先に保険適用された「レケンビ点滴静注200mg」「同点滴静注500 mg」(一般名:レカネマブ(遺伝子組み換え))と同様に、対象患者数が多くなると予想され、保険適用された場合には「巨大な市場規模になる」可能性があるため、「薬価算定の特例ルール」を検討する—。
9月25日に開催された中央社会保険医療協議会・総会でこうした議論が始まりました。今後、具体的な特例ルールを薬価専門部会で議論し、それを中医協総会で承認した後に、下部組織である薬価算定組織で具体的な値決め(薬価案の作成)が行われます。
なお、同日には薬価専門部会も開催され、来年度(2025年度)の薬価中間年改定論議が行われています。こちらは別稿で報じます。
認知症患者数の増大踏まえると、市場規模が巨大になる可能性否定できず
医療技術が高度化し、優れた医薬品が登場してきています。優れた医薬品について「高額の薬価が設定され、多くの患者に使用される」ことは患者・製薬メーカーにとって好ましいことですが、「医療保険財政」の側面からは手放しで喜ぶこともできません(医療費・薬剤費が増加すれば医療保険財政が厳しくなる)。
このため、2022年度の薬価制度改革では「年間1500億円超の市場規模が見込まれる医薬品が承認された場合には、通常の薬価算定手続きに先立ち、直ちに中医協総会に報告し、当該品目の承認内容や試験成績などに留意しつつ、薬価算定方法の議論する」とのルールが設けられています。すでに、このルールに基づき▼「新型コロナウイルス感染症治療薬であるゾコーバ錠」にかかる特別薬価ルール(関連記事はこちらとこちら)▼「認知症治療薬であるレケンビ点滴静注」に係る特別薬価ルール—が設定されています。