<下肢虚血> 大橋信昭
重症下肢虚血の「治療」について、考えた。下肢には構成組織としての骨、
軟骨、骨格筋、皮膚、神経、血管など様々な組織が存在する。米国では以前から「足病学(Podiatry)」と呼ばれる学問が存在する。下肢を全体を1つの臓器の様に考え、欧米の下肢治療は日本よりかなり進んでいる。
また近年、重症虚血下肢患者の治療における、アンギオゾムという概念が、1998年にlan Taylo博士から提唱され、(重症下肢虚血(CLI)は、バイパス手術が標準治療に療とされているが、血行再建に成功しても約15%の症例で虚血が起こり、下肢切断に至ると報告されている。しかし、アンギオソム・コンセプトの導入によって、救肢率の改善が報告されるようになった。アンギオソム・コンセプトとは、動脈血管とそこから血液供給を受ける皮膚や組織をまとまった領域として捉える概念で、形成外科に導入され、CLIのバイパス手術でも血管と潰瘍病変との関係を捉える方法として導入されている。)皮膚の神経にはどの神経がどの部分を給与しているか8ダーマドーム)というコンセプトはできている。どの源血管が皮ふ表面や組織を支配しているか、という血流地図があきらかになっている。皮弁の使い方や血行再建の手法が、改善できる。薬物治療、血管内治療、外科的バイパス手術、そして細胞移植へとup-to-dateと夢が広がる。
2018.02.13更新
重症下肢虚血
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