大橋院長の為になるブログ

2017.09.12更新

サルコイドーシシは120年前に報告された長い歴史を持つ疾患である。病因論についてはなお諸説入乱れているのが現状であるが、

診断と治療面で近年大きく進歩がみられている。これらの進展を背景として新しい心臓サルコイドーシスの診療ガイドラインが作成された。

 診療面では画像進歩が著しい。2012年(平成24年)にFDP-PETがこの疾患の診断に保険収載された。炎症の程度や拡がりが分かり、感度の高いこの検査は特に心臓サルコイドーシスの診断に有用性が高い。またMRIは解像度も増して、遅延造営の意義が詳細に研究されつつあり、PETと併せて診断の効率が向上してきた。さらに活動性や治療効果の指標となる画像検査、血液検査の開発が望まれる。治療では薬物療法として、デパイスやアブレーションなどの不整脈の非薬物療法がの進歩が著しい。これらの診断治療法の進歩を通じてこの疾患の予後は著しく改善している。課題として残されているのは、病因論である。アクネ菌に対する遅延過敏反応説が報告されているが、今後は検証が必要である。診断面では心臓限局性サルコイドーシスの診断が問題となろう。今回のガイドラインで示された診断基準は、感度。特異度が100%というわけではなく更なる検討が必要である。

 

投稿者: 大橋医院

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