大橋院長の為になるブログ

2020.05.15更新

心音:Ⅰ音:房室弁(僧帽弁と三尖弁)が閉じるタイミングに出る音とされています。Ⅰ音の大きさは、まさに心室収縮が始まろうとする時に房室弁の開き具合によって決まります。

Ⅱ音:Ⅱ音には、ⅡA:大動脈成分とⅡP:肺動脈成分があります。ⅡAとⅡPの鑑別は、ⅡAは、大動脈に沿って心尖部と右頚部方向に広い範囲で聞こえますが、ⅡPは、第4肋間胸骨左縁に限局して聞こえます。よって、Ⅱ音を語るとき、両方の成分が聞こえる第4肋間胸骨左縁に聴診器を当てることが大事です。

Ⅲ音:Ⅲ音(心室充満音)は、心尖部で聞こえ、生理的Ⅲ音と病的Ⅲ音があります。小児(中学〜高校生)では、胸壁が薄くて心筋の伸展性が良いために発生します。心尖拍動は、短く(収縮期前半のみ)触れ、Ⅰ音、Ⅱ音も大きくて、低音〜高音成分を含む正常な生理的Ⅲ音を聴くことができます。大人でⅢ音がきこえる場合は、病的Ⅲ音で、うっ血性心不全、拡張型心筋症などで、左室拡張期圧が上昇し、左室内腔の拡大していると発生します。心尖拍動は、500円玉よりも大きく触れる、ゆっくり長く押すように触れ、頻脈に伴い、心尖部で左側臥位にして、Ⅰ音の減弱に加え、Ⅲ音も低音なのでベル型で聴かないと聞こえません。

Ⅳ音:Ⅳ音は、心房音です。正常では聞こえません。Ⅳ音が聞こえる時は、病的Ⅳ音というわけです。肥大型心筋症や高血圧性心疾患で心筋肥厚(左室肥大)があり、左室の伸展性が悪い状態で(拡張障害)左房収縮で代償しようとすると左室拡張末期が急に上昇して聴かれる頻度が高くなります。Ⅲ音は心不全にならないと聞こえませんが、Ⅳ音は、心不全がなくても(前段階)心肥大の段階で見つけるとことができます。心尖拍動で、二峰性に拍動を触れれば、Ⅳ音のサインです。おおはし

投稿者: 大橋医院

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY