大橋院長の為になるブログ

2022.08.16更新

概要
熱中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が壊れるなどして発症する障害のことをいいます。かつては、夏の暑さや炎天下で具合が悪くなったり倒れたりする状態は、日射病などと呼ばれていました。また、医学的には、以前は重症度に応じて熱疲労、熱けいれん、熱射病などと呼ばれていました。
しかし、必ずしも熱が加わる灼熱(しゃくねつ)のような状況でなくても発症する恐れがあることから、現在では「熱中症」と一括りにして呼ばれるようになりました。
熱中症は炎天下での運動などで発症しやすいことが知られていますが、高齢者が熱帯夜にエアコンを使用せずに寝ているうちに発症することもあります。
原因
熱中症の原因は、体温が上昇して体温調節機能のバランスが崩れ、体内に熱が溜まってしまうことです。体温が上昇した場合、人の体は適度な体温を維持するために、汗をかいたり皮膚温度を上昇させたりして熱を体外へと放出します。この機能が損なわれることで熱中症が生じます。
熱中症になる要因には、以下のようなものが挙げられます。
• 気象条件(気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い)
• 65歳以上または15歳未満
• 持病がある(心疾患、肺疾患、精神疾患、高血圧、糖尿病、認知症など)
• 肥満
• もっとも暑い日中の行動(激しい運動や慣れない運動、長時間の野外作業、水分摂取の機会が少ない)
• 健康状態が良くない
• エアコンなどの空調設備を使用していない
など
症状
軽度な熱中症の場合、めまいやだるさ、気持ち悪さなどの症状が見られ、重くなるにつれて吐き気を強く感じたり、意識障害をきたしたりすることがあります。具体的な症状は、重さによってI度(軽度)、II度(中等度)、III度(重症)に分けられます。
I度 (軽度)
• めまい
• 立ちくらみ
• 筋肉のこむら返り
• 手足のしびれ
• 気分不快
II度(中等度)
• 頭痛
• 吐き気や嘔吐
• 体のだるさ
• 力が入らない
III度(重症)
• 高体温
• 意識がない
• 全身のけいれん
• 呼びかけに反応しない
• 真っ直ぐに歩けない、走れない
受診の目安
重症度は上記の症状に応じて分類されます。病院受診の目安としては、I度の症状が徐々に改善している場合は現場での応急処置と見守りでよいとされていますが、それ以外については病院受診が推奨されます。II度以上の症状が出ている場合はもちろん、I度の症状に改善が見られない場合には速やかに病院を受診してください。
検査・診断
暑熱環境にいる、あるいはいた後の体調不良は全て熱中症の可能性があります。問診や診察、必要時には血液検査や尿検査等を行い、その他の原因となる病気を除外した上で、熱中症の診断や重症度評価を行います。
重症度の評価
熱中症は重症の場合には死に至る病気であり、医療者の判断により入院が必要です。早期に異常を認識し、治療につなげ重症化を防ぐために重症度分類を行います。特に意識障害の程度、体温、発汗の程度は短時間に変化するため継続的に観察する必要があります。III度の重症では意識障害やけいれんなどの症状(中枢神経症状)や肝臓・腎臓の障害、血液の凝固機能の障害など、さまざまな臓器の障害を呈するため、血液検査等でその評価を行います。
脱水の有無の確認
また、皮膚や舌、指先の血の巡りの診察により、脱水状態かどうかの確認がなされます。血液検査でヘモグロビンという「血の濃さ」を示す値が通常以上に高くなっている場合には、血液が脱水によって過剰に濃縮されていることを意味します。
治療
水分補給
熱中症の基本の治療は、体の熱がこもりにくい環境に避難したうえで、水分や電解質、糖分を摂取することです。患者本人が飲水できるようであれば、塩分と水分が適切に配合された経口補水液をゆっくりとこまめに水分を摂取してもらいます。自力での飲水が難しい場合は、点滴での水分補充が必要であり病院受診がすすめられます。
冷却
非常に重症な状態では、体温が40℃を越えるほどになります。これは、体温調節を担う脳の体温中枢が機能しなくなるためです。冷却には、全身に氷を当てる、ぬるま湯を皮膚に吹きかけて扇風機で送風するといった方法があります。運動による熱射病の場合には、水風呂に漬かることで一番早く体温が下がり有効とされます。医療機関では胃や膀胱内へ冷水を注入して冷却する場合もあります。
予防
熱中症予防のために、屋外では日傘や帽子を使用したり、日陰に入ってこまめに休憩をとったりするようにしましょう。気温の高い日には、日中の外出はできるだけ控えることも大切です。また、屋内での熱中症にも注意が必要です。室温をこまめに確認しながら、扇風機やエアコンで温度を調節するなどして、屋内でも熱中症予防を心がけましょう。
また、屋外、屋内にかかわらず、こまめに水分や塩分を補給することも重要です。高齢者は脱水になりやすく、自分で気付きにくいことも多いため、経口補水液を定時に飲むことも熱中症予防につながります。

 

投稿者: 大橋医院

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