ニーチェの言葉(7)必要な鈍さ:
いつも敏感である必要はない。特に人との交わりにおいては、相手の何らかの行為や考えの動機を見抜いても知らぬふうで、いるような、一種の偽りの鈍さが必要だ。
また言葉をできるだけ好意的に解釈することだ。そして、相手をたいせつな人として扱う。しかし、こちらが気を遣っているふうには決して見せない。相手よりも鈍い感じでいる。
これらは社交のコツであり、人への労りである。
(8)あらゆる人からすかれなくてよい*
生理的嫌悪を持っている人に対して、いくら丁寧に接しても、その場で見直してもらえることは無い。そして、結局は慇懃無礼なやつだと思われてしまう。
誰からも好かれるのが当然と思わず、ふつうに接していた方が良い。
(9)自分の生きた意見を持つ:
活きた魚を手にするためには、自分で出かけていきうまく魚を釣り上げなければいけない。これと同じように、自分の意見を持つためには、自ら動いて自分の考えを掘り下げ、言葉にしなければいけない。自分の意見を持つことを面倒がる連中は、金を出してケースに入った化石を買う。この場合の化石とは、他人の昔の意見だ。そして彼らは買った意見を自分の信念としてしまう。そんな彼らの意見は
いきいきしておらず、いつまでたっても変わらない。けれども、この世にはそういう人間が数多くいるのだ。