2014.11.17更新

<天国へのご招待>
大橋信昭
 昔から天国へ行けば、お花畑が一面に広がり、住人は苦痛も無く、ストレスもなく、平和な毎日が約束されていると聞いている。私は臨死体験で、天国から現実世界へ奇跡的に戻ってきた人達から、インタービューを受け、天国の現状をできる限り、皆様にご報告するつもりである。(あくまでも架空のお話であり、読者からの抗議は受け付けません。)
1) 奥様は仲良し:「あら!奥様、御久し振り、ここで再会するとは不思議よね!あら、あなたの御主人、施設に介護度5度で、もうすぐに天国へくるという噂だったのに、何よ、隣の婆さんと接吻しているわよ。あなた、黙って見ていいの!何か言ってあげなさい!」「だって天国からどうやって主人を懲らしめるのよ?」「あそこに閻魔大王がいるでしょ。白い浴衣と三角頭巾を借りて、下界へ降りて"うらめしや"と脅かしてすぐに帰ってらっしゃい。」下界でお楽しみの接吻中の御主人が、幽霊の奥様を見て驚き、心停止をきたし、すぐに天国へ救急搬送され、夫婦げんか再現された。無制限勝負である。天国へ招待された夫は「助けてくれ!」
2) 借金取り:「あんた、大阪のでもミナミでちゃんと言ったやろ!借りたもんは返さないかんのや。元金、十一の利息含めて、一千万、耳揃えて返してもらえましょうか!なんやったら、角膜、内臓、切り売り?あんたもう死んでたんや。そな、閻魔大王に頼んで、地獄で針の山で一働きしてもらえましょうか?」「堪忍してくれなはれ!天国にお金はありませんがな。借金は天国故に、チャラ!ではいけまへんか」「通用しませんがな。かつてミナミの鬼といわれた俺や、袋だたきさせてもらううで。」天国でも借金取りって怖いでんな。
3) 赤穂浪士:「吉良上野介さん、いい加減にしてくだされ!あんな松の廊下で浅野の殿を意地悪するものだから、私らも恰好つかんかったんや。なんであんな意地悪したんや?」「大石殿、私も歳で癇癪持ちでね、故郷では名君と言われていたのだが、なんとなくあの若僧、いや失礼、浅野殿をからかいましてね。お互いもっと長生きできましたのにな。」「吉良殿、それにしても天国はありがたいですな。お互いにないはずの首がつながってますやろ。ありがたいですな。」「本当にありがたい」
4) 政治家:「毛沢東はん、天国では共産主義も、自由主義も、どうでもええことやありませんか?」「蒋介石さん、ほんまや、もう政治論争は懲りましたは、それにしても大勢の人を犠牲にしましたな、これからは、仲よくしましょう。私らは、多勢の犠牲者により狙われておりますから、二人仲よくこっそりとうまくやりましょうね。」天国での政治的紛争はありません。
5) 「いやー久しぶりですな!平清盛殿。」「お元気ですか、源頼朝殿。お互い当時は源平合戦をやりましたな。私ら、今ではテレビ、映画、小説に引っ張りだこですな。お互い狭い日本で、何故あのような醜い争いをしたのでしょうか?あの当時の京都は、無政府状態で一般市民に迷惑をかけました。」「私も平家で暴れたのに、黒沢明監督の"羅生門"をみて涙を流していましたが、お互いに罪深き人間、今後日本が平和でありますよう、天国からお祈りしましょう。」

「結論」天国良いとこ、皆さん一度はいくところです。(完)

岐阜県大垣市の大橋医院は、高血圧症、糖尿病、や動脈硬化症に全力を尽くします。


投稿者: 大橋医院