大橋院長の為になるブログ

2020.05.12更新

新型コロナ、小児とアレルギー患者の感染リスクが低い要因を検証  米国立衛生研究所(NIH)は5月4日、一般の小児とその家族を対象に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の実態を検討する大規模前向き観察研究を開始したことを発表した。「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化例が成人に比べ、なぜ極端に少ないのか」が研究の発端で、アレルギーの有無と感染リスクや重症化の関連なども併せて検討するとしている。呼吸器アレルギーを有する成人や小児の同ウイルスへの感受性が低下しており、重症化する割合が低い可能性を示す結果が出ているそうだ。気管支喘息、またはネコアレルゲンに対するアレルギー性鼻炎を有する小児や成人を対象とした最近の検討では、気道上皮のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)遺伝子発現が喘息の重症度やアレルゲンへの感受性が最も高い群で最も減少していたとの結果も報告されている。ACE2はSARS-CoV-2の宿主の細胞への侵入経路として知られており、予後との関連や予防・治療の標的として注目されている。
 HEROS試験では、アレルギーを有する小児の気道上皮細胞のACE2遺伝子発現抑制とSARS-CoV-2感染、およびCOVID-19発症リスク低下との関連も検討される見通し。

「SARS-CoV-2大流行で小児の重症化例が極めて少ないことは、関心事の一つ」と試験背景を説明するのは、同試験を支援する国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のAnthony S. Fauci所長。「小児がそもそも同ウイルスに感染しにくいのか、感染しても症状が出にくいのか、HEROS試験が何らかの手掛かりをもたらしてくれるだろう」と期待を示している。おおはし

投稿者: 大橋医院

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