大橋院長の為になるブログ

2021.11.30更新

国立感染症研究所は11月28日、新型コロナウイルスの変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)を注目すべき変異株(VOI)から懸念すべき変異株(VOC)に変更すると発表した。南アフリカなどでの確認を受けて11月26日にVOIに指定して監視体制を強化していた(資料は感染研のホームページ)。

 これに伴い、厚生労働省は11月28日にサーベイランスの徹底を求める事務連絡を都道府県、保健所設置市、特別区に発出した。ゲノム解析を従来の実施率(5~10%)に関わらずできる限り多くの検体で行い、特に入国後 14 日以内の入国者および帰国者が SARS-CoV-2 陽性と判定された場合には、滞在国に関わらず、速やかにゲノム解析を行うことを求める。また、近く変異株PCR検査の再開も通知する予定(資料は厚労省のホームページ)。

 感染研はオミクロン株に共通するスパイクタンパク質の変異のうち、H655Y、N679K、P681Hは「S1/S2フリン開裂部位近傍の変異であり、細胞への侵入しやすさに関連する可能性がある」と指摘するとともに、nsp6における105-107欠失はこれまでの感染拡大の要因となってきたアルファ株、ベータ株、ガンマ株、ラムダ株にも存在する変異で「免疫逃避に寄与する可能性や感染・伝播性を高める可能性がある」としている。

 感染研のまとめによるとオミクロン株は11月27日時点で日本ではまだ検出されていないが、南アフリカの77例など9カ国で検出。同国ではデルタ株から急速に置き換わりが進み、著しい感染・伝播性の高さが懸念されるほか、「既存のワクチン効果の著しい低下、及び再感染リスクの増加が強く懸念される」としている。WHO、欧州CDCは11月26日にVOCに位置付けた。

 

投稿者: 大橋医院

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