大橋院長の為になるブログ

2019.06.04更新

進歩するCOPD治療を知る
薬物治療の中心は吸入療法:COPD
COPDの治療法は主に薬物療法と非薬物療法(運動療法や栄養療法など)に分けられます。COPD治療の中心となっているのは「細くなった気管支を広げる薬(気管支拡張薬)」や「気管支や肺の炎症を抑える薬」を使った薬物療法です。息切れを軽くし、楽に動けるようになることを目的として様々な薬が使用されます。
最近では、気管支拡張薬の長時間作用性抗コリン薬(LAMA:ラマ)もしくは長時間作用性β2刺激薬(LABA:ラバ)がまず選択され、さらに医師が患者さんの症状や重症度、ぜん息などCOPD以外の疾患を考慮し、何種類かの薬が用いられることもあります

COPD治療に使われる主な薬
薬物治療においてまず使用される「長時間作用性抗コリン薬(LAMA)」「長時間作用性β2刺激薬(LABA)」はどちらも気管支を広げて呼吸を楽にする吸入薬です。最近では、LAMAとLABAの合剤(これまでのCOPD治療の変遷)も使用されるようになっています。
長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

スピリーバ®

シーブリ®
• 気管支が収縮して狭くなるのを抑え、呼吸を楽にします。1日1回の吸入で作用は24時間持続します。
• 前立腺肥大のある方は、排尿困難症状が悪化する恐れがあるので注意が必要です。
• 閉塞隅角緑内障の患者さんには使用できません

長時間作用性β2刺激薬(LABA)

オンブレス®

セレベント®

オーキシス®
• 気管支を拡張させて、呼吸を楽にします。1回の吸入で作用が12~24時間持続します。
• 脈が速くなる、手指のふるえなどがみられることがあります。
• 心臓に負担をかけてしまうことがあるため、心疾患のある患者さんは使用する際に注意が必要です。
吸入ステロイド薬
気道や肺に起こった炎症を抑える働きがあります。ぜん息を合併していたり、呼吸困難が強く、頻繁に悪化を繰り返す患者さんに、LAMAやLABAに追加して使用されます。
テオフィリン製剤
気管支を広げる働きがある飲み薬です。LAMAやLABAに追加して使用されることがあります。
短時間作用性β2刺激薬
吸入してから短い時間で気管支を広げる働きがあります。
運動時だけ呼吸困難がみられる軽い症状のCOPD患者さんにまず使用される薬で、日常生活の呼吸困難の予防に有効です。
長時間作用性β2刺激薬/
吸入ステロイド薬配合剤
気管支を拡張させる働きと、炎症を抑える働きの両方を併せ持っています。2種類の薬を1つの吸入器で吸入することができるため、利便性が高く効果を得られやすいとされています。
喀痰調整薬
COPD患者さんの多くが訴える、たんの症状を緩和させる薬です

おおはし

投稿者: 大橋医院

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