大橋院長の為になるブログ

2022.10.19更新

このお母さんの子供(女の子)は、プールで水没した。慌て上お母さんは、救急搬送し、高度手中治療室に入り、この世の最前線治療をしても、脳死であった。

日本は脳死で、もって、”死”と判定される。もうご遺体である。ところが、ある研究者が、脊髄反射を使って、脳死でも、筋肉は動くことが分かった。

お母さんはその研究者を、葬儀の日に呼んで、研究を見せてもらった。もうご遺体のわが長女の上腕が脊髄反射で動いた。

死んでいるはずのわが子の上腕が動いた。母は、その研究者にさらなる生への前向きな可能性を、懇願した。頸椎、胸椎、腰椎に電極を挿入し、可能性のある筋肉に、電極を埋めた。

栄養は経鼻栄養で、母親と父親、研究者の死に物狂いな努力の元、7歳まで、普通の女の子のように、生体は成長した。ただ、いまだ脳死であり、一言もしゃべっていないし、開眼もしていない。

車いすで外出、弟の入学式にいった。弟は、悲しみ、世間の視線は冷たかった。

日本では、心停止を厳密には死と言わない。ある男の子が拡張型心筋症で、臓器移植のドナーをまっていた。

脳死したお母さんのお嬢さんは、心臓移植に耐えられるのであった。幾ばかりの討論があったろう。娘の心臓を男の子に、移植した。歳月が流れ、男の子は免疫的監視の元、進学し勉強にまえむきな人生である。脳死したお母さんのお嬢さんはお墓と仏壇とご遺影だけである。でも。ご夫婦とも、娘の心臓が誰かの心臓に移植され、今も活躍している。娘さんのご両親は彼女の心臓が、活躍しているという話を聞くたびに幸福になる。娘は頑張っているのだ。

投稿者: 大橋医院

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