大橋院長の為になるブログ

2019.07.26更新

糖尿病の最新エビデンス  大橋信昭
今回はリナグリチン(トラゼンタ)を中心に、他剤との比較を考えながら、
糖尿病を勉強した。DDP-4阻害剤はアドヒアランスがよく、特にリナグリチンは、腎臓に負担をかけない。そこにはキサンチン骨格が強く関係している。
また、マクロファージの脂肪組織を減らし、抗炎症作用も強く、酸化ストレスも減らす。インスリン抵抗性も改善する。インクレチン作用もあり、血管内皮機能を改善し、心不全も減らす。
 エビデンスとしてCAROLNASA試験、CARMELA試験が大切である。
トラゼンタは他のDDP-4阻害剤と同様に全死亡を減らし、心不全の入院を減らす。
eGFRが30-45の腎機能低下例にトラゼンタは有効である。胆汁排泄型でアルブミン尿を減らし、腎保護作用がる。
最近血管機能の新たな診断法ができたが、血管中膜を改善し、冠動脈の内皮機能を改善する。
トラゼンタは糸球体の内皮細胞を改善し、微量アルブミン尿を改善する。
早期介入が望ましく、HbA1c6.5未満、75歳で7.0未満が対象としてもよい。
トラゼンタは健康寿命を延ばす。心血管イベントを抑制する。糖尿病初期の軽症例にCAROLINA試験は行われた。進行した幅広い2型糖尿病にCARMELIN試験は行われた。メカニズムとして抗酸化作用、抗炎症作用、キサンチン骨格の存在、DM合併令の冠動脈疾患の腎臓を介した心保護作用が考えられる。
HbA1cの前値より2%低下作用、糖尿病合併隠れ心不全(拡張機能低下型心不全)にトラゼンタは勧められる。東洋人は、DDP-4阻害剤が向いており、トラゼンタの有効性が光る。糖尿病、腎代謝低下例、心不全合併例、などにはトラゼンタを使っていきたい。おおはし

投稿者: 大橋医院

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