2025.01.16更新

糖尿病性足潰瘍の病態と治療
糖尿病性足潰瘍の病態は、大きく以下の3つに分けられます。

①感染

 糖尿病による代謝障害により、感染防御に関わる機能が低下するため易感染性となります。また神経障害により感染による痛みを感じにくく、重症な感染症に至りやすくなります。熱が出た・足が臭うなどの症状が出るまで赤く腫れ上がった足に気づかない方も少なくありません。治療としては、感染した組織を取り除く外科的治療(デブリードマン)と抗菌薬の投与です。急性の感染症の場合は緊急性があり、時にガス壊疽など生命に関わる重症感染症を引き起こします。慢性に骨髄炎などの深部感染症を呈することもあり、この場合手術による切除以外の根本的な治癒は困難です。慢性感染症でもフォロー中に急性の経過となり、急を要することがあります。踵骨・足関節より上の壊疽や骨髄炎・重症感染症に至ると、下肢での切断を余儀なくされることがあります。

②神経障害

 糖尿病の三大合併症のひとつが神経障害です。糖尿病の発症から10~15年で、糖尿病に罹患した患者さんの半数近くが末梢神経障害を併発するといわれています。知覚神経障害では足の感覚鈍麻やしびれ・こむら返りが生じます。自律神経障害では発汗が減少し、皮膚が乾燥して荒れやすくなります。神経は血管の調節も担っているので、血流の低下も招きます。これらの原因が相まって、クロウトウ・ハンマートウ・外反母趾や内反小趾・シャルコー変形など足趾や足の変形を来たし、骨突出部に圧がかかることでタコができやすくなります。感覚障害があるため、このタコから容易に骨に至るようなきずになります。治療としては、適切なインソール(中敷き)を用いて免荷し、タコは医療者によって適宜削ります。趾がぶつかり合ってしまう場合はフォームや綿花を挟んで食い込みの圧を和らげます。タコの下にきずができた場合はすぐにタコを削ってきずを開放し、感染が広がるのを防ぐ必要があります。シャルコー変形の急性期ではギプス固定し足の免荷を図ります。感覚鈍麻により、感染や骨折が知らないうちに進行する可能性に常に注意しなければなりません。

③虚血

 主幹動脈の動脈硬化・石灰化病変や微小血管障害が原因となります。知覚障害のない患者では、虚血による著しい疼痛や歩行時の痛みによって潰瘍・壊疽に至る前に末梢動脈疾患に気づきますが、糖尿病患者さんでは突然足趾が壊死して気づかれることがあります。治療としては血行再建が必要です。循環器内科で行う血管内治療(カテーテル治療)は近年飛躍的な進化を遂げ、従来治療が困難だった病変への安全な治療や再発を抑えるような機器が使用可能となっています。侵襲は比較的低く局所麻酔で行えますが、膝下病変の場合7割が3ヶ月で再狭窄すると言われており、長期開存は得にくい治療です。血行再建術の後、軟膏治療や傷を閉じる手術を行います。

糖尿病性足潰瘍の病態

足切断の可能性
<治療の方向性を決める分類>

 切断に至る可能性がある足虚血の分類は以前からありました。しかし糖尿病を基礎疾患にもつ虚血患者さんが増加し、従来の痛みや壊疽のみで判断する単純な虚血の分類では不十分になってきました。また前述のように虚血が高度でなくても感染で切断に至る例も多く、虚血のみで定義された分類では自然予後が悪い方を特定しきれませんでした。そこで2014年にアメリカ血管外科学会できずの広がりと感染の状況を考慮し提唱されたのがWIfI分類です。

WIfI分類

 この3つの分類を組み合わせることで、診断1年後の大切断率・血行再建の必要性が5つの臨床ステージに分類されます。治療の方針の決定や予後について評価しやすくなりました。

足や体を守る外来
 足は私たちの生活を支える重要な存在であり、第2の心臓と言われているほどです。というのも、足を使って歩くことで下半身の筋肉を収縮させ、ポンプのように全身の血液をめぐらせているからです。その機能が十分に働かないと、血のめぐりが悪くなり、様々な問題を引き起こします。だからこそしっかりとしたケアが必要となるのですが、ついついなまけがちになってしまいます。手が届きにくかったり、良く見えなかったり、爪が厚く硬すぎたり、などなど、なんとなくそのままにしてしまい、悪化することが多々あります。
 糖尿病、閉塞性動脈硬化症(ASO)などの病気や血液透析患者さんが増加している現在、20秒から30秒に1本のペースで足が切断されているほど深刻な状況です。アメリカには「足病医」という足を専門に治療する医師がいるのですが、日本には足を専門にしているドクターがかなり少数です。したがって、いざ足に変化を感じても、「何科を受診すればいいのか」「どのタイミングで受診すればいいのか」などわかりにくいのが現状です。したがって当院では、足潰瘍に対する「予防」「啓蒙」「治療」「再発予防」を行う目的で、【足みまもり外来】を整備しました。

フットケアや足に関する専門医との協力

【予防】
潰瘍を起こさないようにする足を管理する、看護師主体のフットケア

【皮膚のコンディション】
水虫の感染や皮膚の乾燥などの皮膚トラブルを解決する、皮膚科

【糖尿病】
合併している糖尿病を治療する、糖尿病内科

【血管】
足に血流が不足している場合に血管治療を行う、循環器内科
透析管理が必要な場合に担当する、腎臓内科
血管のバイパス手術を行う、心臓血管外科

【潰瘍】
潰瘍の治療を行う、形成外科

【再発予防】
足の形にあった靴や装具、義肢・装具

足をみまもる専門職「オブリゲーター」
 我々は、これらのチームを統括し、足の治療にオブリゲーション(責任)を持って担当する医師を、オブリゲーターと呼んでおります。オブリゲーターは状態の評価(血流の評価、感染の有無、神経障害の有無、静脈うっ血の有無)、他科との連携の指揮、傷の治療を行い、治療全体に責任を持って統括し、足をしっかりと「みまもり」ます。

診察、検査、治療、手術

 下肢の切断を回避することは、生命予後をも改善します。人生の最後まで、しっかりと自分の足で歩くために、足から全身を診ることが重要です。足の障害を予防し、いつまでもご自身の足を健康に保てるよう、チームでみまもります。

(初診希望の患者さんは、毎週木曜日の午後2時から3時の間に形成外科外来にお越しください。予約は不要ですが、通院中の病院の紹介状やレントゲン写真などがございましたら、ご持参ください。)

糖尿病性足潰瘍

 

「足潰瘍治療チーム」の説明はこちら
「足みまもり外来」の外来担当表はこちら

投稿者: 大橋医院

2025.01.12更新

1月12日、13日の風邪,インフルエンザ、コロナでお困りの方は、

岐阜県大垣市の伝馬町104-1の大橋医院の院長、大橋信昭を訪ねてください。

診察しましょう!

シャッターが閉まっていても大丈夫、

チャイムを鳴らすか,0584-78-5305、09025737850に電話してください。

投稿者: 大橋医院

2025.01.04更新

急患センターで、大垣市民病院救急外来で断られた人へ!

コロナ、インフルエンザ、感冒がもう流行しています。

大橋医院の院長 大橋信昭はいつでも診察しますので、お気軽にお電話ください。

0584785305、 09025737850

投稿者: 大橋医院

2025.01.04更新

風邪が流行っているね。いつでも診察しますよ!

院長の大橋信昭は診療所にいますので、気軽に、病気でお困りの方は

お越しください。

0584-78-5305、09025737850

岐阜県大垣市大橋医院 院長 大橋信昭

投稿者: 大橋医院

2025.01.01更新

今、インフルエンザAが大流行しています。

ご心配な方は、大橋医院まで連絡してください。

シャッターが閉まっていても、チャイムを鳴らすか、

0584-78-5305、09025737850までご連絡を!

保険証とお名前を言ってください。診察、治療します。

投稿者: 大橋医院

2024.12.25更新

<生活習慣病>
生活習慣病とは、食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が、その発症や進行に関与する病気のことを指します。生活習慣病には、主に以下のような病気があり、日本人の健康に大きく影響するものが多いです。
• 糖尿病
• 脂質異常症
• 高血圧
• 大腸がんや肺がんなどに代表されるがん
• 脳卒中
• 心臓病 など
生活習慣病には予後不良のものも多いため、予防が重要といえます。
原因
生活習慣病の発症は、その名前からも示唆されるように「日々の生活習慣」が深く関係しています。具体的には、食習慣や運動習慣・休養・喫煙・飲酒などです。たとえば、カロリーの過剰摂取は糖尿病につながります。また、睡眠が十分に取れていない状況では高血圧につながる可能性があります。
しかし、これらの要因が一対一対応で糖尿病や高血圧などの病気につながるわけでなく、生活習慣が複合的に組み合わさり生活習慣病が発症します。また、家系に糖尿病、高血圧の方がいらっしゃると、生活習慣病になるリスクが高くなると考えられています。
症状
生活習慣病の糖尿病や高血圧などが発症した初期の段階では、特に大きな自覚症状はありません。しかし、生活習慣病が長年持続すると、重篤な症状が生じるようになります。
たとえば、糖尿病では、目が見えなくなる・腎臓を悪くして透析が必要になる・手足の感覚がなくなるなどの状態となることがあります。また、糖尿病や高血圧などは動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。脳卒中では突然の意識障害や手足の麻痺(まひ)、言語障害などが生じることがあります。急性期に治療がうまくいった場合でも、手足の麻痺が残る・嚥下(えんげ)機能が障害を受け誤嚥性肺炎を繰り返す・寝たきりになってしまうなどの状況になることがあります。急性心筋梗塞を起こすと胸痛や意識消失などが生じます。治療が奏功せずに亡くなることや、心臓の機能が低下して心不全症状を発症しやすくなる場合もあります。
また、生活習慣病では、肺がんや大腸がんなどの悪性疾患をみることもあります。このように、生活習慣病では身体の機能を著しく低下させるものが多く、自立した健康な生活を送ることができなくなるケースもあります。
検査・診断
予防に重点が置かれる一方、早期発見も重視されています。健康診断における体重測定や血圧測定は、肥満や高血圧の発見に役立ちます。また、血液検査を通して糖尿病や高脂血症を疑われることもあります。
さらに尿検査も加えることで、腎臓の病気が指摘されることもあります。必要に応じて眼底検査が追加されることもあり、糖尿病関連の網膜疾患の早期発見に役立てられています。がんの早期発見を目的とした検査も行われます。大腸がんであれば、便検査にて便潜血の有無を確認します。胸部単純レントゲン写真を行うことで、肺がんの有無のスクリーニングがおこなわれることもあります。
治療
治療では、以下のような取り組みが重要です。
• 禁煙する
• 食生活を見直す
• 運動量を増やす など
糖尿病や高血圧と診断された場合には医療機関を受診し、血糖値・血圧値をコントロールすることが求められます。
運動面からの改善という意味では、インターバル速歩と呼ばれる方法の有効性も指摘されています。筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を交互に行うことで、筋力や持久力を向上させることができる新たなトレーニング法です。また、特別な運動器具を必要とせず、全体を通してトータル15分から取り組むことができる気軽さも大きなメリットです。
厚生労働省は、運動という考え方以外に「生活活動」という考え方を提唱し、日々の生活で積極的に取り組むことを推奨しています。生活活動とは、階段の上り下り、掃除をする、買い物に行く、重い荷物を持つなどの動きのことです。これらは日常で意識せず行っている動きですが、このような動きも健康づくりにつながります。
また、動物性脂肪の取り過ぎも生活習慣病につながります。食塩やマグネシウムなどの摂取に気をつけた食事を心がけることも重要です。

投稿者: 大橋医院

2024.12.25更新

プラセンタで更年期障害よ、さようなら!

投稿者: 大橋医院

2024.12.25更新

<美人になるための常備薬>

トランサミン、 ハイチオール、 シナール、 トコフェノール、 タチオン、 チョコラA、

投稿者: 大橋医院

2024.12.25更新

<かぜ症候群>
概要
かぜ症候群とは、ウイルスや細菌といった病原体によって引き起こされる上気道(鼻や喉)の炎症による一連の症状のことです。主な症状は鼻症状(鼻水、鼻づまり)や喉の痛みで、発熱、頭痛、全身の倦怠感(けんたいかん)に加え、炎症が下気道(気管、気管支、肺)にまで広がることで咳や痰などが見られるようになります。
かぜ症候群は全ての年代で見られるごくありふれた病気で、普段は健康であっても多くの人がかかることがあります。予後は良好で、多くは安静や栄養補給を心がけることで自然に治癒します。
原因
かぜ症候群は、患者のくしゃみなどによる飛沫に含まれるウイルスなどの病原体が鼻や喉といった上気道から感染することによって起こります。ウイルスはまず上気道の粘膜に付着し、付着部分から体内に侵入して増殖します。ウイルスが体内に入っても免疫によって排除されて発症に至らないこともあり、その人の体調や免疫力に左右されます。
かぜ症候群を引き起こす病原体は80~90%がウイルスです。頻度が高いものがライノウイルスで、ほかにコロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどがあります。ウイルス以外にも、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラといった細菌もかぜ症候群の原因となることがあります。
症状
主な症状は鼻の症状(鼻水、鼻づまり)と喉の症状(喉の痛み)で、そのほかに発熱、頭痛、倦怠感、咳、痰などの症状が現れることがあります。
症状は病原体の感染から1~3日程経ってから現れることが多く、喉の痛みや鼻の不快感から始まり、鼻水やくしゃみが出るようになります。鼻水は、出始めはさらさらとしていますが、次第にどろどろとした黄緑色に変化することが多いです。発熱はある場合とない場合がありますが、小さな子どもは熱が出やすく、38~40℃の高熱が出ることもあります。
ただし、これらの症状の出方は個人差が大きく、いつも決まった症状が見られるとは限りません。また、これらの症状はかぜ以外の病気でも見られることがあり、治療の有無にかかわらず7~10日程度で軽快しますが、咳だけ数週間残ることもあります。自然に軽快しない場合はほかの病気を疑うこともあります。
検査・診断
一般的には、症状や周りの人のかぜ症状の有無などの医師による問診と診察の内容を元に診断されます。かぜ症候群の確定診断には喉の粘膜から採取した検体から直接ウイルスの種類を確かめたり、ウイルスに対する抗体が増えているかどうかを確かめたりすることが必要になりますが、一般的な診察でこれらの検査が行われることはほとんどありません。
ただし、強い症状が見られたり、気管支炎や肺炎などの合併症が疑われたりする場合は、血液検査や胸部レントゲンなどの検査を行うこともあります。
かぜ症候群の検査・診断で重要なことは抗菌薬が必要な細菌性肺炎、溶連菌性(ようれんきんせいいんとうえん)、細菌性(さいきんせいきゅうせいふくびくうえん)などと区別することと、心筋炎やや髄膜炎などかぜ症候群と似ている症状で重篤になる可能性のあるものを見落とさないことです。
治療
かぜ症候群の原因がウイルスの場合は、安静や水分・栄養補給を心がけることで自然に治癒します。症状を和らげるため、対症療法として解熱鎮痛剤や鼻症状を改善する薬などが使われることがありますが、抗菌薬はウイルスには効果がないため使用されません。ただし、3日以上の高熱、膿の混じった痰や鼻水、扁桃(へんとう)の腫れなどが見られる場合は細菌感染が疑われるため、抗菌薬による治療が行われることがあります。

 

投稿者: 大橋医院

2024.12.25更新

<インフルエンザ>
原因
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つの型があります。このうち、冬に流行する「季節性インフルエンザ」を引き起こす型は、A型とB型です。
インフルエンザウイルスにはさまざまな種類があるため、一度かかっても同じ年でも、違うインフルエンザウイルスに感染することがあります。インフルエンザには、季節性インフルエンザ以外にも新型インフルエンザなど、世界的な大流行を引き起こしうるものが存在します。
新型インフルエンザとは、季節性インフルエンザと抗原性が大きく異なるインフルエンザで、一般の多くの方が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により多くの方の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものを指します。
季節性インフルエンザと異なり、ほとんどの方が初めて直面するタイプであるため有効な免疫を持っていません。そのため、世界的な大流行を引き起こし、ウイルスの性質によっては死亡率も高くなる可能性があります。2009年に大流行した新型インフルエンザ(H1N1型)は、日本だけでなく世界中で猛威をふるいました。
症状
インフルエンザは咳や鼻水を介する飛沫感染によって感染し、1〜2日程度の短い潜伏期間の後に発症します。
典型的なインフルエンザは、悪寒戦慄、急激な高熱と共に発症します。同時に、筋肉痛や咳、鼻水などの上気道の症状が現れることもあります。発熱期間は3〜5日ほどであることが多く、38度以上の高熱が持続した後に解熱傾向に向かいます。
一度解熱してから再度発熱する「2峰性発熱(にほうせいはつねつ)」と呼ばれる熱型をとることもあります。2峰性発熱の場合は、インフルエンザの自然経過なのか、肺炎などの合併症による発熱なのか、医療機関で正しく判断を受けることが重要です。新型インフルエンザでは、下痢や嘔吐などの消化器症状が生じることもあります。
また、肺炎や脳症などの合併症にも注意が必要です。インフルエンザウイルスの感染に合併症を発症している場合、以下の症状が現れることがあります。
• 発熱の期間が典型的なインフルエンザの例よりも長くなる
• 咳がひどくなり呼吸が苦しくなる
• 意識状態がおかしく、けいれんを起こす
など
重症の肺炎を発症している場合、呼吸のサポートが必要となることがあります。また、重症度が増した場合には、通常の呼吸管理が難しくなり、ECMO(体外式膜型人工肺)を用いた呼吸管理が必要になることもあります。
検査・診断
インフルエンザの診断には、迅速キットが使用されることがあります。鼻から長細い棒を入れて鼻咽頭から検体を採取したあと、迅速キットを用いてインフルエンザウイルスの有無をチェックします。結果は10〜15分ほどで判明します。
また、インフルエンザの検査時に合併症の有無も検査することがあります。肺炎の有無を確認するためには胸部単純レントゲン写真検査や胸部CT撮影を行います。脳症の有無を確認するためには、脳波検査やMRIなどの検査を行います。
治療
インフルエンザの治療方法は、重症度や患者さんの持病を考慮しながら決定されます。
特に、気管支(きかんしぜんそく)や心臓疾患、腎臓疾患などを抱えている患者さんの場合、インフルエンザが重症化するリスクが高くなります。このような患者さんには、積極的な治療を検討します。
インフルエンザの治療薬には、内服薬、吸入薬、点滴薬があります。早期の段階で使用すると高い効果が期待でき、発症後48時間以内に開始することがよいとされています。しかし、実際には症状や経過をみながら治療方針が決定されます。
治療薬の服用の有無や種類にかかわらず、インフルエンザ発症時には、異常行動などが発生しないよう注意深く観察する必要があるとされています。インフルエンザ治療薬のなかには、小児に対して原則使用してはならないとされていた内服薬もありました。しかし、その後さまざまな議論をふまえ、現在では10代の患者さんも使用することができるようになっています(2021年3月時点)。
また、抗生物質と同じように不適切に抗ウイルス薬を使用することは、薬剤耐性ウイルスを誘導することにもつながりかねません。インフルエンザ治療薬は医師の判断のもとで、指示に従った内服・吸入を行いましょう。

 

投稿者: 大橋医院

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