大橋院長の為になるブログ

2022.01.17更新

――現在の沖縄県立北部病院の状況を教えてください。

 稼働病床は257床あり、コロナ病床は全部で47床あります。救急は1日60~100件程度受け入れています。

 外来の制限等は行っていませんが、コロナ診療に当たっている一部の医師は電話で外来の診察を行っています。

 現在はコロナ病床のおおむね8割以上を使用しており、12日時点では45床、14日時点では40床が埋まっています。退院した分だけ新しい患者が入ってくる、という状況です。

――沖縄全体で医療従事者の感染や濃厚接触による欠勤が増えています。県立北部病院ではどのような状況ですか?

 14日時点で全650人(事務系も含む)の職員のうち、15人の感染もしくは濃厚接触が確認されています。ですが、そのうち3人は無症状かつ毎日の抗原定量検査で陰性を確認することで勤務を続けています。3人はコロナ対応だけでなく、その他の疾患の患者への対応も通常通り行っています。

 こうした濃厚接触者となった医療従事者の勤務を認める上では、ただ働かせるのではなく、しっかりと精神的なサポートをすることが重要です。

――厚労省は1月12日に医療従事者は濃厚接触者となっても一定の条件を満たすことで勤務を認めることを改めて再周知しました。

 周知を行うことは重要ですが、今後さらに感染が拡大していくことが予想される中では、この対応だけでは現場は回らないと思います。

 感染拡大が続き検査需要が増す中で、14日間も毎日検査をし続けることが現実的に可能かどうかの検討も必要ではないでしょうか。急性期病院であれば、そうした医療資源にも比較的恵まれているかもしれませんが、慢性期病院などでは事情が異なります。そうした医療資源の観点も、考慮する必要があると思います。

――11日からは自衛隊の看護官5人が県立北部病院に入っています。

 検査のサポートや患者搬送のサポートなど、通常は看護師がコロナ診療に対応しながら続けていた仕事を看護官の方たちに担っていただいています。現場の負担は確実に軽減され、非常に助かっています。

現在は入院患者の半数が65歳以上

――第6波の始まりを感じたのはいつ頃のことでしたか。

 この地域では、年末も比較的感染者は多い状況でしたが、やはり年始に入ってから状況が一変しました。元日の段階ではそれほど大きな波にはなっていませんでしたが、1月2日からは年末に陽性になった方たちの周りでどんどんと陽性者が確認され始めて、あっという間に感染が拡大していきました。

 年始は入院している人の多くが若い人たちでした。症状としては軽症に分類されますが、かなりぐったりとしていた人たちが入院しているような状況でした。ですが、ここ数日は高齢者の入院が増えています。

 今週に入って、高齢者が運ばれ始め、14日の時点では40人中20人が65歳以上です。感染者の年齢層が変化する中で、基礎疾患を持つ人や酸素吸入を必要とする人も増加傾向です。

――現在、入院している人はワクチン接種済みの方が多いのでしょうか。

 年末年始はワクチンを未接種の方が多い状態でしたが、現在では入院している患者のほとんどがワクチン接種済みです。未接種の方は5人のみとなっています。1月1日以降計87人が入院し、ワクチン未接種者30名、2回接種完了者は57名です。

「社会全体へ広がるのは時間の問題」

――これまでの感染拡大と比較して、どのような変化を感じていますか?

 これまでと感染拡大のスピードが違います。それが一番大きな変化です。同時に軽症の方の回復スピードはこれまでよりも早いと感じます。もちろん中等症や重症になれば、治療に必要な時間も長くなります。しかし、それ以外の軽症の方たちは症状が出るまでの時間も短く、症状が改善するために必要な時間も短くなっている印象です。

――高齢者についてはどうでしょうか。そちらも軽症の方が多い状態ですか。

 肺炎が確認され、酸素吸入を必要とする方は現時点ではそれほど多くはありません。COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの基礎疾患を持っていて、感染することによって酸素需要が増えるケース、あるいは食事を取らなくなってきて体調を崩すケースなどが見受けられます。

 デルタ株とは高齢者の病態も異なります。ただし、依然として高齢者にとっては危険な病気であることは間違いありません。

――急激に感染者が増える中で、入院できない方も増えているのでしょうか?

 これまでは、高齢で重症化リスクがある患者は経過観察のためにも入院をするという対応をしていました。しかし、そのような対応を続けることが難しくなってきています。既に高齢者施設での感染者が多く確認されています。全員を入院させることはできません。現在は症状が強く出ている患者を優先的に入院させています。

――先週の3連休、成人式の影響についてはどのように考えていますか?

 実は既に成人式の場で感染したと思われる方々が確認されています。今はその場に参加していた人の間で感染が広がっていますが、これからはその人たちの家族や職場で感染が広がると予想されます。社会全体へ広がるのは時間の問題です。

 今後は学校や家庭など、あらゆる場所で感染が広がっていく。デルタ株に比べて重症化しにくいとはいえ、感染者の母数が増えてくれば一定の割合で重症化する人が増えることを懸念しています。

投稿者: 大橋医院

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