大橋院長の為になるブログ

2020.05.25更新

C小児の予防接種が軒並み激減:米国
 全米でCOVID-19パンデミックに対する緊急事態宣言ならびに外出自粛命令が出された3月13日以降、小児の定期予防接種率が大きく低下し続けている(MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020; 69: 591-593)。麻疹混合ワクチン、非インフルエンザワクチンのいずれも前年同時期に比べ、予防接種の回数(注文本数)が著しく減少していた。
 解析を行った米国立疾病管理センター(CDC)国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のJeanne M. Santoli氏らは、「予防接種のための外出は不要不急ではない」と強調。外出自粛命令が緩和された際に、未接種児の間で麻疹などのワクチンで防げる疾患(VPD)の発症リスクが高まることに懸念を示し、地域の医療機関や保健当局などでの接種率回復のための取り組みが必要と呼びかけている。

OVID-19流行で高まる二次健康被害の懸念:

非緊急手術の「積み残し」増加が外科の体制を変える?:カナダ
 3月のCOVID-19パンデミック宣言以降、非緊急手術が2カ月もの間延期されていることにより、経時的に緊急度が高まる手術の「積み残し(backlog)」が増加しつつある。カナダ医師会雑誌(CMAJ)5月8日付ニュースでは、カナダ国内のがんや心疾患の待機手術の再開が遅れるほど、患者の予後の悪化やリスクの高い複雑な術式を余儀なくされるケースが増えるだろうとの外科医らの懸念を取り上げている。
 同ニュースでは、地域レベルで手術のためのスペースを他の施設の手術チームが利用できるように融通するWomen’s College Hospital(トロント)の試みを紹介している。ただし、この試みも延期される手術の増加にいつまで耐えられるか不安が残るようだ。同病院の関係者らは今後パンデミック前の日常に戻ることは容認されないと考えており、患者の手術割り当てが「医療機関の空き」ではなく、「最初に対応できる外科医のチーム」で判断されていくことが望ましいとの見解を示している。
都市封鎖の緩和に伴う超過死亡、程度によっては大きく増加:英国
 一方、都市封鎖の解除が、高齢者や心疾患、糖尿病などの基礎疾患を有する高リスク者の超過死亡に与える影響も試算され始めている。英国の30歳以上の国民380万人の診療記録を利用して、基礎疾患の有病率やパンデミック前の死亡率など実態を反映した解析(ロンドン大学5月12日付リリース 、Lancet 5月12日付電子版)では、都市封鎖の緩和の程度によっては、COVID-19流行による高リスク者の1年以内の超過死亡が3万7000から7万3000に達するとの予測も示されている。おおはし

投稿者: 大橋医院

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