20世紀のヒューマニストとして知られている人物である。30歳の時、医療と伝道に生きることを志し、アフリカの赤道直下の国ガボンのランバレネにおいて、当地の住民への医療などに生涯を捧げたとされている[2]。日本においては、内村鑑三などによって古くから紹介され、その生涯は児童向けの偉人伝において親しまれている。
哲学でも業績を残し、「生命への畏敬」の概念で世界平和にも貢献した。「密林の聖者」と呼ばれている。また、音楽にも精通し、バッハ研究でも有名である。「人生の惨めさから逃れる方法は二つある。音楽と猫だ」という言葉を残している[3]。生まれつき非常に頑健であまり疲れない身体を持っていた。
生命への畏敬とは、シュヴァイツァーの思想と実践の根底にある考え方である。人間をはじめとして生命をもつあらゆる存在を敬い、大切にすることを意味する。彼は生命あるものすべてには、生きようとする意志が見出されるとする。この生きようとする意志は、自己を完全に実現しようとする意志である。シュヴァイツァーはこの事実から出発して、すべての人が自己の生きようとする意志を大切にすると同時に、自分と生きようとしている他の生命をも尊重しなければならないと考えた。それは自己と他者、および生命あるものとの共存をめざす考え方であり、アフリカでの医療活動はまさにその実践であった[4]。


