対する包括的な対策を推進するためには、医療分野にとどまらず、教育や学校保健の専門家の参画も重要だと考えられます。

 2005年にメタボリックシンドロームの診断基準が策定され、それを契機として2008年より特定健康診査(いわゆるメタボ健診)が開始されたように、FUS対策においても、検診制度の構築は有効な施策となり得ると考えられます。

痩せ志向と肥満スティグマ
 FUS対策において最も重要なのは、我が国の社会全体における過度なやせ志向が是正されていくことです。減量ややせを過度に美や努力と結びつけて捉えないことが重要です。

 肥満症診療においては、肥満スティグマへの対応とケアの重要性が広く認識されています。肥満は自己管理の問題であるとする見方は、肥満スティグマを構成する偏見の一つです。しかし、肥満は他の慢性疾患と同様に、生活習慣に加えて、遺伝的要因、社会的要因、心理的要因など、複数の要因が関与して生じるものです。

 「やせ=美・努力」という社会的価値観は、裏返せば「肥満=努力不足・美しくない」という偏見と同根のものです。このような観点からも、日本肥満学会におけるFUS対策は重要な意義を持つと考えられます。FUSへの対応は、医療の枠組みにとどまらず、社会全体の価値観や行動の変容を含めた包括的な取り組みとして進めていく必要があると考えられます

投稿者: 大橋医院

2026.06.16更新

漢方薬は今、大勢の患者さんが、処方内服してもらっています。!

しかし、漢方薬は1種類、1種類、138種類以上ある中に、それぞれの生薬がちがいます。

例えば、ツムラ桂枝湯は、ケイヒ、カンゾウ、シャクヤク、ショウキョウ、タイゾウかなり、

ツムラ抑肝散は、ソウジュツ、サイコ、ブクリョウ、カンゾウ、センキュウ、トウキからなります。漢方をなぜほしいのか、必ず主治医に詳しく病状を述べてください。

私共は、観桜的概念により気、血、水、:陰陽、実証、虚証、、、阿多触診(脈、舌下静脈、腹心、特に丹田)

ですから、漢方薬は一人の位置処方に原則として一剤です。」やむを無い方は、生薬を見て、2種類までです。

最近、私の診察、処方が誤って打たのですが4種類も、漢方薬を欲しがり、私は応じてしまい、大変悔いています。

漢方をお望みの方は、よく院長に相談してください。

4種類も請求し、それを保険請求した私は愚かです。患者さんもご理解願います。漢方を4種類も内服することは、体に猛毒です!!!!!!!」

投稿者: 大橋医院

2026.06.10更新

アルツハイマー病の記憶障害、嗅内皮質のドーパミン不足が原因
東北大ほか、研究成果は、「Nature Neuros」


悪玉物質の除去だけでは治らない、記憶障害を引き起こす神経細胞の謎

 東北大学は4月23日、アルツハイマー病マウスにおいて、記憶をつくりだす脳領域「嗅内皮質」におけるドーパミンの不足が記憶障害を引き起こしていることを発見したと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科認知生理学分野の五十嵐啓国際卓越教授、中川達貴助教、およびカリフォルニア大学アーバイン校の国際共同研究チームによるもの。研究成果は、「Nature Neuroscience」に掲載されている。

 高齢化が進む日本においてアルツハイマー病罹患者の増加は大きな社会問題であり、治療法の開発が急務となっているが、確実な治療法はまだ見つかっていない。これまでの研究から、脳内の悪玉物質を取り除いても一度発症した記憶障害は治らないことが多く、その理由として神経細胞の失調や細胞死が一度起こると自己治癒しないためと考えられてきた。
そこで研究チームは発想を転換し、失調した神経細胞が脳のどこにあるのかを特定する研究を進めた。初期のアルツハイマー病では海馬の隣にある嗅内皮質がダメージを受けることが知られていたが、どの神経細胞が障害されるのかは長らく不明であった。

アルツハイマー病マウスの嗅内皮質ドーパミン量は健常群の5分の1以下に低下

 今回の研究では、アミロイドβが脳に蓄積しやすいアルツハイマー病マウス(APP-KIマウス)を用いて、匂いを覚えるテストによる実験を行った。健常なマウスは簡単に匂いを覚えることができるが、アルツハイマー病マウスは匂いを覚えることができない。

 解析の結果、マウスが匂いを嗅いでいるときの嗅内皮質におけるドーパミン量を測定したところ、健常なマウスと比べてアルツハイマー病マウスではドーパミン量が5分の1以下まで減少していることが明らかになった。また、電気生理学記録法によって嗅内皮質の神経活動を測定した結果、アルツハイマー病マウスでは神経細胞が覚えるべき匂いに正しく応答できなくなる異常が見られた。さらに、光遺伝学法を用いて嗅内皮質のドーパミンを増やす治療実験、および既存のドーパミン治療薬「レボドパ」を投与する実験を行ったところ、嗅内皮質の神経活動が正常な状態に近づき、マウスが再び匂いを記憶できるようになることを見いだした。

パーキンソン病治療薬「レボドパ」の転用など、新たな治療戦略の確立に期待

 これまでドーパミンは体の動きを司る線条体での役割(不足するとパーキンソン病を引き起こす)が主流とされ、記憶障害が主たる症状であるアルツハイマー病には関係がないと考えられていたため、レボドパはアルツハイマー病治療薬として認可されていなかった。

 同研究成果は、嗅内皮質のドーパミン不足がアルツハイマー病の記憶障害を引き起こす原因のひとつであり、これを増加させる治療を行えば記憶障害が改善する可能性を示したものである。現在はマウスを用いた結果であるが、アルツハイマー病患者の脳においてもドーパミンの働きが低下していることが示唆されている。「今後は、アルツハイマー病患者の嗅内皮質とドーパミンについてより詳細に研究を進めることで、ドーパミンを用いたアルツハイマー病の新たな治療法の開発につながることが期待される」と、研究グループは述べている。

投稿者: 大橋医院

2026.06.04更新

世界中で数百万人の人々に影響を及ぼす進行性の神経変性疾患であるアルツハイマー病には、長い無症候期がある。臨床症状が現れる何十年も前から、すでに発症の兆しが見られる可能性がある。

 しかし、我々の新たな研究が示唆するように、血液中のバイオマーカーと自己申告による記憶に関する懸念を組み合わせることで、アルツハイマー病が人生のどの段階でどのように進行するかについて、早期の手がかりが得られる可能性がある。

 これは、中年期が脳の健康を促進するための重要な時期となり得ることを意味する。

 本研究では、オタゴ大学が実施する世界有数のダニーデン研究のデータを使用した。同研究では、50年以上にわたり被験者コホートを追跡調査している。

 我々は、pTau181として知られる特定のタンパク質が、記憶力や思考能力に関する自己申告の懸念と関連していることを発見した。

 特筆すべきは、調査参加者が評価時点でわずか45歳だったという点である。通常、認知症と診断されるのは70代以降である。

 近年、アルツハイマー病の薬物治療には進歩が見られる。しかし、これらは根治的な治療法ではない。せいぜい病気の進行を遅らせるだけであり、進行した段階で失われた認知機能を維持したり回復させたりすることはできない。

 これらの治療法は早期に開始した場合に最も効果を発揮する可能性が高いと考えられるため、アルツハイマー病の最も初期の兆候を特定することがより重要となる。

認知症の予防
 さまざまな種類の認知症は、病気の初期段階では似たような症状を示すことがあるが、治療法や進行の経過は認知症の種類ごとに大きく異なる。

 かつては、アルツハイマー病を確定診断するには死後検査、あるいは近年では腰椎穿刺などの侵襲的な検査が必要だった。

 しかし現在、研究者たちは、アルツハイマー病の発症リスクが高い人々を特定するための低侵襲な方法となり得る血液バイオマーカーの特定に取り組んでいる。

 アルツハイマー病を最も初期の段階で検出できれば、予防の機会が生まれ、脳の健康と加齢に対して最大の恩恵をもたらす可能性がある。

 これには、身体活動を促し、社会活動への参加を継続するよう支援することや、高血圧や難聴といった変更可能な危険因子の対処など、生活習慣の改善が含まれる。

 予防的アプローチは、実施が早ければ早いほど効果的に機能する。したがって、アルツハイマー病が診断されるずっと前に、その早期リスクプロファイルを特定するためには、中高年層を対象とした研究が重要となる。

物忘れが病気の兆候となる時
 人は年を重ねるにつれ、以前ほど記憶力が良くないことに気づく場合が多い。

 物忘れはよくあることであり、加齢に伴うものであれば通常は問題がない。しかし、一部の人々においては、こうした記憶の問題が、何か別のことが起きていることを示している可能性がある。

 最近の研究によると、認知機能における微妙な主観的な変化は、診断のずっと前に生じることが多く、それが病気を感じ始める最初の瞬間である可能性がある。

 生物学的マーカーのスクリーニングを、記憶機能に関する主観的な報告と組み合わせることで、アルツハイマー病の病理の最も初期の兆候を、通常の加齢と区別するのに役立つ可能性がある。

 pTau181のようなタンパク質は、アルツハイマー病患者でははるかに高値となるが、このタンパク質がいつ蓄積し始めるのかはまだ分かっていない。

 我々の知見は、認知症の最も初期の兆候が診断のずっと前に現れる可能性があるという、増え続ける証拠を裏付けるものである。また、自己申告による認知機能への懸念が、中年期であってもアルツハイマー病の早期警告サインとなり得ることを示している。

 興味深いことに、45歳時点において、pTau181バイオマーカーがMRI脳スキャンによる測定値や認知機能検査の成績と関連していることは確認されなかった。

 これには少なくとも2つの説明が考えられる。

 おそらく、pTau181はアルツハイマー病の最も初期の段階、つまり本人が記憶力の低下に気づき始めた頃には増加しているものの、MRI検査ではまだ変化が確認されない段階にあるのかもしれない。

 あるいは、pTau181の上昇は中年期のアルツハイマー病リスクとは関係がなく、このタンパク質は高齢者のアルツハイマー病を検出する際にのみ有用である可能性もある。

 現時点では十分な知見がないが、この研究を継続するため、同じ対象グループが高齢になるまで追跡調査を行っていく予定だ。

This article was originally published on ScienceAlert Latest.

 

投稿者: 大橋医院

2026.06.04更新

<私の嘱託医をしているグループホームは花盛り>   大橋信昭  大垣市医師会
グループホームとは、脳が故障して認知になり、体が丈夫な人が入る施設だ。脳は体の全臓器の親分であり、脳だけ故障、他の臓器が健康ということは?それがあるのだ。その施設は,1階、2階に9人ずつ18人入所している。平均年齢89歳です。最高年齢者は102歳で、足腰逞しく、私が傍に行くと「先生!大好き」としがみついてくる。この人は不死鳥か?5年前にご主人を無くされ、毎日仏壇にお祈りする85歳の老婆は、最近入所した男性をご主人と思い込み、「私の主人の具合は?」と問われ私は「大丈夫!」と言うと嬉しそうに飛び跳ねる。しかし入所したばかりの男性は、肺炎をおこし急死した。だから、また再度後家さんになった85歳の老婆は明るい毎日で、妄想中。もう2週間も、飲水、食事ができないフレイルの老婆は、私は2日も生きておればよいと家族に説明したが、2週間後には、介護士の頑張りもあり、廊下を早足歩き。67歳の筋委縮性硬化症の老婆は、何度も臨終が近いといったが、3週間後に逢った時は、山のようなお菓子を食べていた。5㎏近い赤ちゃんの人形を抱えて歩いている92歳の老婆は,風邪一つひかない。脳と多臓器は無関係か?私も73歳近くなり認知症で、この施設に入所する。料理も、おやつもうまい、天国だ。自分をナースと勘違いしている老婆は私と回診を希望する。全く分からない!

投稿者: 大橋医院

2026.06.02更新

1)対応に悩む言動があったら、まず「せん妄」を考える
認知症または認知症の可能性がある入院患者に興奮や徘徊(歩き回る)、幻覚・妄想などをみとめた際、BPSD だけでなく、せん妄の可能性が十分考えられる。
BPSD とせん妄には、共通する症状がきわめて多い(表1)。
実臨床でせん妄は高頻度にみられるだけでなく、直接因子や促進因子の除去によって改善が見込めることから、安易にBPSDと考えず、まずはせん妄の評価を確実に行う必要がある。
表1 対応に悩む言動とその鑑別

memo
実臨床において、入院患者に何らかの精神症状をみとめた際には、鑑別診断の筆頭に「せん妄」をおくことが何よりも重要です。

(2)せん妄とは?
せん妄とは、身体疾患や薬剤、手術などを原因として、軽度から中等度の意識障害をきたした病態である。
注意障害、記憶障害、見当識障害、睡眠・覚醒リズム障害、幻視、感情の障害といった多彩な症状がみられる。
認知症との違いは、これらの症状が短期間のうちに出現し(急性発症)、夕方から夜間にかけて増悪すること(日内変動)である。
memo
もしご家族から「うちのお父さん(患者)、急に認知症になったのでしょうか?」と聞かれた場合、どのように返事をしますか? ご家族は、普段と様子が違うからこそ心配しているはずなので、この質問自体が急性発症、つまりせん妄であることを教えてくれているのです。

(3)せん妄への適切な対応とは?
せん妄は、準備因子・直接因子・促進因子の3因子で発症する。
せん妄を焚き火で例えると、準備因子(起こりやすい素因)が「薪」、直接因子(引き金となるもの)が「ライター」、促進因子(誘発・悪化・遷延化につながるもの)が「油」となる。
せん妄を治すには、ライターにあたる直接因子の除去が必須である。
薬物治療はあくまでも対症療法にすぎないため、直接因子が除去されたら、速やかに薬物の減量・中止を試みることが大切である。
memo
せん妄を3因子で理解しておくことは、効果的・効率的なアプローチにつながります。ちなみに、直接因子の同定・除去には医師と薬剤師が、同じく促進因子については看護師が主な役割を担います。

coffee break せん妄あるある
①見当識を確認している際、隣のベッドの患者さんが代わりに返事をしてしまう
 耳が遠い患者さんに大声で話しかけると、このようなことがよく起こります。
ちなみに、「3月13日」が全然違う日にちのこともあり、むしろ隣の患者さんの方が気になってしかたありません…。

②「虫がいる!!」と患者さんが天井を指差すので確認すると、本当に虫のように見える模様である


 あなたの病院の天井はいかがでしょうか?

 一般病院の約9割は、このような模様になっています(筆者推測)。防音効果があるそうなのでしかたないのですが、ベッド上で1 日中天井を眺めていると、この模様がだんだん虫に見えてきそうです…。

(4)せん妄のサブタイプとは?
せん妄は、患者が示す運動症状によって、①過活動型せん妄、②低活動型せん妄、③混合型せん妄の3つに分けられる(表2)。
過活動型せん妄では興奮や暴言・暴力などがみられる一方、低活動型せん妄は覚醒度の低下や活動性の減少が主たる症状である。
表2 せん妄のサブタイプ別の症状

memo
医療者にとって、興奮や暴言・暴力などをきたす過活動型せん妄は対応に困る一方、低活動型せん妄は見逃されやすいことが知られています。低活動型せん妄でも患者さんはつらい思いをしているため、適切な介入が求められます。

Advice 「低活動型せん妄に気づくポイントとは?」
 低活動型せん妄は、過活動型せん妄に比べて症状が目立ちにくく、かつ医療者が対応に悩むことも少ないため、臨床現場で見逃されやすいことが知られています。そこで、「低活動型せん妄の可能性を疑うこと」が何よりも重要です。

 低活動型せん妄の患者さんは、1日中ベッド上で過ごし、こちらの問いかけに対しても静かにうなずくなど、一見するとこちらの言うことを理解しているように見えます。このような場合でも、まずは低活動型せん妄の可能性を疑い、その一挙手一投足を注意深く観察する必要があるのです。

 具体的には、

話をしている最中にもかかわらずテレビの方に視線が移る
些細な言葉の言い間違いや聞き間違いがある
質問に対する返事に時間がかかる
 など、低活動型せん妄で高頻度にみられる注意障害を見逃さないことが大切です。なお、医療者が話しかけたりリハビリテーションを行ったりしている最中にもかかわらず、患者の目がトロンとしてくるなども、低活動型せん妄を強く疑う所見と言えるでしょう。

 低活動型せん妄では、「口数が少ない」「周囲に対する無関心」「活動性の低下」「臥床傾向」など、うつ病に似た症状がきわめて多いため、誤診に注意が必要です。低活動型せん妄とうつ病の違いは表3の通りです。発症・経過などは重要な鑑別ポイントですが、なかでも幻視は自ら訴えないことも多いため、積極的に尋ねてみるのがよいでしょう。

表3 低活動型せん妄とうつ

◆!

投稿者: 大橋医院

2026.06.01更新

Westを細くして、かっこよくするには?

ウエストを引き締めてかっこよくしたいというのは、多くの方が一番気にされるところですね。

投稿者: 大橋医院

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