2020.05.14更新

君の名は:『忘却とは忘れ去ることなり。 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ』

主演の佐田啓二が後宮春樹を、ヒロインの岸恵子が氏家真知子を演じるメロドラマです。

純な愛の物語なのですが、男女のすれ違いを巧みに描き、「ドラマは、これから一体どうなっていくのだろうか
?」との、視聴者心理を巧みに突いた筋立てとなっています。

~あらすじは~
昭和20年5月24日の空襲の中で、偶然に出会った若い男女が、戦火の中を手に手をとって逃げ惑い、防空壕
で一夜を明かします。
そして別れる際に、銀座の数寄屋橋の上で、春樹が「もし生きていたら、半年後の24日にここでお逢いしません
か。」と聞き、女性も「ええ、もし生きていたら・・・」と応えて去っていく。
女性の後ろ姿に『君の名は・・・?』と尋ねるのだが、空襲のサイレンが鳴り響き、慌ただしい喧騒の中で、お互
いに名乗れないまま別れて行きます。

・・・半年後の再会の日、真知子は空襲で親を亡くし、親戚の叔父を頼って佐渡へ渡る船上から、遠い東京を見
詰めていました。
一方、春樹は約束の数寄屋橋へ行き、真知子をひたすら待ち続けるのですが、真知子は遂に現れません。

映画は、北海道から九州まで西に東に舞台を移しながら、男女それぞれの人生の紆余曲折を経ながら、展開し
て行く。おおはし

投稿者: 大橋医院