大橋院長の為になるブログ

2020.05.29更新

D-dimer上昇が重症化マーカー、4段階で重症度分類
厚労省がCOVID-19の「診療の手引き」を改訂

血栓症のスクリーニングとしてD-dimerに注目
 研究代表者の国際医療福祉大学感染症学教授・加藤康幸氏は、18日の記者ブリーフィングで「重症化マーカーの中でも特に強調しているのは、D-dimerの上昇だ。COVID-19では今、肺炎と血栓症が合併する病態が考えられている。肺炎だけでなく、血栓症を起こし、呼吸不全に至ることがあるので、血栓症のスクリーニングとしてD-dimerを診ることは大事」と説明。D-dimerが正常上限を超える場合には、抗凝固療法の実施を推奨している。
 重症化マーカーとしては他に、CRPの上昇、LDHの上昇、フェリチンの上昇、リンパ球の低下、クレアチニンの上昇を挙げた。重症化マーカーを臨床判断の一部として活用し、総合的に病態評価を行う。
 重症度分類を提示したのは、今回が初めて。重症度に応じた診療方法を推奨している。加藤氏は、重症度分類を行う意義について、「COVID-19に対する有効性、安全性が確立された抗ウイルス薬はない。支持療法、つまり患者の状態を細かく観察して、人工呼吸器やECMOなどを使用することが、予後改善には大切となる」と説明。中等症は少し幅広い分類になっており、呼吸不全の有無で分けているのが特徴であり、SpO2≦93%で呼吸不全がある場合には、人工呼吸器、ECMOが使える施設への転院を検討する(表1)。

表1. 重症度分類(医療従事者が評価し、利用する基準)おおはし

重症肺炎の中でも、比較的軽症のL型と、重症のH型に分類。L型からH型に移行するため、病態に応じた人工呼吸器管理を行うことが必要であるとし、H型では、ECMOを使用する(表2)。
表2. 人工呼吸器管理の観点から肺炎を2つに分類し、効果的に管理するおおはし

診療の手引き」は、(1)病原体・臨床像、(2)症例定義・診断・届出、(3)重症度分類とマネジメント、(4)薬物療法、(5)院内感染対策、(6)退院・生活指導――という6章立て。薬物療法では、この5月7日に特例承認されたレムデシビル(商品名ベクルリー)を「日本国内で入手できる適応薬」として記載し、「日本国内で入手できる薬剤の適応外使用」として12種類の薬剤を列挙。加藤氏によると、全て国内で臨床研究が実施中というわけではないという

投稿者: 大橋医院

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