大橋院長の為になるブログ

2020.09.24更新

高濃度ビタミン点滴の弊害おおはし

高濃度ビタミンC点滴療法で、がんが完治することはありません。がん細胞の縮小効果も、確認されていません。むしろ、効果がない可能性が高いといわれています。
 では、なぜ「がんに効く」と話題になっているのでしょうか。それは、ビタミンCには強力な抗酸化作用があるからです。大量にビタミンCを血中に投与する と、その際に大量の過酸化水素が発生します。この過酸化水素はがん細胞を死滅させます。また、正常な細胞は過酸化水素を中和するはたらきがあるので破壊さ れません。このことから抗がん作用があるのではないかと注目されているのです。
 しかし大規模な臨床試験でも、がん細胞を縮小させる効果はいまだ確認されていません。もし、高濃度ビタミンC点滴療法の効果が確認されているなら、現状 の抗がん剤治療(化学療法)にとって代わっているでしょう。ところがそうなっていません。このことからも抗がん作用が認められていないことがわかると思い ます。
 現在、日本ではこの高濃度ビタミンC点滴療法は美容クリニックなどで多くおこなわれています。もちろん抗がん療法としてではなく、ビタミンCの持つコラーゲン生成促進効果による美肌効果や、疲労軽減効果などを期待しておこなわれています。
Q:安全性、費用などを教えてください。
A:ビタミン剤だから絶対安全とはいいきれません。腎臓の悪い方や心不全の方などは水分が過剰に貯まり、病状の悪化をまねく恐れがあります。また栄養状態の悪い人も腹水が貯まることがあり、危険です。
 またビタミンCの大量点滴によって、自分の赤血球が崩壊してしまう(溶血)体質の人の場合は大変危険です。その他、消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢など)が現われることもあります。
 高濃度ビタミンC点滴療法は、保険の適用にはならず、全額自費です。通常、高濃度ビタミンC点滴療法は週1~2回おこなわれています。1回につき2~4万円ほどが相場で、これを数年続けるため、合計するとかなりの経済的負担になります。

投稿者: 大橋医院

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