2020.05.18更新

COVID-19以外の患者や家族、医療者に生じている3つの影響:COVID-19パンデミックは、COVID-19に罹患した人に限らず、他の疾患を治療中の患者の療養環境にも強い影響を与えています。感染が蔓延している地域での多くの入院患者は、感染防御のためCOVID-19感染の有無にかかわらず、面会が厳しく制限、禁止されるようになっています。そのため、治療・症状緩和のために入院の適応があったとしても、在宅を望む患者も出てきています。
 また、COVID-19感染に医療機関の能力を充てるため、あるいは職員の感染のために、他の疾病の治療対応が著しく制限される場面も実際に生じてきています。これも今までわが国では経験したことのない事態です。パンデミックが悲嘆に与える影響は大きく3つに整理できます。

1) パンデミック、感染の蔓延による影響
 COVID-19に対する不安や恐怖、感染が拡大することへの反応、家族や地域、施設での複数の喪失体験があります。これらは「自分の大事な人が感染するかもしれない」「自分の街でも感染が広がるかもしれない」との不安(予期悲嘆)を引き起こします。医療従事者は感染者が自施設に入院してきた時への対応、その中での喪失体験とその量的な多さに身構えることが起こります。

2) 社会的距離 (social distance)、自宅待機による支援の減少
 感染制御のため、物理的・社会的な交流が止められることに併せて社会的支援も喪失します。経済的な安定が失われ、自由に移動する自律性も失われます。

3)死亡者の増加、医療機関への過剰な負荷
 罹患者数が多くなると、限りある医療資源をどのように分配するかのトリアージの議論(社会的正義の議論)と本人にとっての最善の治療(自己決定権)がぶつかり合う場面が生じ医療従事者に過剰な負荷をもたらします。複雑性悲嘆は家族だけではなく、それを支える医療従事者にも苦痛を引き起こし、二次的なトラウマを生じます。おおはし

投稿者: 大橋医院

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