私は学校の校医をしている。驚いたことだが、小学校のまだキャリア3年目の先生から聞いた話である。「私達、教員は生徒の腕も足も頭も胸も背中も触ることは許されていません。
たとえ授業を熱心に生徒に教えようとしていても、隣の生徒と無駄口をたたいたり、教科書と関係のない
漫画本を机の上に置いてあっても、せいぜい優しく”そんなことはだめですよ。授業に集中しなさい」これが限界の指導なのである。その先生は25歳で、私は73歳だが、当時、机の上に
漫画本など鑑賞していたら、担任の生徒に往復ビンタ、何か先生のご機嫌を損ねたら、棒きれで頭を殴打されるか、教室の後ろにいつまでも立たされるのは常識であった・。60年の歳月は、
教育現場を恐ろしく変えた。60年前は先生は絶対君主であり、たとえ納得のいかない暴力的、威嚇的説経でもそれは、正しく、両親に相談しても、先生に逆らうものではないとのことであった。
昨今、セクハラ、パワハラ、ハラースメントばやりであるから、学校の先生も、職場の上司も新人には、きつく叱ると、社会問題となる。最近、ITの進歩により、盗撮道具が驚くほど発達し、眼鏡のフレーム、サンダルの中、花瓶の花の中、驚異のカメラが設置してあり、女子生徒の着替えを盗撮して、SNSに仲間内で男子教員はお楽しみのようである。教え子に学問を教えながら、男性本能も満足させて満足そうであるが、これは犯罪であり、女子生徒の深い悲しみを全く考えていない。
60年前の私どもも教員の権威は絶対なものであり、成長期の男女生徒の体育の着替えや、プールの水着着脱も同じ教室であった。いまだに理解できないことに、修学旅行の前に、持っていくカバンの中らパンティーチェックが行われたことである。男子生徒はかまわぬが女子は極めて、羞恥心に泣いた。教員の絶対権力のもとに、同窓会で聞いたことだが、かわいい美人蛙女子生徒は個室に連れていかれボディーチェックをされ泣き寝入りだったそうである。最近、急速にPTAの力が絶大なものになり、先生は此の圧力におびえる毎日である。私ども学校医も、内科健診の時、成長期の女の子は、スポーツシャツで診察できる範囲を極端に狭くしており、厚い部位ラジャーをされては、ほんの皮膚の隙間から検診をせねばいけない。病期を見つけるには極めて困難である。PTAから女子生徒の羞恥心を校医は無視していると抗議される。桃太郎の演劇尾でもやろうとすると、誰が桃太郎で、誰がサルで、誰が鬼か、PTAのご両親はわが子かわいさに、桃太郎は中止だそうである。運動会も競争が伴うから、生徒をスタートラインからゴールまでまともに競争させたら、1位の子供と6位の子供ができる。これはPTAのお母様は大変ご立腹で、順位がわからない競技スタイルをせtっていせねばいけない。子供は成長、自立さえねばいけない、そして強い心と、肉体を備えねばいけない。お母様方が、小学校、中学校、高等学校、大学、職場まで、我が子がいじめられていないか大変ご心配されるので、今の若者は叱られることを、永遠に経験せずに、社会へ出る。気に入らなければすぐに転職か、引きこもりである。技術は七転八転のうえに習得せねばいけない。
話しはきりがないが、少子高齢化、これから日本を背負う若者の根性の無さ、親の溺愛、ライオンの子は親がいったん谷底へ蹴落とし、はいあがってくる姿を見て成長を確認するそうである。
今の日本の教育姿勢、ジェネレーションギャップに驚かされる、毎日の私であるが、立派な日本国でいつまででもあってほしい。


