大橋院長の為になるブログ

2019.03.20更新

睡眠のしくみは?
人は、眠るとすぐに深い睡眠といわれる「ノンレム睡眠」の状態に入り、その後に浅い眠りといわれる「レム睡眠」に移ります。ふたつの睡眠を繰り返して人は眠っているのです。
レム睡眠とノンレム睡眠とは?
レム睡眠下では、目を閉じていても目玉が素早く動く「急速眼球運動」が起こります。体は眠っていますが、脳は活発に働いていており、体には脳から動くなという指令が出ているため、ほとんど動きません。夢を見るのは、ほとんどこのレム睡眠のときに起こるといわれており、夢見(ゆめみ)睡眠とよばれることもあります。
ノンレム睡眠下では「急速眼球運動」は起こりません。体の筋肉は働いているのですが、眠りが深く、脳の一部は休んでいる状態。夢はあまり見ません。

年齢で違う!
子どもの理想の平均睡眠時間

スムーズに眠れて、スッキリ起きられる理想の睡眠時間は、年齢によって違います。子どもの理想の平均睡眠時間を参考にして、就寝時間や起床時間を考えましょう。
子供の理想の平均睡眠時間
  0-3か月       14-17時間
  4-11か月      12-15時間
1-2歳          11-14時間
3-5歳          10-13時間
6-13歳          9-11時間
14-17歳         8-10時間
18歳以上        7-9時間
睡眠不足は子どもに悪影響!専門家が語る、良質な睡眠を得るための方法とは?
小学生の睡眠不足に悩むママから質問が寄せられました。
『小学5年ですが習い事があると夜遅くてその後もゲームするし寝るのは10時半に布団につき寝付くのはたぶん11時くらいです。
早く寝せたいのに旦那が一緒にゲームするしなかなか2人でやめません。
5年生くらいはどんな感じですか? もっと早く寝ますよね? 学校にスポーツクラブに頑張ってるからゲームくらいさせたがいいかなとおもうけど見ててイライラしちゃいます』
「睡眠時間」と子どもの成長の関係はあるの?
そもそも「睡眠不足」は子どもにとって悪いことなのでしょうか?
睡眠不足の1歳児は「指さし・喃語が少ない」、夜型の幼児は「攻撃性が高い」「不注意が多い」、夜型の5歳児は三角形が書けない、といったことが明らかになっただけでなく、平成26年度文部科学省の調べでも、睡眠不足が「易刺激性(何でもないのにイライラする)」「自尊心(自分のことが好き)の低下」に関連することが示されたそう。さらに睡眠不足は、体温の異常や、交感神経、副交感神経の異常をきたし、朝起きれない、肥満、高血圧、高血糖等、様々な体調の異常をきたしてしまうといいます。それだけでなく極端な寝不足が続けば、学習効果は少なくなってしまう可能性もあるそう。
今日からできる、子どもの睡眠を改善する方法
メディアには注意して
ゲーム・スマホ・テレビなどのメディアは本当は、眠る1時間前頃には止めた方がベター。脳が興奮して早く眠れなくなってしまうためです。特に小学生は21時が就寝の目標です。
学童期は脳も身体も成長する大事な時期、心身の成長が著しい時、早く寝ることは、決してかっこ悪いことでもなく、大切なことなのです。
早寝早起き朝ごはんを意識
太陽の光が、脳の一部、視交叉上核(しこうさじょうかく)に到達し、時計の遺伝子が活性化されて、心と体の生体リズムを作ります。子どもたちのために「早寝早起き朝ごはん」の活動をするよう努力してください。
ママ・パパの睡眠も大切に
もちろん保護者の注意は大切ですが、子どもは大人の生活の影響を受けてしまいます。そのため「保護者が早く寝ること」も重要です。
良質な睡眠を得るための3つの方法
就寝時は部屋の明るさを調整しよう
就寝1時間前からは、部屋の明るさを普段の半分に落としてあげましょう。
特に色温度の高い白い光は覚醒して活動的になるため、脳が入眠の状態になりにくくなります。
スマートフォンやタブレットのナイトモードを活用
今やスマートフォンやタブレットなどのデバイス保持の低年齢化が進んでいます。寝る間も惜しんで利用してしまうのは避けたいですが、教育現場でも使用されていることから、保有を禁止するのはなかなか難しい事情もあるでしょう。スマートフォンやタブレットが睡眠の妨げにならないよう、画面の光や色調が調整できる「ナイトモード」を活用することをおすすめします。
寝る直前にはできる限りスマホから離れることが良いですが、デバイスの機能を最大限活用することも一つの手です。
起きたらカーテンを開けて、光を取り込む

朝、光を浴びることも効果的です。
体内時計のある視床下部が刺激を受けることで、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、睡眠を促進するホルモン「メラトニン」が、目覚めてから14〜16時間後に、分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、睡眠に適した状態に導かれスムーズな寝つきが得やすくなります。このひと手間が「夜更かし」を防ぎ、規則正しい睡眠習慣に導いてくれます。
学校から帰宅しても宿題に追われ、塾に習い事にと、大人顔負けの忙しい日々を過ごしている、そんな小学生が多くなってきました。共働きの家庭では、ダブル学童や塾に通わせ、帰宅するのが夜の9時、10時になる子どもも珍しくありません。子どもの寝る時間が遅くなると、どのような影響があるのでしょうか
小学生の子どもは、夜8時に寝て、朝の6時までに起きるのが理想です。どの学年の子も10時間の睡眠が必要です。けれども塾や習い事、ダブル学童などで帰宅するのが夜の9時、10時になっては、既にその時点で理想の就寝時間を過ぎています。
 小学校で統計を取ってみると、多くの家庭では子どもたちの就寝時間の目標を夜10時にしています。学校のある日の起きる時間は6~7時ごろでしょうから、目標段階でも既に睡眠時間が2~3時間も削られていることになるわけですね。
 そもそも小学生の子どもが夜9時過ぎに帰宅する時点で、心身の健やかな成長に黄色信号が灯ります。睡眠時間を削ってまで塾などで英才教育を受けたとして、将来その子が大人になったとき、いい影響があると思いますか?
 残念ながら、答えはノーです。
この年代の子どもたちに必要とされる睡眠時間を10時間から8時間に短縮してしまうと、成長期の脳の発達に悪い影響を及ぼす可能性があります。そこで私は、小学生の親御さんに「せめて子どもたちを夜9時までに寝かせ、朝の6時に起きる9時間睡眠を心がけてください」とお願いしています。就寝時間の理想は夜8時ですが、子どもたちの今の生活スタイルを考えると、現実的には厳しいからです。
 以前、この連載で、睡眠をコントロールしているのは、脳幹とその上に乗っかる大脳辺縁系と小脳で、生命維持に必要最低限な機能を担っているとお話ししました。私はこれを「古い脳」と呼んでいます。
 「古い脳」に対して「新しい脳」と呼んでいる部分もあります。それは記憶や思考、言語など、人間が人間らしくあるための高度な心や情感を司る大脳皮質で、より進化した動物が獲得してきた部分です。私はこれを「おりこうさん脳」とも呼んでいます。
 勉強することは「おりこうさん脳」の働きになるので、小中学生のときにこれを鍛えることは大切です。ただし十分な睡眠をとっていないと、「おりこうさん脳」の土台になる部分がやせ細ってしまいます。つまり、睡眠時間を削って、勉強をすることは子どもの成長にとって、本末転倒なのです。
 「古い脳」の役割である土台というのは、人間が生きていくうえでの土台です。成長期の子どもたちの睡眠時間を削ってまで勉強をすることは、建物の土台になる1階部分をどんどん貧弱にして、その上に大きな2階をのせているようなもの。構造として非常にアンバランスです..
この年代の子どもたちに必要とされる睡眠時間を10時間から8時間に短縮してしまうと、成長期の脳の発達に悪い影響を及ぼす可能性があります。そこで私は、小学生の親御さんに「せめて子どもたちを夜9時までに寝かせ、朝の6時に起きる9時間睡眠を心がけてください」とお願いしています。就寝時間の理想は夜8時ですが、子どもたちの今の生活スタイルを考えると、現実的には厳しいからです。
 以前、この連載で、睡眠をコントロールしているのは、脳幹とその上に乗っかる大脳辺縁系と小脳で、生命維持に必要最低限な機能を担っているとお話ししました。私はこれを「古い脳」と呼んでいます。
 「古い脳」に対して「新しい脳」と呼んでいる部分もあります。それは記憶や思考、言語など、人間が人間らしくあるための高度な心や情感を司る大脳皮質で、より進化した動物が獲得してきた部分です。私はこれを「おりこうさん脳」とも呼んでいます。
 勉強することは「おりこうさん脳」の働きになるので、小中学生のときにこれを鍛えることは大切です。ただし十分な睡眠をとっていないと、「おりこうさん脳」の土台になる部分がやせ細ってしまいます。つまり、睡眠時間を削って、勉強をすることは子どもの成長にとって、本末転倒なのです。
 「古い脳」の役割である土台というのは、人間が生きていくうえでの土台です。成長期の子どもたちの睡眠時間を削ってまで勉強をすることは、建物の土台になる1階部分をどんどん貧弱にして、その上に大きな2階をのせているようなもの。構造として非常にアンバランスです。

危うい脳を育ててはいけない
脳の成長期に睡眠が足りず、土台部分がもろい脳に育ってしまったら
ちょっとしたことがきっかけでキレたり、人に暴力を振るったり、ネットで悪口を拡散したりするような人が増えているように思います。
人としての枠から外れる思いもかけない行動や、理不尽な行動をする子どもは、脳の土台部分がもろく、人間として大事な部分がうまく育っていません。かつてのそういった子どもたちが今大人になり、ポキンと折れそうになりながらも、必死にがんばっている例もあるでしょう
ママやパパも眠不足を解消してください。睡眠不足の子どもは自尊心が低い
小学校2年生の2人に1人が睡眠障害を抱えている現状。子どもたちの心と体は悲鳴を上げていると言っても決して過言ではありません。

おおはし

投稿者: 大橋医院

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