大橋院長の為になるブログ

2019.12.16更新

エゼミチブとロスバスタチンの配合錠:ロスーゼット

日本の子供たちはUSAに比べて、コレステロールの吸収は増加している。

日本人のコレステロール摂取量は、世界18位まで伸びている。

ゼチーア:肝臓のコレステロール取り込みを抑制し,小腸の吸収も抑制する。このゼチーアにスタチン製剤を併用すると、

血清のLDL-コレステロールが24.7%抑制される。

Festastudyでは、中性脂肪を抑制し、インスリンに作用し、HbA1Cを低下させ、高感度CRPをていかさせ、アディポネク一チンを上昇させる。

スタチンを長く飲むと、消化管からのコレステロールの吸収を上げる。スタチンをいくら増やしてもダメで、ゼチーアを併用するとよい。

スタチンをとゼチーア併用療法は糖尿病の心血管イベントを抑制する。ゼチ-アとスタチン併用アトーゼHD錠が発売されているが、ゼチーアとロスバスタチン併用のロスゼットHDもよい。

中性脂肪に対して、ゼチーアは食後高脂血症に効く。ファーストフード負荷後、高脂血症も是正されるし、カイロミクロンは低下し、耐糖能異常も改善される。

内臓脂肪蓄積はインシュリン抵抗性を悪化させ,脂質異常、DMの改善、高血圧の改善、SGLT2阻害薬を入れると動脈硬化は抑制される。おおはし

投稿者: 大橋医院

2019.12.13更新

糖尿病患者は、1)高血糖による免役反応の低下、2)抹消循環不全、3)抹消の感覚低下、4)自律神経障害、5)皮膚粘膜への細菌の定着

1:糖尿病と感染症の関連性、感染症及び感染症による入院が高い、

2:糖尿病で注意すべき感染症;1)気腫性感染症、2)悪性外耳道炎、3)DFI(糖尿病性足感染症:diabetic foot innfection)4)壊死性筋膜炎

糖尿病患者は、高血糖による好中球機能不全の免疫反応の低下、血流不全,抹消感覚の低下、自律神経障害並びに黄色ブドウ球菌の定着ににより感染しやすくなる。特に

DFIは頻度が高く、軽度の皮膚南部組織感染症から重症の壊死性筋膜演まで幅広い臨床錠を呈する。おおはし

 

投稿者: 大橋医院

2019.12.11更新

JDOIT3教科療法:HbA1c、血圧 LDL-コレステロールをしっかりコントロール、重症低血糖の懸念、体重を贈位化させない、急性心筋梗塞、脳血管障害ヲ減少させる目的で、

インシュリンとSU剤のJDCS群とSu剤にピグアナイド製剤、DDP-4阻害剤、さらにSGLT2阻害剤を加えた強化療法JDOIT3を検討した。

-19%の心筋梗塞の発祥と透析導入の減少を強化療法で認めた。HJbA1cを1%低下すると、網膜症が20%減少し、腎症の発生を17%抑制する。

6-7-8方式でHbA1cを7に目標をおいているが、低血糖のリスクが低い場合は、6.5%以下へも置ていったほうが良い。

BMIが30以上の場合はDDP-4阻害剤が効きにくい。ジャヌビアとスーグラを併用するとHbA1cと体重を減らす。スージャヌ配合錠は前者2剤の併合であり、有効である。

これからは、EBMとNBM(患者さんとの対話)、年齢、病態、体質、遺伝子を考えて治療していく。
東アジア人、日本人では、DDP-4Iが効きやすい。SGLT1阻害剤、GLT!阻害剤は5年間死亡率を減らし、認知症も減らし、健康寿命も伸ばす。
DDP-4I,SGLT2I,GLTIは東南アジア人が遺伝的に感受性が高く、DDP4Iは平均血糖を下げ血糖変動も下げる。
DDP4-!(ジャヌビア)は、2次心血管イベントを抑制する。頸動脈硬化の抑制し、退縮も招く。
ゲノム医療は、重症糖尿病、合併症を起こすか、糖尿病、になりやす科もわかる。日本人2型糖尿病、16000人の大規模調査、民族の特異性まで考える。
遺伝子はもう具体的に分かっている。Arg131が日本人の29%にヘテロと分かっている。欧米人と日本人のDMに関する共通遺伝子もわかっている。
β細胞の脆弱性も遺伝子で解析できている。AIによる最適療法、日本糖尿病学会による社会の偏見防止運動、日本人全体の教育、と糖尿病学習の精度向上が考えられている。

投稿者: 大橋医院

2019.12.09更新

今年のインフルエンザは流行の立ち上がりが異常に早い。

   沖縄県で夏休み期間に、流行が本格化した。海外からの持ち込み例かもしれない。

   今年の夏のインフルエンザ流行は15歳以下が過半数を占めている。

  インドネシアやシンガポールのような赤道直下では年間を通じて流行しており、6月から9月に吹くモンスーンとともに

他の東南アジア諸国へ拡大していく。外国人旅行者がインフルエンザを持ち込む江であろう。

ワクチンの免疫持続期間は約5か月といわれており、夏のインフルエンザには前年度の予防施主の効果は期待できない。

”インフルエンザは、もともと高齢者にとって、重篤になりやすく、死亡率は5%に上る。”

令和時代のlインフルエンザ対策を、;高齢者施設に注意!学校や幼稚園、保育園での蔓延予防策

昨シーズン、ゾフルーザで、一日一回の内服で、翌日インフルエンザは患者さんの中で、一万分の一に減っており、

一握りの患者さんに、副作用,耐性が感じられたことを大聞く報道された。しかし、大勢の患者さんがゾフルーザを一日処方で、改善されたことを忘れてはいけない。

希望があれば、タミフル、リレンザ、イナビルという選択肢もあり、私ども医師と十分話し合って速やかにインフルエンザ罹患患者を楽にさせたい。おおはし

投稿者: 大橋医院

2019.12.03更新

LOX-index検査:脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを予測する最新の検査です。
この検査では血液中に隠れている動脈硬化を引き起こす原因物質「変性LDL」と「LOX-1」の量を調べています。
過去10年以上の研究結果からLOX-index値が高い方は脳梗塞、心筋梗塞の発症率が高くなることがわかっています。
脳梗塞や心筋梗塞を防ぐためにも、LOX-indexでご自身のリスクを知り、将来に備えてはいかがでしょうか。 

 

Lox-indexの特徴:1回の採血(約2mL)で脳梗塞・心筋梗塞のリスクを検査することができます。
画像検査は、動脈硬化が進行しないと脳梗塞を見つけられませんが、LOX-indexでは動脈硬化が進行する前の段階で脳梗塞のリスクを調べることができます。 

 

Lox-indexをお勧めする方:脳梗塞・心筋梗塞に御なりになったご家族がいる方。
脳梗塞・心筋梗塞の発症が不安な方。
高血圧、脂質異常症、糖尿病の既往歴がある方。
高40歳以上の方。
健康診断、人間ドックのオプション検査として受診することもできます。

 

結果について:結果が出るまで2週間程度かかります。結果が出ましたらご連絡いたします。
この検査で、脳梗塞・心筋梗塞であるかどうかを確定するものではありません。
あくまで、脳梗塞・心筋梗塞のリスク検査です。
早めにリスクを知り予防することを目的としています。
LOX-index値とLAB(超悪玉コレステロール)により、高リスク、中高リスク、中リスク、低リスクと鑑別します。


手技自体は採血のみですので受診時間での受付が可能ですが、採血後の処理のため前日までの予約が必要です。

スタチン(リビトール錠、プラパスタチンNa錠)とワーファリンを服用されている方は検査数値が低くに出る傾向があります。
コレステロールを下げるお薬を服用されている方は、検査数値が低くでる可能性があります。
妊娠中、出産後、風邪をひかれている場合は、検査数値が高く出る可能性があります。
食事制眼などは無く、午後に受診頂くことも可能です。

#費用は税別です。健康保険は適用できません。

検査費用12000円おおはし

投稿者: 大橋医院

2019.12.03更新

物語の始まりは1950年代、フランスのクレルモン.フェランの農場で働く人々の血中の脂質値が、著しく低下していることが報告された。

原因は、農場で散布されていた農薬に含まれていた、フェニルエチル酢酸でした。

PPARα(Peroxisome Proliferator-activated receptor-α)が初めて,構造が明らかになり、中性脂肪の低下,HDL-コレステロールの上昇、

LDL-コレステロールの粒子の数を減少、粒子径増加、高脂血症の治療としてパルモディアは優れていることが分かった。

当院はべサフィブラートヲ使ってきたが、腎毒性、横紋筋障害が目立つので、これからは高脂血症はパルモディア0.1mgを朝夕投与で治していきます。

当院へ来られる患者さんの高脂血症の患者さんは、絶対に急性心筋梗塞にならず、脳梗塞にならないのだ。おおはし

投稿者: 大橋医院

2019.11.26更新

おおはし

<肺高血圧症>
肺高血圧症の概要:健常人の安静時における肺動脈兵器血圧は20mmHgを超えることはないが、肺高血圧症は25mmHgを超える。
早期診断は極めて困難で予後委は悪い。
ニース分類:1)肺動脈性肺高血圧症
      2)左心性心疾患による肺高血圧症
      3)肺疾患および/またh低酸素血症による肺高血圧症
      4)慢性血栓側線性肺高血圧症
      5)詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症

身体所見:肺高血圧を示唆する所見
       第Ⅱ音亢進,右室拍動,第Ⅳ音、三尖弁逆流、肺動脈拡大、右室拡大
     ;右心不全の所見
      1)経静脈の怒張
      2)肝腫大および下腿浮腫
      3)低酸素血症

 

投稿者: 大橋医院

2019.11.25更新

<これからの抗血小板薬と抗凝固薬の併用療法>

(1)洞調律時のPCI後の抗血栓療法

(2)心房細動合併時のPCI後の抗血栓療法

STARS試験、ワーファリンをチクロピジンに変える,アスピリンとチクロピジン、DAPT(2剤抗血小板療法)とステントの再狭窄について検討する。

薬剤溶出性ステントで抗血小板単剤は危険、消化官出血、脳出血が増大、DAPT中止後1年後にイベント増大、おおはし

DAPT研究で長期投与の有用性が言われた。All-Cause MortalityでDAPT長期例に全死亡が増大、8割が消化管出血,1割が脳出血、予後が悪い

第世代のステントはステント血栓症が減少した。DAPTで1年、単剤で1年、非劣勢がわからない、

一次End Pointを脳出血で見た場合、1っか月でDAPTをやめたら12か月以上のほうが良い結果であった。Major研究では、一か月も12か月も変わらない。

心房細動のない群、デンマークでワーファリンとクロピドクレル、ワーファリンとアスピリン,アスピリンとクロピドクレルの比較試験が行われている。

Woest試験では3剤併用は良くなく,アスピリン中止例がよい、ワーファリンとクロピドクレルは脳出血が少ないが死亡率は高い。

ワーファリン中止してDOAC単独はどうか?Re-Dual PCI(タビ化トラン)、PIONER-AF pcリバロキサン)、Entrust-Af PCI(エドキサバン)

August【アビキ;サバン4614例)ワーファリンアスピリンは必要か?医療経済的に両方いらない、アビキサバンの単剤で入院を減らし、イベントも減る、

DOAC単剤でいいではないか!AFIRE試験では、リバロキサバン単剤とリバロキサンと抗血小板薬を併用した群を比較検討したが、明らかにリバロキサン単剤が予後が良いことがわかった、

抗凝固剤を単剤で治療したほうが良い、一か月DAPT後,抗凝固剤の単独療法が今見直されている。

投稿者: 大橋医院

2019.11.22更新

<感冒予防>

風邪薬の選び方
風邪の9割以上は風邪ウイルスが原因です。しかし現在のところ風邪ウイルスに効くお薬は開発されていません。風邪薬の目的は風邪を治すことではなく、風邪の症状を緩和することなので、風邪薬を選ぶ際は、症状に合ったお薬を選ぶことが、とても重要になります。
風邪とインフルエンザの見分け方
38℃以上の高熱があり、頭痛・鼻水・のどの痛みなどのほかに、筋肉・関節の痛みなど全身症状が強くあらわれるようならインフルエンザの可能性があります。また、インフルエンザ治療薬は発症から48時間以内に服用しないと効果がないといわれているため、インフルエンザの疑いがある場合は、早めに病院へ行きましょう。
風邪かな?」と思ったときの対処法

栄養ドリンクを飲む
栄養を補給して弱った体力の回復をサポートしてくれます。休めないときにおススメです。

体を温める食事を摂る
生姜粥など、体を温め消化のよい食事を摂りましょう。体を温めると免疫力が高まり風邪の回復を早めます。

十分な睡眠
風邪気味のときは8時間以上の睡眠を目安に、体を温かくしていつもより早めに就寝しましょう。

風邪薬には鎮痛補助剤としてカフェインが含まれていることがあります。カフェインの過剰摂取にならないよう、栄養ドリンクは「ノンカフェインタイプ」を選びましょう。

1.うがい
うがいをすることで、口の中の細菌を減らし、さらにのどや鼻の粘膜を潤すことができるので、風邪予防に効果的です。手洗いと一緒に実践しましょう。

水うがいでよいとき
o 外から帰ったとき
o 空気が乾燥しているとき
o 食事の前後
うがい薬がよいとき
o 風邪が流行っているとき
o のどが痛いとき
o 体が弱っているとき

2.手洗い
手についた風邪ウイルスは、水洗いだけでは落とせません。石けんを使って丁寧に洗いましょう。手洗いができないときは、アルコール消毒剤を手にすり込むのも効果的です

手から風邪ウイルスが感染しやすいところ
o ドアノブ
o スイッチ
o 電車・バスのつり革
o 階段の手すり
o 共有のパソコン
3.マスク

o マスクは、のどや鼻の粘膜を保湿し、風邪ウイルスの活動を抑えるのに効果的です。特に就寝中はのどが乾燥しやすいので、マスクをつけて寝るのもおススメです。

 4.水分補給
o 水分補給をすると、のどや鼻の粘膜が潤い、繊毛活動が活発になって、風邪ウイルスの感染を防ぐことができます。できれば20~30分おきに少量ずつ飲むのが効果的です。

 5.歯磨き
o 口内の雑菌を除去することで、風邪ウイルスの侵入を防ぐことができるため、きちんと歯磨きをしましょう。

o 風邪のときはお風呂に入る?入らない?入ってよい!

投稿者: 大橋医院

2019.11.21更新

oohasi抗凝固時代の新しい幕開け

ビタミンK拮抗薬のワルファリンは,50年以上唯一の経口抗凝固薬として,心房細動,静脈血栓塞栓症に対し て用いられてきた.2011年よりトロンビン阻害薬のダビガトラン,Xa阻害薬のリバーロキサバン,アピキサバ ン,エドキサバンという4つの直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が利用可能となり,そ の簡便性からこれらの病態に対する抗凝固薬のunderuseが改善されつつある.これらのDOACはいずれも大多数 の患者を対象としたグローバル型大規模臨床試験でその有効性,安全性が証明されている.一方で,1)日本に おけるワルファリン使用法はこれまでグローバル基準と同一でなかったこと,2)日本ではグローバルと比較し て急速に高齢化が進み,大規模臨床試験の登録基準には当てはまらない高齢者が極めて多いことなど,大規模臨 床試験の成績だけで日本の医療向上が単純に期待できるわけでなく,今後,様々な新しい課題の解決が必要である.

心房細動,そして静脈系の血栓予防という分 野で,長く“only one”として君臨してきた抗 凝固薬がワルファリンである.このビタミンK 拮抗薬であるワルファリンに対して,2011年以 降,トロンビン阻害薬のダビガトラン,Xa阻害 薬のリバーロキサバン,アピキサバン,エドキ サバンという4つの新薬が市場に登場し,抗凝 固療法は約50年ぶりに新時代に突入した.これ らは当初,新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants:NOAC)と呼ばれたが,現在では直接 経 口 抗 凝 固 薬(direct oral anticoagulants: DOAC)という新名称への変更が国際血栓止血 学会より提唱されている.
 DOACは,ワルファリンの弱点であった薬効 の個人差,食物や併用薬との相互作用が少な く,安定した効果を発揮することから固定用量 での投与が可能である.このことは,一般内科 医が心房細動や静脈血栓塞栓症の診療にあたる 場面が増えた昨今の状況で,抗凝固療法の導入 を簡便に広く行うことができるという大きな利 点をもたらした.

直接経口抗凝固薬の特徴と‌ 大規模臨床試験  ワルファリンに代わるこれらの新しい抗凝固 薬は,主に心房細動患者を対象に開発された.いずれの薬物についても,心房細動の脳卒中予防を目的に10,000例を超えるグローバ ルでの大規模臨床試験が行われ)2),心房 細動の脳卒中予防に対する保険適用が認められ た.さらにXa阻害薬の三者については,静脈血 栓塞栓症の治療および二次予防目的にも保険適 用となっている.  心房細動を対象とした大規模臨床試験のメタ
アナリシスによれば,DOAC全体として ワルファリンに比較した場合,脳卒中予防とい う有効性に優れるばかりでなく,大出血という 安全性においても優れる傾向にあり,全死亡率 も有意に低下することが示されている3).この ように,DOACが有効性,安全性において優れる 主な原因は,出血性脳卒中の抑制,頭蓋内出血の抑制である.脳には第VII因子が豊富に含ま れ,これが頭蓋内出血に対して防御していると 考えられているが,ワルファリンはこの第VII因 子産生を抑制するのに対して,いずれのDOAC もこの第VII因子には影響を与えない.  一方で,DOACを用いた大規模臨床試験は,そ の効果・安全性がワルファリン群とのハザード 比によって表されていることには注意が必要で ある.例えば,図1には,そのハザード比が各 試験別に示されているが,ここからそれぞれの DOACの効果・安全性を間接比較することは妥 当でない.これは,1)対象となった患者集団 の背景が異なる,2)ワルファリン群における ワルファリンコントロールの質が異なる,3)解 析方法が異なる,などの理由による.特に,日 本人にとっては,2)の問題が,試験結果をそ のまま日常臨床に応用することを難しくしてい る.日本人を含むアジア人では,ワルファリン 投与に伴う頭蓋内出血の頻度が高いことから, 日常臨床ではPT-INRのターゲットを2.0付近と することが多い.しかし,DOACを用いた大規模 臨床試験では,ワルファリン群の目標PT-INRは
2.0~3.0とされ,比較対象とされたワルファリ ン群のアウトカムは,日本人が日常臨床で行っ ているワルファリン療法とは異なる.このよう なことから,私たちの前には,大規模臨床試験 で効果・安全性が示された4つのDOACが利用可 能ではあるが,これだけでそのまま日本の日常 臨床に幅広く応用できるとするには問題が多い.
2.DOAC導入の日常臨床への影響  DOACの導入により,日本人の心房細動診療 がどのように変化したかという課題について, 循環器内科の立場から2つの報告がなされてい る.心臓血管研究所では,2004年より病院初診 患者を全て登録する病院型のコホート研究 (Shinken Database)を行っている.この観察研 究から,DOAC導入がなされた2010~2012年度 に初診患者として受診した心房細動患者に対す る抗凝固療法施行率,初診後3年間の心血管イ ベント発症率が判明している4).心房細動初診患者における抗凝固療法 施行率は,DOACが利用可能となる以前の2007~2009年の3年間に比べ,2010~2012年で顕 著に増加していることがわかる.同時期に用い られた抗凝固療法は,およそ半分がワルファリ ン,残り半分がDOACであり,DOACが抗凝固療 法の普及を促したといえる.この間,初診後3 年間の患者アウトカムを検討すると,統計学的 には有意ではないものの,脳梗塞の発生率が低 下した一方で,入院を要する大出血が増加する という傾向にあった.  J-RHYTHM Registry 2 studyは,ワルファリン 時代に登録された心房細動患者を対象に研究期 間を延長して経過観察したレジストリー研究で
ある5).本研究では,当初,ワルファリンが投 与されていた患者のうち,約20%弱の患者で経 過中にワルファリンがDOACに変更されてい た.5年間の観察で生じたイベントを 最終投薬内容別に比較したオッズ比を示す. CHA2DS2-VAScを構成する要素で補正したうえ でも,最終的なDOAC投与例では,イベント発症 率が低下していた.  このような2つの実態研究は,DOACが当初果 たした役割を大局的に叙述できているものの, その解釈には注意が必要である.いずれの研究 も観察研究であることから,DOACが投与された患者の背景は,年齢が若く,背景因子が複雑 でないという特徴をもっている.つまり,現時 点では,患者背景が複雑でない比較的若年者に DOACが投与される傾向にあり,その意味で患 者アウトカムの改善がみられているという解釈 が妥当と思われる.実際に,Shinken Database では,CHADS2スコア,HAS-BLEDスコアの高い 高リスク患者では,ワルファリン単独の時代よ り大出血が増加するというトレンドも観察され ている.
3.今後の課題  DOACの歴史は短く,これから解決すべき課 題が多いことは,同じ抗凝固薬であるワルファ リンが歩んできた歴史と同様である.ここで は,大きく3つの課題を記しておきたい.  第一の課題は,集団と個人のギャップという 課題である.この課題は,DOACのもたらす効果 の甚大性,副作用の重篤性から,他の薬物に比 べ,より大きな医療課題といえる.大規模臨床 試験で得られた集団データは,全ての患者個人 に当てはまるわけでない.特に,患者背景が複 雑である場合,抗血小板薬服用など出血リスク 因子を多数有する場合など,有効性と安全性の バランスが患者個人によって異なる可能性が高 い.また,DOACの有効血中濃度は幅広いとはい え,その範囲から逸脱する患者がいないという わけでもない.集団データと患者個人のギャッ プを埋める手段がないというDOAC特有の欠点 は知っておく必要がある.  第二に,心房細動患者の多くは高齢者であ り,歯科的処置,内視鏡的処置,小・大手術な どの出血を伴う侵襲的な処置を受ける頻度が高 く,その場合の具体的対策が示されていないと いう課題が挙げられる.系統立った研究がない ため,現在でも専門家のコンセンサスレベルで 休薬の要否や休薬期間が決定されている.しか し,ワルファリンで長く行われてきたヘパリン
による橋渡し療法ですら,昨今,その足元が揺 らいでいる状況である.また,高齢者という観 点からみると,最近の話題の1つにポリファー マシーが挙げられる.薬物相互作用が少ないと されてはいるが,全ての薬物について相互作用 が調べられているわけではなく,また,相互作 用が少ない薬物であっても,それらが重積した 場合の薬効については未知である.  第三の課題は,アドヒアランスである.ワル ファリンでは薬効をモニタリングできたので, 同時にアドヒアランスを強化するための患者教 育が可能であった.しかし,DOACではモニタリ ングが不要とされる半面,モニタリングする ツールが存在しないという弱点がある.このた め,患者のDOAC服用状況を医療者側は把握で きない.実際に,DOACの服薬状況は医療者が想 像するほど良好ではなく,怠薬による血栓性イ ベントが少なからず生じている.  以上のような課題は,ある意味で高齢化社会 における薬物療法の全てにおいて当てはまる. 今後,日常臨床での経験を積みながら徐々に解 決されていくべきものであろう.
おわりに  DOACが導入され約5年が経過し,これまで underuseとされてきた心房細動患者に対する抗 凝固療法の普及率は確実に向上した.その導入 状況は,主に低リスク患者から始まり,最近に なってようやく高リスク患者にも拡大されてき たのが現状であろう.世界トップの高齢化率を 有する日本の高齢化社会では,薬物療法が果た す役割は大きい一方で,その課題も山積であ る.DOACが確立されるに伴い,抗凝固薬を用い るか用いないかという単純な課題から,高齢化 社会でいかに副作用を回避しながら抗凝固薬を 用いるかという薬物療法共通の課題を解かなけ ればいけない時代になったといえよう.



投稿者: 大橋医院

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