大橋院長の為になるブログ

2020.09.14更新

唾液がPCR検査の検体として使用可能に 利点と欠点:

6月2日より検体として唾液を用いたPCR検査が可能となりました。

唾液を用いたPCR検査の導入について

ただし全てが唾液に取って代わるわけではなく「症状発症から9日以内の者」に限り、唾液を用いたPCR検査が可能とのことです。

しかし、これまでPCR検査は鼻咽頭スワブまたは喀痰で行われることが多かったため、受診者と医療従事者にとっては大きなメリットがあります。

唾液を用いたPCR検査の有用性、メリットとデメリットについて整理しました。

新型コロナウイルスは唾液からも検出される
SARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス)が患者の唾液からも検出されるという報告は、2月の時点からありました。

しかし、この時点では症例数が十分ではないため、唾液が検査に使用できるかどうかの検証が不十分でした。

その後、検体としての唾液の研究がいくつか報告されました。

新型コロナウイルスは下気道(気管、気管支、肺)でウイルス量が多いため、気管内吸引痰と比較するとウイルス量は少ないですが、唾液でも20日くらいまでは10の4乗コピー/mlくらいの量が検出されています。

鼻咽頭よりも唾液の方がウイルス量が少ない傾向にある
では従来よく検体として用いられていた鼻咽頭スワブと比較するとどうでしょうか。

唾液PCRは検査を受ける人、そして医療従事者にもメリットがある
繰り返しになりますが、これまで新型コロナの検査には、PCR検査の検体として鼻咽頭の粘液を採取していました。

インフルエンザの迅速検査などで鼻咽頭の粘液を採取されたことがある方はお分かりかと思いますが、かなり辛いです。

唾液を用いたPCR検査を行う場合には医療従事者は毎回個人防護具を着る必要がなくなるわけです。

これは正直めちゃありがたいです。

というわけで、受診者と医療従事者にとってメリットも大きい唾液PCR検査ですが、鼻咽頭スワブを用いた場合と比べると検出率が低下する可能性もあるので、発症からの日数などの条件も考慮し、メリットとデメリットを理解した上で使い分ける必要があるでしょう。

なお、しっかりと良質な痰が出せる方は、一般的に痰の方が唾液や鼻咽頭よりもウイルス量も多いので、痰を用いた方が良いかもしれません。その場合、検査を受ける前に「痰が出ます」と自己申告するようにしましょう。おおはし4

投稿者: 大橋医院

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