大橋院長の為になるブログ

2021.01.29更新

SIADHについて:

バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き
(平成22年度改訂)
A. バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断の手引き
Ⅰ.主症候
1.脱水の所見を認めない。
2.倦怠感、食欲低下、意識障害などの低ナトリウム血症の症状を呈することがある。
Ⅱ.検査所見
1.低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は135 mEq/Lを下回る。
2.血漿バゾプレシン値:血清ナトリウム濃度が135 mEq/L未満で、血漿バゾプレシ
ン濃度が測定感度以上である。
3.低浸透圧血症:血漿浸透圧は280 mOsm/kgを下回る。
4.高張尿:尿浸透圧は300 mOsm/kgを上回る。
5.ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は20 mEq/L以上である。
6.腎機能正常:血清クレアチニンは1.2 mg/dl以下である。
7.副腎皮質機能正常:早朝空腹時の血清コルチゾールは6 μg/dl以上である。
Ⅲ.参考所見
1. 原疾患(表1)の診断が確定していることが診断上の参考となる。
2. 血漿レニン活性は5 ng/ml/h以下であることが多い。
3.血清尿酸値は5 mg/dl以下であることが多い。
4.水分摂取を制限すると脱水が進行することなく低ナトリウム血症が改善する。

[診断基準]
確実例:Ⅰの1およびⅡの1~7を満たすもの。

[鑑別診断]
低ナトリウム血症をきたす次のものを除外する。
1.細胞外液量の過剰な低ナトリウム血症:心不全、肝硬変の腹水貯留時、ネフロー
ゼ症候群
2.ナトリウム漏出が著明な低ナトリウム血症:腎性ナトリウム喪失、下痢、嘔吐 おおはし

投稿者: 大橋医院

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