大橋院長の為になるブログ

2022.04.23更新

通常の消炎鎮痛薬(バファリン、ロキソニン、ボルタレンなど、NSAIDsと言います)とは全く異なる作用機序の鎮痛薬ノイロトロピンという薬があります。ウサギの皮膚にワクシニアウイルスを注射して、そこの炎症を起こした部位より摂取した物質を抽出精製したもので、日本で開発されました。消炎鎮痛薬のように胃腸障害や臓器障害を起こすことはまずなく、安心して長期でも使用できる薬です。
 ノイロトロピンは急性の痛みには効かず、たとえばぎっくり腰などに使用しても効果はありません。ノイロトロピンは慢性の神経痛など,痛みを伝える神経の感受性が増して痛みをより強く感じやすくなった状態の痛みにその感受性を低下させて効果を発揮します。慢性の神経痛に使用すると、はじめは効いているかどうかわからないが、少しずつ痛みが軽くなってゆく作用があります。患者さんもノイロトロピンを中止したら痛みが強くなり、はじめて効果があったんだと気がつく場合も多いです。
 ノイロトロピンの作用機序はまだ完全にわかっておらず、下降性疼痛抑制系とよばれる脊髄レベルで脳の痛みを感じにくくする作用が関係しているのではないかと言われています。また、慢性痛、特に神経の傷が原因の痛みでは脳の視床という場所の血流が低下し、それが痛みを強く感じさせるとされています。ノイロトロピンはその視床の血流を増加させる作用があり、それがノイロトロピンの慢性痛への効果に関与しているという説もあります。
 適応疾患には帯状疱疹後神経痛(トピックスに記載しています)、ちなみにアメリカのFDA(食品医薬品局)というアメリカで使用される薬剤の認可を決定する機関が認めた帯状疱疹後神経痛に効く薬のひとつがノイロトロピンです。神経損傷による神経痛(CRPS、複合性局所疼痛症候群といいます。トピックスに記載しています)、線維筋痛症(トピックスに記載しています。リリカとの併用で特に効果を発揮するようです)など、主に難治性の神経痛や原因のわかっていない線維筋痛症のような全身の痛みに用います。

投稿者: 大橋医院

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