2026.05.12更新

エア・ウォーターなど、歯髄幹細胞の培養上清液を点鼻投与し、脳神経細胞を活性化

化学工業日報2026年4月27日 (月)配信 神経内科疾患その他
5件のコメントを読む ポスト
 エア・ウォーターはこのほど、新たな認知症治療技術の開発に向け、医療機関などとの共同研究を開始したと発表した。不用歯などから採取する歯髄幹細胞を培養する際に分泌される因子を含む培養上清液を点鼻投与することで、脳神経細胞を活性化させるという新たな認知症治療技術の確立に挑む。2027年までに同技術を確立し、28年に臨床研究を始める予定にしている。

 エア・ウォーター再生医療研究所(神戸市)、田中医療創造研究所(東京都千代田区)、医療法人ホワイト日光・ふじの原病院(栃木県日光市)の3者が協力し、歯髄幹細胞の培養上清液を用いる認知症治療技術の実用化を目指す。

 エア・ウォーターグループのエア・ウォーター・アエラスバイオ(神戸市)は抜歯された歯から歯髄幹細胞を採取し培養、保管、そして治療時に歯髄幹細胞を歯科医院に送るという歯髄再生治療に関わるビジネスを実施している。歯髄再生治療は歯髄幹細胞を歯に移植して歯髄を再生させるもの。エア・ウォーター・アエラスバイオがRD歯科クリニック(神戸市)とともに20年に世界で初めて実用化した。

 歯髄幹細胞は神経再生との親和性が高いとされている。培養過程で分泌される多様な因子が神経細胞に働きかけて神経を再生する効果については多くの論文で紹介されている。新たな認知症治療技術を開発するうえで、こうした因子を含む歯髄幹細胞の培養上清液に着目。培養上清液を点鼻投与し脳へ直接作用させることで脳神経細胞を活性化させる。

 共同研究においてエア・ウォーター再生医療研究所は、田中医療創造研究所と共同で歯髄幹細胞の培養上清液を医療機関に供給するためのシステムの研究開発を行う。また、培養上清液の品質管理、神戸市の拠点から医療機関までの安定的な輸送方法の確立および品質基準の策定を担う。

 田中医療創造研究所は、培養上清液を点鼻薬として使用するための医療ハンドリング技術を開発し、エア・ウォーター再生医療研究所と連携して品質基準の妥当性検証を行う。

 医療法人ホワイト日光・ふじの原病院は臨床研究の実施に向けた研究企画の立案と法的手続きの準備、そして臨床研究を通じて安全性・有効性を確認する。

神経内科疾患その他

投稿者: 大橋医院