大橋院長の為になるブログ

2022.06.16更新

貧血
血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなった状態のことです。
ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ重要なはたらきをしています。しかし、ヘモグロビンの量が少なくなると運べる酸素の量も少なくなって全身が酸欠状態となり、めまいや立ちくらみ、頭痛などのさまざまな症状が現れるようになります。
特に女性は月経で血液を失うため貧血になりやすく、中でも若い女性はダイエットや偏食など不摂生な食生活によって貧血になる人が増加傾向にあるとされています。一方、男性の貧血は消化管に出血が生じる病気を始め、さまざまな病気が疑われます。
貧血にはさまざまな種類があり、代表的な貧血の種類は以下のとおりです。
鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンの元となる鉄が不足することによって生じる貧血です。貧血の約60〜80%を占めるといわれます。
赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなるため、赤血球の大きさが小さくなるのが特徴です。
再生不良性貧血
血液を作る役割を持つ骨髄のはたらきが低下することによって起こる貧血です。指定難病にもなっており、赤血球だけでなく白血球・血小板も減少します。
骨髄異形成症候群
一般的にがんの1つとして知られており、赤血球を産生する骨髄のはたらきの異常によって主に貧血が生じます。また、白血球や血小板の減少を伴うことが多いです。
巨赤芽球貧血
ビタミンB12や葉酸の不足で赤血球が減少することによって起こる貧血の総称です。赤血球が大きくなることから、巨赤芽球性貧血と呼ばれます。
ビタミンB12が不足する原因としては、胃の壁細胞に対する自己抗体が生産されたり、胃を切除したりすることによってビタミンB12の吸収に必要な内因子が胃から分泌されにくくなることが挙げられます。また葉酸は、アルコールの飲みすぎや野菜などの摂取不足のほか、特定の薬物の服用によって吸収されにくくなることがあります。
溶血性貧血
赤血球にも寿命がありますが、溶血性貧血はさまざまな原因により赤血球が通常よりも早く壊れ、ヘモグロビンが流出することによって起こる貧血です。
赤血球に対する自己抗体が産生されるなど病気によって起こるものもあれば、マラソンや長距離歩行などによって起こることもあります。典型的な例では、皮膚や目の結膜が黄色くなります。
腎性貧血
腎臓からは、赤血球の産生を調節するエリスロポエチンという造血因子が作られています。腎性貧血とは、腎臓が悪くなることでエリスロポエチンの産生が低下して起きる貧血です。
慢性炎症に伴う貧血
慢性関節リウマチなどの慢性炎症があると、体の中で鉄の囲い込みが生じるようになり、鉄の利用が妨げられます。つまり、体の中に鉄は十分存在しても、鉄が利用されにくくなって鉄欠乏性貧血のような状態になってしまいます。
原因
貧血の原因は種類によって異なります。
貧血の半分以上を占める鉄欠乏貧血の場合は、ヘモグロビンの元となる鉄が不足することが原因です。具体的には鉄の摂取不足のほか、妊娠・授乳による鉄の需要増加、月経や消化管からの出血による鉄損などによって不足します。また、病気の治療などで胃を切除した場合、胃酸の分泌が少なくなることで鉄の吸収が弱くなることもあります。
このほか、巨赤芽球性貧血の場合は、ビタミンB12や葉酸の不足、病気、別の病気の治療や治療薬が原因となって生じることもあります。また、赤血球に対する自己抗体ができたり、赤血球を作る骨髄が病気や慢性炎症にかかっていたり、腎臓が悪くなりエリスロポエチンの産生が減っていたりすることなどが原因の場合もあります。

 

投稿者: 大橋医院

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