2019.10.29更新

僕は子供のころから、ファンだった。

それは映画「宮本武蔵」であった。武蔵が三船敏郎、おつうが八千草薫、武蔵は村の暴れん坊で、困りものであったが、

沢庵坊主の策略で、姫路城の天守閣に彼を押し込めた。そこで武蔵が目にしたのは、古今東西の「武士道」に関する書物であった。

2年後、彼は生まれ変わり、剣の道:武士道に生きることを決意する。その2年間、武蔵をすぐそばのだんんご小屋でおつう(八千草薫)は

待ち続けた。おつうの前に現れた武蔵は、生まれ変わっており、これから「武士道」を極めるため旅に出るという。おつうはあなたをここで2年間待ちました。

私もつれていってください。すぐに旅支度をしてまいります。そのすきに武蔵はいなくなった。ただ橋の欄干に「おつう、許せ、武蔵」と刻んであった。

それからが大変である。武蔵の待ち受ける武士道は、宍戸梅権、吉岡道場、佐々木小次郎(鶴田浩二)、おつう(八千草薫)は、いつまでも、どこまでも、

武蔵を追い続けた。巌流島の佐々木子女郎との決闘の時、武蔵はおつう(八千草薫)に「お前は俺の妻だから」とはじめてプロポーズをした。

八千草薫の美しいこと、けなげで、ひたむきで、それでいて芯がある。日本女性の鏡と思った。その後、宝塚出身であること、彼女の作品を何十年と、僕は追いかけ、

今でも彼女が他界したことを悲しんでいる。本当に美しい人であった。

投稿者: 大橋医院