<線維筋痛症とは>
脳の機能障害は、心理的・社会的なストレスや外傷がきっかけとなって発症する事が多いと考えられています。ただ、ストレスを受けた人すべてが線維筋痛症を発症する訳ではなく、まだよくわかっていないことも多いため、現在でもさまざまな議論・研究が行われています。
症状
線維筋痛症の主な症状は「強い痛み」です。線維筋痛症は、痛みの部位が全身であったり、身体の一部であったり、痛みの部位が流動的です。痛み以外の症状では、「疲労感・倦怠感」、「こわばり感」、「睡眠障害」、「うつ状態」などをはじめ、さまざまな症状が報告されています。
こうした症状は悪影響を及ぼし合って進行・慢性化しやすく、その結果、日常生活に支障をきたすこともあります。
診断基準
線維筋痛症の診断は、(1)広範囲(右半身/左半身、上半身/下半身、体軸という身体の真ん中)の痛みが3ヵ月以上続いていること、(2)図に示した18ヵ所(圧痛点といいます)を指で押して、11ヵ所以上で痛むこと、が条件となります。
ただし(2)については11ヵ所以上なくても、医師の判断で線維筋痛症と診断されることもあります。
薬物療法
従来のいわゆる非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などは効果が認められないケースがあり、最近ではいくつかの薬剤が線維筋痛症の痛みの軽減に効果があるとして、効能を取得し使用されています。
さらに、痛みで眠れない患者さんのために、睡眠導入剤や睡眠薬を使用することもあります。薬物療法については、医師の指導下で行うことが必須となります。
その他の治療薬
ステロイド
ステロイドとは、生体内の副腎皮質ホルモンを人工的に合成した薬剤で、強力な抗炎症作用、免疫抑制作用を有する薬剤です。
副作用には、易感染性、骨粗鬆症、糖尿病、高脂血症、高血圧、精神障害、消化管障害、副腎不全、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満、多毛などがあります。
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液とは、「ワクシニア」というウイルスをウサギの皮膚に投与したときにできる炎症部分から取り出した成分を、分離・精製して、鎮痛作用を持つ活性成分として製剤化した薬剤です。
痛みを感じにくくする経路(下行性疼痛抑制系)を活性化することで、鎮痛作用を示すことが知られています。
今私は、52歳の男性の線維筋痛症を見ています。頻脈で苦労しています。