大橋院長の為になるブログ

2018.10.12更新

飲酒は肝臓に悪いことや、大量飲酒習慣が肝硬変の原因になることは、よく知られています。肝硬変から肝がんへと進行することもあり、飲酒は肝がんの原因であると長らく考えられてきました。
日本には肝がんが多いのですが、その9割以上はC型またはB型肝炎ウイルスへの慢性感染によるものです。また、日本人には、お酒に弱い、すなわちアルコールの代謝物であるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いタイプが多いので、飲酒の肝がんへの影響が欧米と異なることも考えられます。
今回、改めて、2008年6月までに報告された飲酒と肝がんリスクについて、日本人を対象とした疫学研究結果をまとめ、評価しました。このテーマについて報告された疫学研究には、22のコホート研究と、24の症例対照研究がありました。その結果を、国際がん研究機構(IARC)による、アルコールが肝がんの原因となるメカニズムの評価(動物実験で十分な根拠がある)とも合わせて総合的に研究班で検討した結果、日本では、飲酒と肝がんリスクの関連を示す科学的根拠は確実であるという結論になりました。
飲酒は肝がんリスクを高めるという結果が多い
コホート研究のうち、14研究(64%)で飲酒と肝がんに「弱い」から「強い」関連が報告されているのに対し、3研究では関連が見られず、5研究で「弱い」から「中程度」の負の関連(飲酒が増すと肝がんが減る)が報告されていました(表1)。負の関連を報告しているのは、主に肝硬変などの肝臓病患者を追跡した研究でした。その場合には、追跡期間中に肝がんになったグループで、飲酒状況を調査した時に、肝疾患の進行によって、すでに飲酒が減っていたという可能性が考えられます。
また、症例対照研究のうち、19研究(79%)で「弱い」から「強い」関連が報告され、4研究で関連が見られず、1研究で「中程度」の負の関連が報告されていました(表2)。
結論
飲酒が肝がんリスクを高めるというメカニズムを説明する研究結果があり、数多くの疫学研究の結果がほぼ一致していることから、日本人において、飲酒によって肝がんリスクが高まるのは確実であるといえます。
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投稿者: 大橋医院

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