2025.03.13更新

<ノロウィルスに特効薬はない!>
概要
ノロウイルス感染症とは、ノロウイルスに感染することによって嘔吐、下痢、発熱などの症状を引き起こす病気のことです。秋から春にかけて流行する“感染性胃腸炎”の1つであるとともに、ノロウイルスは食中毒を引き起こしやすいことも知られています。
通常は特別な治療を必要とせずに数日で自然に回復しますが、体の弱い乳幼児や高齢者が感染すると度重なる嘔吐や下痢によって脱水状態に陥ることもあるので注意が必要です。
ノロウイルスの主な感染経路は経口感染ですが、ウイルスが付着した物品や飲食物、感染者の吐物や便などを介して感染します。そのため、適切な感染対策を講じれば感染を大幅に防ぐことができますが、ノロウイルスは感染力が非常に強く、ごく少量のウイルスが体内に侵入しただけで感染するため注意が必要です。
原因
ノロウイルス感染症はノロウイルスに感染することによって引き起こされます。
ノロウイルスの主な感染経路は経口感染であるとされており、ノロウイルスに汚染された飲食物を口にすることによって感染するケースも多いとされています。ノロウイルスはカキやアサリなどの二枚貝に多く潜んでおり、十分に加熱せずに摂取すると感染する危険が高くなります。また、ウイルスが付着した調理者の手や調理器具を介して飲食物にノロウイルスが付着することも感染の原因になります。
そのほか、ノロウイルスは接触感染や飛沫感染によって広がることも少なくありません。ノロウイルスは感染力が非常に高いため、家族、学校、職場など身近に感染者がいる場合は物品に付着したわずかなノロウイルスを周囲の人が触り、その手で口や鼻に触れることで感染する可能性があります(接触感染)。また、感染者の唾液にはノロウイルスが含まれているため、咳やくしゃみなどのしぶきが周囲の人の口の中に入ると感染します(飛沫感染)。
また、ノロウイルスは感染者の吐物や便などと共に多く排出されるため、これらの汚物から感染が広がるケースも珍しくなく、保育園や高齢者施設などでは集団発生するケースも多いとされています。
症状
ノロウイルス感染症は、ノロウイルスに感染して1~2日経過すると吐き気、嘔吐、下痢といった消化器症状が現れます。発熱を伴うこともありますが軽度であり、そのほか腹痛、頭痛、寒気、筋肉痛、だるさ、喉の痛みなどが見られるケースもあります。
通常はこれらの症状が1~2日ほど続き、後遺症なく自然に回復することがほとんどです。しかし、乳幼児や高齢者などでは頻回な下痢と嘔吐によって脱水状態に陥るケースもあり、吐物による窒息のリスクも少なくありません。
検査・診断
ノロウイルス感染症が疑われる場合は次のような検査が行われます。
ノロウイルス抗原検査
便の中にノロウイルスが潜んでいるか簡易的に調べることができる検査です。専用の検査キットを用い、採取した便の中にウイルスが潜んでいる場合は薬を付着させると“陽性”反応が出ます。重症化しやすい3歳未満、65歳以上は健康保険が適応され、15分程度で検査をすることが可能です。
ただし、ノロウイルスに感染していても“陽性”にならないケースもあるため、必ずしも正確な結果とはならないとされています。
血液検査
下痢や嘔吐などが頻回にある、高熱があるといった場合は脱水の有無や炎症の程度などを評価するために血液検査を行うことがあります。
ただし、血液検査のみではノロウイルス感染症と診断することはできません。
治療
ノロウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていないため、ノロウイルス感染症の治療は胃腸の調子を整える整腸剤、発熱に対する解熱剤などの薬物療法、脱水を予防・改善するための点滴治療といった対症療法が行われることとなります。
ノロウィルスに対する有効薬は、ありません。

投稿者: 大橋医院

2025.03.06更新

<大橋信昭 多いに悩み 考える>
私はここ1年、勉強し、苦しんでいることを書いてみます。
まず私の文章は全くランダムに跳ぶことをご承知ください。
まずは量子力学です。私たちが高校、大学で並んだ物理は、
古典物理で、ガリレオ、ニュートンンが代表選手ですか?
これは立派な業績ですが、アインシュタインをきっかけとして、量子力学が飛躍します。私たちは物質の最少単位は原子として教えられました。ところが、もう量子力学者は、気が狂ったように、研究していたのです。原子が仮に東京ドームだとすると、投手のマウンドに野球ボールの大きさの原子核があります。その原子核の中央に位置し、陽子と中性子化構成され「核力」というつい力によって結合しています。湯川秀樹が中間子を発見しています。原子膜と原子核、原子核の中も、量子:クオークが飛び跳ねています。いや!電子の存在を忘れていました。生物はおおむねこの共通項で構成されています。
宇宙は、人類は全体の4%しか把握していません。残りは、今の最新測定器をもってしてもわからないのです。ただ暗黒エネルギーと、暗黒物質が残りをほとんどです。この両者の正体は今でもわかっていません。宇宙空間に存在する天体のうち、極めて高密度で、極端に重力が強いため、光さえ脱出することができない天体があります。
量子は、様々な物理現象の最少単位である。量子力学が適応される粒子を量子力学的粒子という。量子(クオーク)は、宇宙中に満ち溢れており、質量のあるものとないものがあり、人間の目には見えないし、地球や惑星、人体など通り過ぎていく。スーパーカミオカンデで観測しているニュートリノ。私たちは素粒子からできている。
宇宙が誕生した時、惑星が超新星爆発した時ニュートリノは生まれる。
素直な気持ちで思考してみると、宇宙は138億年前にビッグバーンで誕生したが、その前はどうなっていたの?宇宙の果てはどうなっているの?壁があるとしたらその壁の向こうには何があるの?
話しは飛ぶが、人類は誕生して、私たちはホモサピエンスだが、私たちの先輩のネアンデルタール人が滅んで誕生したと言われてきました。しかし、私たちホモサピエンスの遺伝子の13%にネアンデルタール人の遺伝子が存在するのです。つまり、一緒に暮らしていた時期があるのである。ネアンデールタール人は、集団性、IQが低いのか結局滅ぶ。今や、私たちホモサピエンスの時代である。
今、厚生労働省は、患者さんの生活習慣指導に一生懸命である。人類の寿命は、縄文式土器時代には30年もなかったと思われる。織田信長は”人生50年”といった。私が大学を卒業したのは、1979年、そのころは多くの老人は60代ぐらいで昇天された。ところが、2025年はどうなっているの?100歳以上の人が8万7千人、私の岐阜県大垣市にも50人以上、80歳代、90歳代は無限にいる。私の研修医のころは90歳の老人とお逢いするとびっくりしたものである。90歳でトレーニングジムに毎日、通う人が多く、医学の発達、環境衛生の改善、そして生活習慣の改善が大きいのである。昔、植木等がスーダラ節で“ちょいと一杯のつもりで飲んでいつのまにやらはしご酒、気がつきゃ、ベンチのホームでごろ寝、これじゃ、体にいいわけないよ、わかっちゃいるけどやめられない”
こんな生活は短命である。出来たら禁煙、禁酒、適度の運動、規則正しい生活、健康的な食事、定期的な健康診断、これらを実施すれば100歳の健康老人は間違いない。皆さん!100歳目指して頑張りましょう!他にも、いろんなジャンルの学問がありますが、きりがないので筆をおきます。(完)

投稿者: 大橋医院

2025.02.21更新

<過敏性腸炎>
概要
過敏性腸症候群とは、精神的なストレスや自律神経バランスの乱れなどによって腸のはたらきに異常が生じ、便秘や下痢など排便の異常を引き起こす病気のことです。
排便の異常の現れ方は人によって異なり、絶えず下痢が続くケースもあれば、便秘と下痢を数日ごとに繰り返すケースもあります。また、腹痛やお腹の張りなどを伴うことも多く、中にはトイレから離れられず日常生活に支障をきたすようなケースも少なくありません。
日本人の10%程度は過敏性腸症候群であるとされており、この病気は決して珍しいものではありません。多くは過度なストレスや緊張などによって引き起こされると考えられていますが、原因がはっきり分からないケースも多々あり、治療が難しいこともあります。
また、過敏性腸症候群は検査をしても腸に器質的(目に見える)な異常が見られないことも特徴の1つです。そのため、病気のつらさの理解を周囲から得られず、悩みを抱えるケースも多いと考えられています。
原因
過敏性腸症候群の明確な発症メカニズムは現在のところ解明されていません。
一方で、腸のはたらきは脳からつながる神経と密接に関わっていて、脳腸相関といわれています。この脳腸相関の異常が過敏性腸症候群の発症に関わっているとするのが現在の見解です。
たとえば、消化管に分布する自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経には腸の動きを抑えるはたらきがあり、副交感神経は腸の動きを活発にするはたらきを担っています。この交感神経と副交感神経はそれぞれバランスを取り合いながら腸の動きを調節していますが、ストレスや疲れなどによってバランスが乱れると腸の動きに異常が生じ、下痢や便秘を引き起こしやすくなるのです。また、同時に腸の痛みを感じる知覚神経が敏感になることで、お腹の痛みや張りなどを感じやすくなると考えられています。
そのほか、過敏性腸症候群は感染性胃腸炎にかかった後に発症しやすいことも分かっています。微細な炎症によって腸の粘膜が弱くなり、腸内細菌に変化が生じることで腸のはたらきに異常が生じるとの説もあります。


原因は未解明も…
脳と腸の密接な関係からくる症状も
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ツムラ

症状
過敏性腸症候群はお腹の痛みや張りなどの不快な症状とともに、下痢や便秘などの便通異常を引き起こす病気です。症状の現れ方や重症度は人によって異なり、特に便通異常の現れ方によって“下痢型”・“便秘型”・“混合型”の3つのタイプに分けられています。
“下痢型”はストレスや緊張などのわずかなきっかけによってお腹の痛みと激しい便意とともに下痢を生じることが特徴で、特に通勤などトイレに行けない状況のときに発症しやすいとされています。
一方、“便秘型”では便秘に伴ってお腹の張りなどの症状が起こります。なお、“混合型”は便秘と下痢が交互に繰り返されることが特徴です。
このような症状が3か月以上続く場合に過敏性腸症候群が疑われますが、いずれのタイプもストレスや疲れなどがたまると症状が悪化し、就寝中や休日などは症状が現れにくいとされています。また、排便すると一時的に症状が改善することも特徴の1つです。
多くの方はこれらのお腹の症状や便通の異常とうまく付き合いながら生活していますが、重症の場合には頻回な下痢のため電車に乗れない、外出できないなど生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。


過敏性腸症候群の様々な症状
• 下痢と便秘を交互に繰り返す
• お腹がよく痛くなる
• お腹が張りやすい
• 緊張するとお腹が痛くなりやすい
• etc.
もっと詳しく見る
ツムラ

検査・診断
過敏性腸症候群は特徴的なお腹の症状や便通異常が生じるため、特別な検査をせずに問診だけで診断が下されることも少なくありません。
しかし、なかには思いもよらない腸の病気が潜んでいる可能性もあるため、重症の場合や治療をしても症状が改善しない場合は次のような検査を行うことがあります。
血液検査
血液によって、腸の炎症の有無などを調べるための検査です。また、便通の異常はがんや甲状腺の病気などによって引き起こされることもあるため、必要に応じて貧血や甲状腺ホルモン値を調べる検査を行うことも少なくありません。
便潜血検査
便の中に血液が混ざっているかを調べる検査です。便通の異常を引き起こす大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などの血便が生じる病気の可能性を探るために行われます。
画像検査
腸の状態を調べるため、X線検査やCT検査などを行うことがあります。これらの画像検査により腸閉塞などの器質性疾患を調べることができます。
大腸内視鏡検査
大腸の内部を内視鏡で詳しく観察することができる検査です。がんや炎症性腸疾患など便通の異常を引き起こす病気が疑われる際に行われます。
治療
過敏性腸症候群の症状を改善するには、規則正しくストレスや疲れをためない生活を心がけることが大切です。そのため、軽症の場合は治療せずに生活改善を行いながら経過を見ていくケースも少なくありません。
生活改善を行っても症状が改善しない場合や症状が強い場合には、それぞれの症状を緩和させるための薬物療法が行われます。
過敏性腸症候群は、精神的な要因によって発症・悪化することが多いため、抑うつ気分などがあるときは、抗うつ薬や向精神薬などが用いられることもあります。また、薬物療法でも精神的な症状が治まらない場合は、カウンセリングなどの精神療法が必要となるケースも少なくありません。
<予防>明確な発症メカニズムは解明されていないため、残念ながら確実に効果のある予防法は現在のところはっきり分かっていません。
しかし、過敏性腸症候群はストレス、疲れ、睡眠不足、運動不足、高脂質な食事、過度な飲酒など生活習慣の乱れが発症や悪化に大きく関わっていると考えられています。
過敏性腸症候群を予防するには規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠と休養を取ってストレスや疲れがたまりにくい習慣を身につけるようにしましょう。

投稿者: 大橋医院

2025.02.20更新

この論文に着目した理由
 子どもや若者の間でのスクリーンタイムの増加によって、メンタルヘルスへの影響が懸念されています。スクリーンタイムには、動画視聴、ビデオゲーム、テキストメッセージのやり取り、ビデオ通話などが含まれますが、過剰なスクリーンの使用は、睡眠、運動、対面での社会的交流といった活動に費やす時間を減少させる可能性が指摘されています。

 本研究は、大規模な思春期脳知能発達(ABCD)研究データを使用し、9-10歳の子どもを対象に、スクリーンタイムとメンタルヘルス症状(抑うつ、ADHD、行動障害など)の関係を2年間にわたり検討しているため着目しました。

私の見解
 本前向きコホート研究は、スクリーンタイムが思春期の子どものさまざまなメンタルヘルス症状と関連していることを明らかにし、特に、抑うつ症状との関連が強いことが示されています。また、ビデオ通話、テキストメッセージのやり取り、動画視聴、ゲームが抑うつ症状との関連が最も強いスクリーン活動であることが判明しました。さらに、これらの影響は人種によって異なり、白人の子どもでは黒人やアジア系の子どもよりも強い関連が見られました。

 本研究の大規模なサンプルサイズと縦断的デザインは、試験の信頼性を高めていますが、評価が自己申告によるスクリーンタイムおよび親が報告した症状に依存しているため、報告バイアスが生じる可能性があります。また、社会経済的要因や既存のメンタルヘルス状態などの交絡因子を完全には考慮していない点も課題でしょう。

日常臨床への生かし方
 本研究から、スマホやタブレットの使用が子どものメンタルヘルスに影響を与えることが示唆されました。また、従来の報告から近業作業時間の増加は、近視の進行を促進してしまいます。両者を考えると、適切なスクリーンタイムの管理が子どものメンタルヘルスや近視の進行管理にとって重要でしょう。

 さらに、長時間のスクリーンタイムが子どもたちのメンタルヘルスにも影響することを周知し、必要に応じて心療内科や精神科への紹介を行うことで、より適切な介入を行うことができると考えました。

投稿者: 大橋医院

2025.02.01更新

<核エネルギーを平和利用に>  被爆者2世 大橋信昭
2023年度の地球上に存在する核弾頭の総数は12,520です。保有国は、米国、ロシア、フランス、英国、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9か国です。いや、2025年度では、核保有国はさらに増大しようとしているはずです。アインシュタインに聞いてみたいのですが、この核エネルギーは、無限に広がる産業社会に、石炭や石油では、補給不足で、世界の環境保全を考えても、必要になってしまったのですか?決して、ダイナマイトから続く、進歩していく戦争の兵器になってはいけないのです。
 紀元前、人間が文明生活を始めてから、世界で戦争がどこの地域にも、一瞬たりとも無くなったときはありません。地球儀を見てください。ユーラシア大陸、アメリカ大陸、オーストラリア、アフリカ、日本を含めてニュージーランド、アフリカ諸国、太平洋、大西洋に浮かぶ離島を、観察してみると、無限の民族が狭い地球にひしめき合い、言語は異なり、宗教も複雑で、争いは絶えたことはありません。どうして、この惑星は、多民族でもいいから、単一言語で、争いのない日々にならないのでしょうか?胸が痛みます。
 私のいとこは被爆者2世です。彼の母は17歳の1945年8月9日は、爆心地に近い、今は平和公園がありますが、その近くの防空壕の一番深いところで友達とトランプ遊びをしていました。防空警報が鳴ってから、かなりの時間がたち、一緒にいた町内の成人の人達は、もう外に出て、姿を見せません。安心して友達と防空壕から外へ出ました。そこには衝撃的な世界が広がっていました。景色はすっかり変化してしまい、近所の人達は、はるか遠くへ飛ばされた様子で、恐怖心で反射的にが郊外、田舎、島原が思い立ち、一目散で走り続けました。必死で避難しようとしても、死体の山です。その下の中から手が出て足をつかまれ、瀕死の人が「水をください!」こんな時は平常心ではいられません。足を振り切り、島原へ一直線です。アメリカ軍が上陸するという流言が聞こえ、女は強姦されると、泣き叫ぶ人がいました。彼女を含め女性たちは、髪の毛を道端で見つけたハサミでできるだけ、坊主頭にし、二日かけて、飲まず食わずでしたが、ともかく近くの優しそうなお百姓さんの家に飛び込み一か月かくまってもらったのです。お百姓さんに充分お礼を述べ、長崎へ帰っていったのです。目についた長崎は、壊滅、焼け野原で、家族の一人と偶然、一週間後逢うことができました。家族は離散状態でしたし、実家は焼けてしまい長男は箪笥の下敷きになり、犠牲になるところを、残った家族は見ていましたが、彼女の兄は「俺のことにかまわずに早く逃げろ!」と怒鳴りました。心を鬼にして逃げるしかなく、残った家族は兄弟姉妹9人、夫婦のうち半分以下ということです。お爺さんも犠牲者です。残った家族で再建、生活をいていくしかありません。原爆の悲惨さは霧がありませんが、いとこのことを述べさせてもらいます。
彼の母は17歳で被爆し、卵巣、卵子のDNAにかなりの変異を受けているはずです。その証拠に彼と妹は、心房中隔欠損症であることが後でわかりました。この病気は、心房中隔に穴が開き、動脈と静脈が交じり合う病気で、放置すれば、アイゼンメンジャー症候群といって、肺高血圧、心不全、不整脈で早死にします。運よく、病気が見つかり昭和53年に妹が、55年に彼が心房中隔の穴をふさぎ、動脈と静脈の交わりを無くしました。東海地方では名古屋大学附属病院第一外科しか手術しているところはなく、手術は成功し、やがて令和5年になっています。奇形は心臓だけではなく、脊椎、鼻中隔、外耳道にもあり、何とか克服し、彼は医師として、開業医として、自分の苦しかった闘病生活を克服し、逆に、患者さんの治療に全力投球しています。悲しいかな、妹は3年前に突然死しました。彼息子は心室中隔欠損症があり、、孫たちも肺静脈還流異常症です。彼の家族の恥を公表するのは原子爆弾が、傷痍爆弾やライフル銃による貫通創ではなく、被災者一代で解決することではなく、その被害は孫の代々迄続行することです。極めて悪質な兵器です。1945年の広島、長崎の爆弾と違い、2025年の核爆弾は一発地球に投下したら、全人類が消滅するかもしれません。それぐらい核兵器は恐怖を増し強力になっています。それをいいことに、核保有国は、自国を守る、他国を脅かすことを公言していますが、核爆弾を敵国に投下したら、自国も地球全体が廃墟になってしまうのです。それを知りながら、ロシアのプーチンの発言は狂気です。核爆弾を2発も投下されたのは日本だけです。その悲惨さを日本は世界一知っています。GHQから強制された憲法を戦後80年も変えないのは世界では日本だけです。世界から核兵器を戦争の道具じゃなくて、平和に利用するように、何故おとなしくしているのですか?今も被爆者は日本に何千万人とこれから生まれる被爆者の怖さも含めて、声を大にして、実際に行動すべきです。政府に任せているだけでいいでしょうか?何か、世界を真剣に改心させる、行動させる方法を考え、日本は戦うべきではないですか!言葉にも限界があります。頑張らねばいけません!(完)

投稿者: 大橋医院

2025.01.29更新

<ご先祖様 ありがとうございます。> 巳年 大橋信昭
 私は毎日、仕事が終わると、今日の診療が無事に終了し、事故もなく、患者さんからの感謝の言葉も頂き、これはご先祖様のおかげであると、仏壇に毎日、お祈りをして、お礼申し上げます。
週末の土曜日になると、お墓に線香をつけ、この1っ週間が無事であったことを感謝します。頭を垂れ、両手を合わせ感謝申し上げます。これからご先祖様が助けていただいたとしか考えられない五つの事例を書写します。是非ご購読ください。
1) ある日の午前2時頃のことでございます。私は深く眠っていたのでございますが、突然“起きろ、玄関へ行け”と命令が聞こえたのでございます。玄関へ行きますと、外から人相の悪い大男が、鑢で窓ガラスを破壊しようとしていたのです。玄関から外来に入り、室内を物色し、金品を略奪しようとしていたに違いありません。ところが、その盗賊は私と視線が合致しますと、驚いて大橋医院の西に、仲間が車にエンジンをかけて待機しておりまして、慌てて飛び乗り、二人の強盗は北へ逃走したのです。もし、玄関がこじ開けられていたら、私と家内はその盗賊の持っていた凶器により、命を奪われ、院内にある金品を略奪されていたでしょう。まず、何故、深夜の2時に、私を起してくださり、玄関まで移動し、盗賊と視線が合い、盗賊はしかも中に押し入るどころか、一目散に逃走したのでございます。私共、命も助かり、何の被害もなく、警察に電話しましたが、「お気を付けください!」との一言でした。それにしても、どなたが私たち家族を助けてくださったのでしょう?深夜2時に起こしてくださったのは、ご先祖様に間違いありません。ご先祖様、ありがとうございました。
2) 私にも初孫ができたことを長女が、当院すなわち実家に帰ったときに告白したのでございます。これはうれしいことでございます。予定日は8月10日、とても待ちどうしいことです。やがて、早いもので歳月が流れ、出産が近づきますと、当院の近くで、名医の産婦人科医に出産を御願いしました。無事安産、母子ともに健康を祈るのみでございます。やがて8月10日がやってまいりました。私はしっかり熟睡しておりましたが、早朝3時頃、何となく長女が出産を予定しておりました産院へ、何気なく出向いたのです。次女がちょうど玄関におりまして「パパ、今日子(長女)ちゃん、女の子を今、出産したのよ!」と、とても興奮しておりました。私も出産時間がわかっていたように産院へ赴いたのです。生まれたばかりの初孫の長女を拝めました。不思議ですね?何故、そんなにタイミングよく産院へ行けたのでしょう?これもご先祖様のおかげです。ありがとうございます。
3) ある日曜日の初冬の流感が暴れていた時です。チャイムが鳴り、急患です。単行本を読んでいただけなので、診察することにしました。「どうしました?」と私が尋ねますと「発熱、咳、痰、のどが痛く、寒気がする」といいました。私は、インフルエンザとコロナでないことを確認し、感冒の治療に専念しようとしました。ところがです。どうしてでしょう?何となく、超音波装置を取り出し、肝臓の検査を始めたのです。私には何故だかわかりません。腹部の右季肋部を露出して、ゼリーを塗り肝臓の精査をはじめました。なんと!直径3cm大の腫瘍があるではありませんか!不思議ですね。私は、素早く感冒の治療を済ませ、患者さんに、肝臓に腫瘤があるから大垣市市民病院の消化器内科に紹介状を書いておくから早々に、診察を受けなさいと言いました。早期の肝臓がんでしたから大垣市民病院に治療していただき、その患者さんは今も元気です。私がその患者さんを感冒疾患のみとして帰していたらどうなっていたでしょう?どうして肝臓の精査をしたのでしょう?やはり腫瘤があり、早期発見、私を命の恩人といってくれます。これもご先祖様のおかげです。
4) 私が、名古屋市立大学医学部を受けたのは、昭和48年でした。
20倍の倍率、定員60人に1200人以上の受験生が詰めかけたのです。当時の担任の先生は「君の成績では難しいね」といいながらいやそうに内申書を書いてくれました。父親に医学部を受験することを懇願しました。父は「受かるのか?」私は「頑張ってみます。」といったら「馬鹿者!」と右頬を思いっきり殴られました。「俺は、親から一銭ももらわずに、今の商売をやっている!お前なんか、しっかり学費を俺からもらっておきながら、何故、受かりますと言わないのか!」それから人生教訓3時間、私は直立不動、いつ殴られるか分からず緊張した。受験日はやってきた。合格定員60人の所に1200人以上の受験生が詰めかけた。極めて厳しい関門である。私の受験番号は1090番、前日、父親に驚かされたので、不合格ならば殺されると思い、一睡もできなかった。しかし、初日の化学、生物、英語は何とか出来が良かった気がした。二日目は初日が寝ていないから、今日はよく寝ようと無理に風邪薬を飲みよく眠れた。二日目は国語、数学である。900点満点で、化学と生物は合計300点、国語と英語は合計300点、数学は300点である。数学は5問あった。すなわち数学は5問全正解でないと、20倍の医学部は絶対に合格しないのである。
数学以外順調であったのだが、数学のうち4問はすぐに回答できた。ところがある問題のみ、分からなかった。三角形に直線を引き、それによってできる面の数を述べよ。“三角形に引く線は1から無限大でありその直線の数をnとしたときにできる面の数の方程式を述べよ!”という問題であった。72歳の私はこれが解けないのである。18歳の時は解けたのであるが、3時間数学の回答時間のうち、2時間かかった。三角形に1本線を引けば面の数は2である。ところが三角形に2本、3本、4本、、、、20本、、、無限大に線を引くと面の数はどうなるのか?これには降参直前であった。あてられた用紙に目いっぱい三角形を書いて頭を抱えた。すると、どこからか、“数学的帰納法”というようなこだまのような音が響いた。なるほど,すぐに解けた。まず数学は満点であろう。この数学的帰納法をささやいてくださったのはご先祖だ!ご先祖様ありがとう!試験は終わった。あとは合格を待つのみである。しかし、この名古屋市立大学医学部の合格発表は、深夜0時なのである。私は、発表を見に行く勇気がなく母に見に行ってもらった。合格なら電話するが、不合格なら電話しないとの約束であった。深夜0時が過ぎても電話はかからない。30分、1時間、かからない、、あー不合格か?しかし、深夜2時に母は帰宅し「合格よ」と私の家は幸福に包まれた。これもご先祖様のおかげです。ありがとう。
5) 私が大垣市立東中学校の校医になり30年近くなるが、初めて校長室で、先輩の校医達とお話ができたのは平成7年ごろかも知れない。僕は先輩の校医達に「これだけの大勢の生徒の心雑音を聴取するのは大変ですね!」と聞いたら、ある先輩は「小生はもう厚意を40年やっているが、心雑音など聞いたことがない!」と不機嫌になられた。この医学の世界に心雑音は存在しないみたいな発言だ!いちばんやさしそうな先輩の校医に聞いてみると、皆さん、元軍医で、大東亜戦争の末期、敗戦近い日本に、戦場で間に合う医師を急いで育成し、主に戦場での外傷を素早く処置できる医師を多数育成し、戦地に送り込んだそうだ。2年間の専門教育で学問など後回しであったそうだ。これは大変だ!先天性心疾患、弁膜症は見逃されているに違いない。今、生きている東中学校の先輩の聴診を全員することは不可能であるから、養護教員とも相談し、心臓症状のある人は、私は時間、曜日問わず、コツコツと聴診を真剣に、超音波検査も兼ね合わせて、2年間、思いっきりやってみた。やはり、出てきた。心房中隔欠損症、心室中核欠損症、動脈管開存症、肺静脈還流異常症、大動脈二尖弁、大動脈狭窄症、大動脈閉鎖不全、心筋症、などきりがない心疾患が見逃され、高校、大学、社会人入社検診で見逃されていることが分かった。私は、考えに考え、親しい人を頼って、病気の説明、手術の必要性を理解して受けてくれる人をできるだけ努力した。大垣市民病院の循環器スタッフと協力しながら、手術を受けてくれる人が増大していった。手術しなければ肺高血圧からアイゼンメンジャー症候群、在宅酸素療法を受けても、内科的治療では短命になってしまう。私は嫁入り前のお嬢さんから泣きつかれたり、どうしても俺の息子が手術を受けねばいけないのかと怒鳴られたりした。紆余曲折があったが、多くの憎しみを受けたが、今、手術を受けた人は、長生きをして普通の生活やスポーツまでして日常生活を楽しんでおられる。これからも聴診と心臓の診察は命がけだ。手術しなければ個人差あるが20代から心不全症状が始まり、短命かなのだが、根治的手術さえ受ければ今は100歳近く生きられる。手技も発達し、カテーテル、人工弁膜など、手術なしで治る方法が急速に発達している。私もがんばらねばいけない。私が循環器を選択したのも、多くの患者さんを助けることができたのもご先祖様のおかげである。
ご先祖様、ありがとう。今日も仏壇に手を合わせ、週末にはお墓に行き、ご先祖様にお礼を言おう!(完)

投稿者: 大橋医院

2025.01.21更新

インフルエンザが、今、世界中を暴れまくり、大流行、大パンデミーとなっています。

肺炎になり、入院する人、動けなくなる人、

感性性が強いため、他の人に移すため、本人は自宅で5日間は、独房入りです!

会社、学校、サークル、町内に大感染を起したら犯罪物です。

しかし、安心してください。インフルエンザからくる発熱、関節痛、食欲不振など様々な症状が「”2”日」出治ります。

それは、イナビルの吸入液です。この粉を肺までしっかり吸い込めば、感染後、二日で、ケロリ、治った錯覚になります。

楽です。  しかし、感染後、解熱後、二日間は自宅安静です。

治った気持ちですが、感染性はまだ残ります。もう少しの辛抱!しかし、症状が大変な速度で減少するのは夢見たいです。

岐阜県大垣市伝馬町104-1 大橋医院 院長 大橋信昭

投稿者: 大橋医院

2025.01.21更新

加齢黄斑変性
原因・病態
■はじめに
 加齢黄斑変性は、加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。加齢黄斑変性は一般には馴染みの薄い病名かもしれませんが、欧米では成人の失明原因の第1位で珍しくない病気です。日本では比較的少ないと考えられていましたが、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。50歳以上の人の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられます。比較的最近まで治療法がなかったのですが、最近いくつかの治療法が新たに開発されて、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになってきました。

■黄斑とは
 網膜はカメラのフィルムに相当し、外からの光が瞳(瞳孔)、レンズ(水晶体)や目の中央部(硝子体)を通り、網膜に当たり光を感じます。網膜で光が電気信号に変換され脳に伝えられ「見える」のです(図1)。黄斑とは網膜の中心にある直径1.5mm~2mm程度の小さな部分の名称で、黄斑の中心は中心窩と呼ばれ、見ているところ(固視点)からの光が当たる部位です(図2)。黄斑にはキサントフィルという色素が豊富にあるために黄色をしています。カメラのフィルムと網膜では大きく異なることがあります。カメラのフィルムではどの部分でもよく写りますが、網膜は中心(黄斑)では大変良い視力が得られますが、それ以外のところでは正常の目でも十分良い視力は得られません。したがって、黄斑は大変小さな部分ですが、黄斑が障害されるとそれ以外に網膜に異常がなくても視力が著しく低下し、運転免許を更新したり、字を読むことができなくなったりします。網膜の下には網膜色素上皮という一層の細胞があり、その下に脈絡膜という血管に富んだ組織があります(図3)。網膜が正しく働くためには網膜の下にある網膜色素上皮やその下にある脈絡膜が正しく働く必要があります。

図1.目の構造


図2.黄斑と中心窩

(滋賀医科大学眼科 大路正人教授提供)

図3.網膜周辺部の構造

 

■加齢黄斑変性とは
 年齢を重ねるとともに網膜色素上皮の下に老廃物が蓄積してきます。それにより直接あるいは間接的に黄斑部が障害される病気が加齢黄斑変性です。


■加齢黄斑変性の分類
 加齢黄斑変性には大きく分けると萎縮型と滲出型の2つの種類があります。萎縮型は網膜色素上皮が徐々に萎縮していき、網膜が障害され視力が徐々に低下していく病気です(図4)。
 滲出型は異常な血管(脈絡膜新生血管)が脈絡膜から網膜色素上皮の下あるいは網膜と網膜色素上皮の間に侵入して網膜が障害される病気です(図5)。異常な血管は正常の血管と異なり血液の成分を漏出させたり、血管が破れたりします。血液成分が漏出すると網膜がむくんだり(網膜浮腫)、網膜下に液体が溜まります(網膜下液)。そのために網膜が正しく働かなくなり視力が低下します。血管が破れると出血となり網膜を障害します。

図4.眼底写真でみる網膜の萎縮巣

(滋賀医科大学眼科 大路正人教授提供)

図5.眼底写真でみる網膜の出血

(横浜市立大学医学研究科医科学視覚再生外科学 門之園一明教授提供)

■加齢黄斑変性の症状
(1)変視症
 網膜の腫れや網膜の下に液体が溜まると網膜がゆがみます。ゆがんだフィルムで写すとゆがんで写るように、ゆがんだ網膜で見るとものがゆがんで見えます。黄斑部は障害されますが、周辺部は障害されていませんので、中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えます(図6)。

図6.加齢黄斑変性の症状(中心部のゆがみ)


2)視力低下、中心暗点
 さらに黄斑部の網膜が障害されると、真ん中が見えなくなり(中心暗点)、視力が低下します(図7)。視力低下が進行すると運転免許の更新や字を読んだりすることができなくなります。通常、視力低下は徐々に進行し、治療をしなければ多くの患者さんで視力が0.1以下になります。網膜下に大きな出血が起こると突然、著しい視力低下が起こることがあります。萎縮型と滲出型を比べると、滲出型のほうが進行が早く、視力の悪化も重症なことが多いです。

図7.加齢黄斑変性の症状(中心部のゆがみと中心暗点)


(3)色覚異常
 症状が進んでくると色が分からなくなってきます。

■加齢黄斑変性の検査
 加齢黄斑変性を正しく診断するためには、眼底検査や造影検査などの詳しい検査が必要です。
(1)視力検査
 他の目の病気と同様に視力検査は重要な検査です。加齢黄斑変性では視力低下が起こります(図8)。

図8.視力検査


(2)アムスラー検査
 碁盤の目のような(方眼紙のような)図を見てもらい、格子のゆがみを調べる検査です。変視症を早くから検出することができます。簡便な検査ですので、自宅でもできます(片眼ずつ検査する必要があります)(図9)。

図9.アムスラー検査


(3)眼底検査
 眼科医が網膜の状態を詳しく観察する検査です。網膜の状態が詳しく分かり、出血や新生血管が分かります。記録のために眼底カメラで眼底写真に保存することがあります(図4、5)。
(4)造影検査
 蛍光色素を含んだ造影剤を腕の血管から注射して、眼底の写真や動画を撮影する検査です。フルオレセイン造影検査とインドシアニングリーン造影検査の2種類の検査があります。新生血管の位置やタイプ、広がり、血管からの水分のもれ具合などがわかります(図10)。

図10.滲出型加齢黄斑変性の眼底造影検査(フルオレセイン造影検査)

(横浜市立大学医学研究科医科学視覚再生外科学 門之園一明教授提供)

5)光干渉断層計 (optical coherence tomography : OCT)
 網膜の層構造を断面的に詳しく観察する検査です。新生血管の性状や網膜のむくみの程度などを立体的に把握し、評価することができます。短時間で検査ができ、造影剤を使わないので患者さんに負担が少ない検査であり、頻回に検査を行うことができます(図11)。

図11.光干渉断層計


(横浜市立大学医学研究科医科学視覚再生外科学 門之園一明教授提供)

■加齢黄斑変性の治療
1)萎縮型の加齢黄斑変性
 残念ながら萎縮型の加齢黄斑変性には現在のところ治療方法はありません。
2)滲出型の加齢黄斑変性
 滲出型の加齢黄斑変性にはいくつかの治療法があります。治療の目的は脈絡膜新生血管の拡大を抑え退縮させ、視力を維持あるいは改善することです。視力が良くなることもありますが、視力が正常になることはほとんどありません。
(1)薬物治療
 脈絡膜新生血管の発生には血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)が関係していると考えられており、VEGFを阻害することにより脈絡膜新生血管を退縮させる治療法です(図12)。現在認可されているVEGF阻害薬にはルセンティス®、アイリーア®、ベオビュ

投稿者: 大橋医院

2025.01.16更新

プラセンタ(メルスモン)注射
プラセンタとは
プラセンタとは「胎盤(たいばん)」のことです。胎盤は赤ちゃんのへその緒とつながっていて、栄養や酸素を赤ちゃんに届け、赤ちゃんを育てる役割を持っています。胎盤には細胞を育て、活性化させるたくさんの成長因子(タンパク質やアミノ酸、核酸、ビタミンなど)の栄養素がたいへん豊富に詰まっています。

プラセンタエキスとはヒトの胎盤から抽出されたエキスの有効成分のことです。このプラセンタエキスを注射することにより、プラセンタが体内にとりこまれ、美容や疲れなどに効果を発揮するといわれています。

医療用に使われているプラセンタ注射薬は、メルスモンをとラエンネックの2つの製剤が厚生労働省で医薬品として認可されています。いずれも日本国内の産婦人科で健康な母親から正常分娩で生まれた胎盤を使用して作られたものです。 ちなみに当院ではメルスモンを使用します。

更年期障害について
女性の40歳代は、女性ホルモンの分泌低下に伴い、ほてりやイライラ、のぼせ、不眠など何となくこれまでにない体調の変化を感じることが多くなります。これらの症状に合わせ、個人差はありますが排尿障害や性交障害、骨粗鬆症など女性特有の症状や変化が現れてくることがあります。

更年期とは閉経をはさんで前後10年のことを指します。標準的にはおおよそ45歳~55歳くらいが更年期ということになりますがもちろん個人差がありますし、症状もそれぞれです。

更年期障害の症状
更年期障害の症状は人それぞれ、そして個人差もあります。下記は参考までです。何かしら当てはまるものがあるかもしれませんね。

顔がほてる
汗をかきやすい
腰や手足が冷えやすい
息切れ、動悸がする
寝つきが悪い、または眠りが浅い
怒りやすく、すぐイライラする
くよくよしたり、憂うつになることがある
頭痛、めまい、吐き気がよくある
疲れやすい
肩こり、腰痛、手足の痛みがある
プラセンタ療法
ヒト胎盤ホルモン=プラセンタは、肝炎や更年期障害の治療薬として厚生労働省から認可されているお薬です。定期的に注射することでこれらの病気に対して治療効果を期待することができます。

また、病気の治療以外にも、疲労の回復や自己免疫疾患・アレルギー疾患の改善、美肌・アンチエイジングなどの美容効果が認められているため、広く活用されています。

プラセンタの働きとして、次のようなものが報告、確認されています。

免疫賦活作用:病気に対する抵抗力を高める
活性酸素除去作用:活性酸素を除去し、老化を防ぐ
強肝・解毒作用:肝臓の働きを強化する
妊婦の乳汁分泌促進作用:妊婦の乳汁分泌を促進する
抗アレルギー作用:アレルギーを抑える
疲労回復作用:疲労の回復を促す
美肌促進作用:シミ、シワ、ニキビを抑え、美白を促す
また、プラセンタは以下のような部位、症状、分野で効果が確認され、活用されています。

肝臓:脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎、ウイルス性肝炎
胃腸:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃下垂、便秘、貧血、糖尿病
婦人科:更年期障害、生理痛、生理不順、冷え性、月経不順
整形外科:関節痛、腰痛、肩こり
アレルギー科:花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎
神経科:不眠症、自律神経失調症、頭痛
その他:免疫力減退、リウマチ、膠原病、放射線障害、風邪、癌、精力減退 視力減退、視野狭窄、白目の濁り、嗅覚減退、味覚減退、耳鳴り、頭痛、アルツハイマー
美容:美白、美肌、シミ、シワ、たるみ
上記のほかにもさまざまな効果効能が報告、確認されています。

保険適用となるプラセンタ療法(メルスモン注射)
病気の治療として更年期障害の場合、現行で年齢45歳~59歳の女性の方については保険適応になりますので、費用は普通の治療と同じように保険の範囲内で行います。
プラセンタが保険適用となる病名は限られていますので、厚生労働省が認可した病名の方以外は保険でプラセンタ療法を受けることができません。

費用

投稿者: 大橋医院

2025.01.16更新

糖尿病性足潰瘍の病態と治療
糖尿病性足潰瘍の病態は、大きく以下の3つに分けられます。

①感染

 糖尿病による代謝障害により、感染防御に関わる機能が低下するため易感染性となります。また神経障害により感染による痛みを感じにくく、重症な感染症に至りやすくなります。熱が出た・足が臭うなどの症状が出るまで赤く腫れ上がった足に気づかない方も少なくありません。治療としては、感染した組織を取り除く外科的治療(デブリードマン)と抗菌薬の投与です。急性の感染症の場合は緊急性があり、時にガス壊疽など生命に関わる重症感染症を引き起こします。慢性に骨髄炎などの深部感染症を呈することもあり、この場合手術による切除以外の根本的な治癒は困難です。慢性感染症でもフォロー中に急性の経過となり、急を要することがあります。踵骨・足関節より上の壊疽や骨髄炎・重症感染症に至ると、下肢での切断を余儀なくされることがあります。

②神経障害

 糖尿病の三大合併症のひとつが神経障害です。糖尿病の発症から10~15年で、糖尿病に罹患した患者さんの半数近くが末梢神経障害を併発するといわれています。知覚神経障害では足の感覚鈍麻やしびれ・こむら返りが生じます。自律神経障害では発汗が減少し、皮膚が乾燥して荒れやすくなります。神経は血管の調節も担っているので、血流の低下も招きます。これらの原因が相まって、クロウトウ・ハンマートウ・外反母趾や内反小趾・シャルコー変形など足趾や足の変形を来たし、骨突出部に圧がかかることでタコができやすくなります。感覚障害があるため、このタコから容易に骨に至るようなきずになります。治療としては、適切なインソール(中敷き)を用いて免荷し、タコは医療者によって適宜削ります。趾がぶつかり合ってしまう場合はフォームや綿花を挟んで食い込みの圧を和らげます。タコの下にきずができた場合はすぐにタコを削ってきずを開放し、感染が広がるのを防ぐ必要があります。シャルコー変形の急性期ではギプス固定し足の免荷を図ります。感覚鈍麻により、感染や骨折が知らないうちに進行する可能性に常に注意しなければなりません。

③虚血

 主幹動脈の動脈硬化・石灰化病変や微小血管障害が原因となります。知覚障害のない患者では、虚血による著しい疼痛や歩行時の痛みによって潰瘍・壊疽に至る前に末梢動脈疾患に気づきますが、糖尿病患者さんでは突然足趾が壊死して気づかれることがあります。治療としては血行再建が必要です。循環器内科で行う血管内治療(カテーテル治療)は近年飛躍的な進化を遂げ、従来治療が困難だった病変への安全な治療や再発を抑えるような機器が使用可能となっています。侵襲は比較的低く局所麻酔で行えますが、膝下病変の場合7割が3ヶ月で再狭窄すると言われており、長期開存は得にくい治療です。血行再建術の後、軟膏治療や傷を閉じる手術を行います。

糖尿病性足潰瘍の病態

足切断の可能性
<治療の方向性を決める分類>

 切断に至る可能性がある足虚血の分類は以前からありました。しかし糖尿病を基礎疾患にもつ虚血患者さんが増加し、従来の痛みや壊疽のみで判断する単純な虚血の分類では不十分になってきました。また前述のように虚血が高度でなくても感染で切断に至る例も多く、虚血のみで定義された分類では自然予後が悪い方を特定しきれませんでした。そこで2014年にアメリカ血管外科学会できずの広がりと感染の状況を考慮し提唱されたのがWIfI分類です。

WIfI分類

 この3つの分類を組み合わせることで、診断1年後の大切断率・血行再建の必要性が5つの臨床ステージに分類されます。治療の方針の決定や予後について評価しやすくなりました。

足や体を守る外来
 足は私たちの生活を支える重要な存在であり、第2の心臓と言われているほどです。というのも、足を使って歩くことで下半身の筋肉を収縮させ、ポンプのように全身の血液をめぐらせているからです。その機能が十分に働かないと、血のめぐりが悪くなり、様々な問題を引き起こします。だからこそしっかりとしたケアが必要となるのですが、ついついなまけがちになってしまいます。手が届きにくかったり、良く見えなかったり、爪が厚く硬すぎたり、などなど、なんとなくそのままにしてしまい、悪化することが多々あります。
 糖尿病、閉塞性動脈硬化症(ASO)などの病気や血液透析患者さんが増加している現在、20秒から30秒に1本のペースで足が切断されているほど深刻な状況です。アメリカには「足病医」という足を専門に治療する医師がいるのですが、日本には足を専門にしているドクターがかなり少数です。したがって、いざ足に変化を感じても、「何科を受診すればいいのか」「どのタイミングで受診すればいいのか」などわかりにくいのが現状です。したがって当院では、足潰瘍に対する「予防」「啓蒙」「治療」「再発予防」を行う目的で、【足みまもり外来】を整備しました。

フットケアや足に関する専門医との協力

【予防】
潰瘍を起こさないようにする足を管理する、看護師主体のフットケア

【皮膚のコンディション】
水虫の感染や皮膚の乾燥などの皮膚トラブルを解決する、皮膚科

【糖尿病】
合併している糖尿病を治療する、糖尿病内科

【血管】
足に血流が不足している場合に血管治療を行う、循環器内科
透析管理が必要な場合に担当する、腎臓内科
血管のバイパス手術を行う、心臓血管外科

【潰瘍】
潰瘍の治療を行う、形成外科

【再発予防】
足の形にあった靴や装具、義肢・装具

足をみまもる専門職「オブリゲーター」
 我々は、これらのチームを統括し、足の治療にオブリゲーション(責任)を持って担当する医師を、オブリゲーターと呼んでおります。オブリゲーターは状態の評価(血流の評価、感染の有無、神経障害の有無、静脈うっ血の有無)、他科との連携の指揮、傷の治療を行い、治療全体に責任を持って統括し、足をしっかりと「みまもり」ます。

診察、検査、治療、手術

 下肢の切断を回避することは、生命予後をも改善します。人生の最後まで、しっかりと自分の足で歩くために、足から全身を診ることが重要です。足の障害を予防し、いつまでもご自身の足を健康に保てるよう、チームでみまもります。

(初診希望の患者さんは、毎週木曜日の午後2時から3時の間に形成外科外来にお越しください。予約は不要ですが、通院中の病院の紹介状やレントゲン写真などがございましたら、ご持参ください。)

糖尿病性足潰瘍

 

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「足みまもり外来」の外来担当表はこちら

投稿者: 大橋医院

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