大橋院長の為になるブログ

2020.02.14更新

新型コロナウイルスとの闘い、抗HIV薬は有効か

新型コロナウイルスの急速な拡散を一刻も早く封じ込めようと医師らが懸命に取り組む中、抗レトロウイルス薬とインフルエンザ薬の混合薬が、治療薬の候補の一つとして浮上してきた。

だが、混合薬が実際に有効かどうかについての科学的な結論は出ておらず、特定の治療法の開発には数年かかる可能性があると、専門家らは指摘している。
 重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た新型コロナウイルスの治療について、これまでに分かっていることおよび分かっていないことについてまとめた。

■なぜ抗レトロウイルス薬なのか
 一般的なインフルエンザと診断された患者は、タミフルとして知られる抗ウイルス薬を処方されることが多い。
 だが、仏パリのパスツール研究所によると、季節性のインフルエンザは「中国の新型コロナウイルスとは全く違う」。
 中国の医師らは2週間前、北京で新型コロナウイルスの患者に抗エイズウイルス(HIV)薬を投与していることを認めた。この措置は、SARSに対し「良好な」反応を示したとする2004年の研究に基づいているという。
 抗HIV薬のロピナビルとリトナビルを併用すると、患者の血液中に存在するHIVに感染した細胞数が減少し、HIVの複製能力と免疫システムを攻撃する能力がなくなる。
 医師らは、これら2種の抗HIV薬とオセルタミビルと呼ばれる抗インフルエンザ薬の組み合わせが、新型コロナウイルスに有効な可能性があると期待している。
 タイでは、この3種混合薬を71歳の中国人患者に投与したところ、48時間以内に陰性の検査結果が得られた。

■実際に有効か
 一言でいえば、正確には分からない。
 中国の専門家らは、SARS患者に投与した抗レトロウイルス薬が「著しい臨床的有効性」を示すことは、2004年の研究で明らかになっていると主張している。
 だが、1月24日に英医学誌ランセットに掲載された研究論文は、新型コロナウイルス患者41人を対象とした無作為臨床試験では「複数の限界」がみられたとしている。
 シンガポールのチーフ・ヘルス・サイエンティストを務めるタン・チョー・チュアン氏は、国内の医師らはこの抗レトロウイルス薬治療と同様の措置を講じていると述べている。だが、治療結果の詳細には触れなかった。
 この他にも「有望」とみられる研究結果が複数あり、武漢で臨床試験が開始されている。

■製薬大手各社の対応
 製薬会社も新型コロナウイルスの治療薬開発に取り組んでいる。
 米カリフォルニア州に拠点を置く製薬会社ギリアド・サイエンシズは、SARSの治療に使われた薬剤「レムデシビル」の効果を探るための臨床試験を中国当局と共同で進めているという。
 新たな治療法の開発も進められている。米厚生省は米製薬大手リジェネロン・ファーマシューティカルズと提携し、新型コロナウイルス治療のためのモノクローナル抗体の開発を行っている。同社はエボラ出血熱患者の生存率を著しく上昇させることに成功したモノクローナル抗体製剤を手掛けたことで知られている。
 一方、中国、オーストラリア、仏パスツール研究所の3チームがこれまでに、新型コロナウイルスを実験室で培養することに成功している。
 この成功により、新型コロナウイルスが細胞内でどのように増殖するかを解明する上での「アキレスけん」を突き止められる可能性があると、パスツール研究所は指摘した。

投稿者: 大橋医院

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY

院長の為になるブログ お問い合わせ Facebook Facebook
doctorsfile