大橋院長の為になるブログ

2020.05.27更新

COVID-19にロピナビル・リトナビルは無益 :

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)成人患者199例を対象に、抗HIV薬ロピナビル・リトナビルの効果を非盲検無作為化比較試験で検討。

 RT-PCR検査でウイルス陽性が確定し、胸部画像でCOVID-19による肺炎の所見を認め、動脈血酸素飽和度(SaO2)が94%未満または酸素分圧(PaO2)/吸入酸素濃度(Fio2)が300mmHg未満を示した18歳以上の男性および非妊娠女性を適格とし、標準治療に加えてロピナビル・リトナビル(それぞれ400mg・100mg)を1日2回、14日間経口投与するグループと標準治療のみを実施するグループに無作為に割り付けた。

 その結果、臨床的改善までの期間に被験薬群と標準治療群で有意な差はなく(臨床的改善のハザード比1.24、95%CI 0.90-1.72)、28日時の死亡率も両群同等だった(被験薬群19.2%vs. 標準治療群25.0%、差-5.8%ポイント、95%CI -17.3-5.7)。修正intention-to-treat解析では、ロピナビル・リトナビル投与によって臨床的改善までの期間中央値が標準治療群より1日短縮した(ハザード比1.39、1.00-1.91)。被験薬群では消化管関連有害事象の頻度が高かったが、標準治療群の方が重篤な有害事象が多かった。被験薬群では13例(13.8%)が、有害事象のため早期に治療を中止した。 おおはし

投稿者: 大橋医院

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY