大橋院長の為になるブログ

2018.02.10更新

「喘息の病治療戦略update」    大橋信昭

慢性の気道炎症は喘息の本態であり、気流制限や気道過敏性亢進などの機能異常と深く関連する。実際、吸入ステロイド薬を中止とした抗炎症治療の普及により、喘息管理は大きく向上した。現在、喘息の管理目標としては、日常の症状をコントロールするだけでなく憎悪や呼吸機能の低下(気流制限の重症化)など、将来のリスクを抑止擦ることが重要である。症状が週に数回程度までの軽症喘息であれば、多くの患者が吸入ステロイド薬単剤でコントロール化膿、である。症状が毎日認められる中等度から重度の喘息では、気道炎症に加えて、気道リモデリングによる、気流制限が重要な治療標的となる。吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の配合剤は、吸入ステロイド単剤と比べて喘息コントロールを有意に改善する。しか脚、中等度喘息においても配合剤で十分コントロール出来る患者は60%程度;である。中等度喘息に対する治療のしんぽとしてSMART療法や長時間作用性吸入抗コリン薬の併用があげられる。標準治療を行っていても、コントロールが不十分な症例では、喘息の診断が正確であるか、治療(吸入手技l、服薬アドヒアランス、薬剤選択)画適切であるか、喘息を悪化する因子(鼻副鼻腔炎、COPD)の診断と治療が適切であるか、について対策と評価を得ることが重要である。
 喘息は様々なフェノタイプに分類できる。症状と気道炎症が強く関与する古典的な喘息には、従来の・治療戦略が有効であるが、症状と気道炎症が乖離する症例では、別の視点かの治療が必要である。症状に比べ炎症が優位なタイプでは、好酸球や呼気濃度NO濃度で炎症を評価しながら、抗炎症治療を調整する役割が増悪の抑制に有効である。さらに、喘息には古典的な獲得免役も関与すること;、気道局所だけでなく、全身性の炎症が関与することがあきらかにされてきた。IGEやIL-5などの分子を標的にした抗体製剤は、ステロイド抵抗性の重症喘息にも有効な新規治療薬である。

おおはし

投稿者: 大橋医院

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY