2014.07.09更新

<春の里帰り>

去年嫁にいったお春が、1年ぶりの里帰りだ。
父:「オー春、おとうじゃないか、どうした?そんなおっかない顔をして帰ってきたんだ、おとうは春が夏に帰ってきたと、
洒落をいう所だった。何があった?」
お春:「婿殿へ嫁いでも、彼は優しいのだけれど、義理のかあさんの意地悪なこと。お米柔らかしくして、風邪ひいたとき、
こしらえたけど、こんな水みたいなごはんは食べられねー、普通に炊いて持っていっても石みたいなご飯だ!掃除洗濯、何一つ間にあわないーな、この嫁は、どういう躾で育ったのか?近所に言いふらすだよ。風呂加減も熱いの寒いのほめられたことはない、針の筵の毎日だ。おとうには悪いがもう帰ってきてしまった。」
父:「そうかね、嫁ぎ先でそんな苦労をしていたか?どうだ?おとうが持っている毒入り饅頭があるから殺してしまえ!」
お春:「おとう、そんなことはとてもできない、いやだ」泣きじゃくるだけである。
父:「すぐに殺せと言ってはいないよ。1年間、我慢して、向こうのお母さんにお仕えして、近所とも仲良くし、母親からも、近所からもいい嫁だと、思われるとき毒を盛りな。信用されているから、怪しまれない。病気で死んだと思うさ。そうなったらお春も気が楽だ。わかったかい!1年の辛抱だぞ。」
しぶしぶ郷里に帰ったお春はよく働いた。よく気が付くし、義母はびっくり、飯はうまい、近所にも愛想がよい、いい嫁だという評判があっという間に広がった。
1年後の夏にお春が夏の熱い時におとうのところへ帰ってきた。
父:「どうだねあんばいは?」
お春:「おらーとても幸せだ。婿殿は優しいし、お母さんも娘のようにかわいがってくれるよ。近所の人も優しいし、こんなこと夢みたいだ」
父:「なんだか、お春は太ったね?ひょっとするとお目出度じゃないかね?ちょうど良い、去年、おとうが作っておいた毒まんじゅうがあるから今が、義母をやっちまうチャンスだぜ!」
春:「飛んでもねい、おらー、嫁ぎ先で末永く幸せに暮らす気持ちだ。1年前の我儘はこの通り!許してくれ!」と土下座した。
おとうはにっこり笑って、これは毒饅頭じゃない、ただの砂糖菓子さ、少し脅かしすぎたね。なーに、どんなところでも1年、根を詰めて仕事がを必死で頑張れば、おめえの春が来るというもんだ。」
その後、お春は嫁ぎ先で子だくさん、おとうもおかあもよく孫をかわいがってくれたとさ。

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投稿者: 大橋医院